2006/8/26

日本が中東和平で進める「ヨルダン渓谷開発構想」とは?  イスラエルとパレスチナ、中東

(ニュース)
「4者協議」の早期設置を=中東和平実現の必要性強調−小泉首相
 小泉純一郎首相は26日午前、京都市で開幕した「世界宗教者平和会議」の第8回世界大会であいさつした。この中で首相は、7月の中東訪問の際に提唱したヨルダン渓谷開発構想に触れ「中東情勢が緊迫している時だからこそ、できるだけ早く構想実現に努力していかなければならない」と述べ、具体化に向けたイスラエル、パレスチナ、ヨルダン、日本による「4者協議機関」の早期設置を目指す考えを示した。 
(時事通信) - 8月26日13時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060826-00000037-jij-pol

*上のニュースで出て来る「ヨルダン渓谷開発構想」というのがどういうものかと思ったら、これのことらしい。

http://www.jica.go.jp/palestine/tpl/topics.html

【「平和と繁栄の回廊」構想】
2006年1月に予定されていた小泉首相の当地訪問がシャロン首相(当時)の急病で延期になっていましたが、7月11日〜13日に日本の首脳による当地訪問が実現しました。
訪問の目的は、平和国家日本の国際的な役割として、中東和平の促進を当事者に働き掛け、日本が出来る貢献として地域経済の活性化を目指した「平和と繁栄の回廊」構想を提案することでした。
折りしもJICAは、ヨルダン渓谷のジェリコを中心として、地方自治行財政能力の向上と、コミュニティを主役にした生活向上の技術協力プロジェクト3件(「地方行政制度改善」、「ジェリコ及びヨルダン渓谷における廃棄物管理能力向上」及び「母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上」)と、ジェリコ及びヨルダン渓谷の将来像を描く開発調査1件(「ジェリコ地域総合開発計画」)を実施中であり、小泉首相が提案したガザからイスラエル、ヨルダン川西岸地域を抜けてヨルダンに至り、さらには湾岸諸国を結ぶ「平和と繁栄の回廊」構想の中で、ちょうどインターチェンジの部分に当たるジェリコとヨルダン渓谷の開発を先駆けて実施している形になりました。
【なぜ、ジェリコか?】
JICAがジェリコとヨルダン渓谷に目をつけたのは、1.ジェリコが一万年の歴史を持つ、世界で一番古い都市と称されており、歴史的な史跡が多く、死海にも近く観光資源に恵まれていること、2.湧き水や地下水資源が豊富で農業関連産業開発の可能性があること、3.ヨルダン川西岸とヨルダン、湾岸諸国とを結ぶ唯一の交通要所になっていることの3点です。
また、ジェリコは1993年のオスロ合意以降、ガザと並んで最初にパレスチナ人による自治が認められた場所でもあります。
ジェリコ市を中心とするジェリコ県は、その大半がヨルダン渓谷に位置しています。
ヨルダン渓谷内の多くの地域は未だに民生及び治安の両面においてイスラエルの管轄下(注)にあり、イスラエルは国家安全保障に関する戦略的な位置付けから、ヨルダン渓谷における潜在的資源を保持し続けたいものと思われます。
もし、ヨルダン渓谷の位置付けを、イスラエルにとっての国家安全保障の観点から論じ合えば、常に自国の安全保障を何よりも最優先するイスラエルが容易に返還するとはとても考えられません。
しかし、将来的にパレスチナが独立した国家となるのであれば、経済的に自立した国家を作って行く上では、開発のポテンシャルが高いヨルダン渓谷はパレスチナにとってなくてはならない地域なのです。
【パレスチナとイスラエルの共存共栄に向けて】
では、ヨルダン渓谷が軍事戦略的な要所ではなく、イスラエルにもパレスチナにもヨルダンにも共通の経済利益を生み出し、軍事的な戦略性を低めることができれば、議論のポイントは変わって来ることが期待できます。
そこに、「平和と繁栄の回廊」構想が生まれた背景があります。
対話の機会がなければ妥協点は見出せません。また、妥協点を見出すためには共通の利害があるに越したことはありません。
政治対話は概して一方的な話し合いになりがちですが、経済的な対話は共通の利害を見出せる可能性が大いにあります。
JICAの開発協力が「平和と繁栄の回廊」構想を促進するための、具体的な対話のプラットフォームを作り出して行く役割が期待されています。
その結果が功を奏して、ガザと西岸を結ぶ回廊が繋がり、更に湾岸へ回廊が繋がって行けば、ヨルダン渓谷のみならずガザ地区はその経済回廊のゲート・ウェイとして、密集・貧困・不安定から脱却して、繁栄と安定の地に変貌する可能性があると考えています。
そして、最終的にはパレスチナが国家として経済的に自立し、イスラエルは地域の中での国家安全保障を得て、共生の地域が出来上がることを理想としています。
JICAパレスチナ事務所長 成瀬 猛
注:1993年のオスロ合意以降に始まったパレスチナ・イスラエルの和平交渉によって定められた「C地域」で、民生と治安のいずれもイスラエルによって管理されている。

*外務省のHP
イスラエルとパレスチナの共存共栄に向けた日本の中長期的な取組:
「平和と繁栄の回廊」創設構想
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/18/rls_0713b_3.html

イスラエルとパレスチナの共存共栄に向けた日本の中長期的な取組:
「平和と繁栄の回廊」創設構想
平成18年7月

1.基本的考え方
(1)持続的な和平実現のためには、「平和の配当」を人々にもたらし、当事者間の「信頼醸成」を促進することが重要。
(2)現在、イスラエル・パレスチナ間の和平に向けた取組は深刻な困難に直面しているが、二国家構想が唯一の解決策であり、現状への対応と同時に共存共栄に向けた中長期的な取組が重要。
(3)二国家構想の実現には、持続的な経済開発を伴う、健全なパレスチナ国家をイスラエル、ヨルダン等近隣諸国との協力を得て樹立することが不可欠。
(4)持続的な経済開発の鍵は民間セクターが握っている。西岸においては、農産業が経済開発の主導的役割を果たし得る。
(5)域内協力の結果のみならずプロセスが当事者間の信頼醸成の観点から重要。
2.日本の関与のあり方
(1)上記の考え方に基づき、パレスチナ、イスラエル、ヨルダン、日本の4者からなる協議体を立ち上げ、日本のODAを戦略的・機動的に活用しつつ、域内協力の具体化に取り組む。日本は、最初の4者協議をホストする用意がある。
(2)日本は、より長期的な見地から、イスラエルとアラブ諸国との信頼醸成と地域経済協力を推進する媒介役を果たしていく。
(3)実務的に取り組み、関係者間の協力と信頼関係を促進し、人々に将来への希望を与える、というアプローチを採用。
3.具体的な案件例(別添構想図参照)
(1)農産業団地の設置
 日本は、ヨルダン渓谷西岸側に農産業団地を設置するための事業化調査(F/S)を実施する。同F/Sの結果に基づき、事業化に必要な資金調達の方途が検討される。運営面を含め、必要な技術協力を行うほか、民間部門の参加を慫慂する。また、国際金融機関等との協力も検討。
(2)物流の促進
 日本は、上記農産業団地の産品の輸送に必要な協力を実施する。


*これは何か、ある意味、パレスチナ人をヨルダン渓谷西岸に押し込めようみたいな感じのものなのではないだろうか?
 あまり頂けない計画かも。
 でも現状で日本ができる経済政策ってこういうことになるんだろうか?
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2006/8/26

チョムスキーは「イスラエル=パレスチナ」一国家案には否定的  イスラエルとパレスチナ、中東

以下のノーム・チョムスキーの2004年のインタビューを読みました。
http://www.k2.dion.ne.jp/~rur55/J/Chomsky/Justice%20for%20Palestine.htm

チョムスキーは現在の状況では一国家案には否定的で、ジュネーブ合意にそうのがベストという考えのようです。

*関連する前記事
2006/8/23 「帰還権と「イスラエル=パレスチナ」問題」
http://blue.ap.teacup.com/documentary/821.html
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