2007/12/1

『マイティ・ハート/愛と絆』  映画

ウィンターボトム監督は『イン・ディス・ワールド』よりさらにいわゆるドキュメンタリータッチというのを極めてしまったようです。
この新聞記者の誘拐事件については、リアルタイムに報道に接していたから、結末がどうなるかも知っているわけだけれども、それでもここまでひたすらドキュメンタリータッチというのか、フィクションとして過度に作り込むことを避け、淡々と臨場感たっぷり描かれると、事件の当事者のような気になり、とにかく、こうしたことが世界では現在進行形で起こっているのだということを追体験して実感することができる。結局、映画というのは下手に作り込むよりも(たとえば『バンズ・ラビリンス』のような作品は、作り込んでいるがゆえに、結局、ひとりの作り手が頭の中で考えたことでしかないように思えてきてしまって、現実に世界で起こっていることだと実感することができなくなってしまうのだ・・。)このようにただただ現実を見せることに徹したほうが面白いのだろうか・・。うーん、困ったことだ。

でも、「ただただ現実を見せる」と書いたけれども、もちろん考えてこのようにつくっているのだろうけれども・・。たとえば、このジャーナリストが写真で笑っていた(そのことに奥さんが気がついた)・・というだけで、このジャーナリストが「超」とか「馬鹿」がつく正直者であること(だからこのような事件に巻き込まれてしまったのかもしれないが・・)、そこに奥さんがひかれたのだといったことが分かる。家族が電話してくるところでどういう家庭で育ったのかについても分かるわけだし・・。こうした描写は上手すぎるとも言える。

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