2008/6/13

スタン・ブラッケージ!  映画

ミストラルジャパンの上映会で、スタン・ブラッケージ監督の『幼年期の情景』(1967〜1970年、140分)を見ることが出来た。まさに他に類がないような作品。スタン・ブラッケージこそ、他に類がないような、唯一無二の映画作家。

シェルドン・レナン著『アンダーグラウンド映画』(波多野哲朗訳、1969年6月、三一書房刊)には以下の記述がある。
「現在、ブラッケージは『子供時代に撮ったシーン』(1966〜)を仕上げている。彼は純粋な光を求めて、レザー・プロジェクター用の色を塗った映画を作りたいと考えている。(もし、誰かがレザー・プロジェクターを発明したらの話だが)。」

実際、この映画で印象的なのは、赤や緑、青、紫など、さまざまな色に塗られた画面。それ以前の作品からブラッケージの映画は、ごく普通の日常の情景を、「光」の乱舞としてとらえた独創的な編集によって再発見していくという、日常的な情景を「再発見」する、「見る」ことについての映画を追及してきたと言えるのではないかと思うのだけれども、この『幼年期の情景』(『子供時代に撮ったシーン』)に至っては、「光」が、赤、緑、青、紫など、さまざまな色の乱舞にまで至ったようである。写っているものは、本当に一軒家の中での家族の日常的な情景がえんえんと続くだけなのだけれども、さまざまな色の「光」の乱舞によって、幼年期の記憶の情景がよみがえり浮かび上がってくるかのようである。

DVでも、先日見たペドロ・コスタ監督の『コロッサル・ユース』のような前衛的な映画をつくることが可能であるならば、フィルムにこだわる意義はどこにあるんだろうか・・と漠然と思っていたのだけれども、スタン・ブラッケージ監督の映画はフィルムでなければ絶対につくれないようなものであり、「映画をフィルムでつくる」ことの存在意義がまさにここにはある。
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