2008/9/30

金融安定化法案、否決!  時事問題

*やった!これこそ、民主主義。アメリカ万歳!
 ・・結局、こうした「金融安定化法案」が通過したほうがいいのか、通過しないほうがいいのか、どっちがいいとも一概には言えない。ある者にとっては通過したほうが利益になるが、ある者にとっては通過しないほうがいいのかもしれない・・という、人によって利害が違ってくることだからだ。どういうことかと言うと、これが否決されるとバタバタと倒産する会社が出てくる。それはたしかに大変なことである。しかし、この法案が通過した場合も、公的援助で税金が使われることが歯止めがきかなくなり、国民負担は増すのであり、アメリカの低所得者層にそうした余裕があるわけがない・・。
資本家というのか、金持ち達は、多くの企業が倒産せず、利益をあげて、雇用が増えることが低所得者層にとっても救済になるのだから経済が安定することのほうがいいのだ・・と言う。たしかにそうした面もあるのかもしれないけど、しかし、金持ち達がもっと会社がもうけたらもうけた分だけ、全社員にもうけを回すとか(たとえば会社の利益が2倍になったら全社員の給与を2倍にするとか)、雇う人間を増やすとか、そういう風にしているのであるならば、そうした金持ち層が言うことも説得力を持ってくるのだが、多くの金持ち層がしていることはそうではない。逆に、もうけたらもうけた分だけ、多くの富が自らに集まってくるように精を出し、たとえば雇う人間はパートとかにして、なるべく人件費を削ろう・・とするのが金持ち層がしていることなのである。だから、「貧富の差」「格差社会」が生じるのであり、これはマルクスが正しいか、正しくないかというより、人間は本性としてそういうもの(なるべく自分だけがもうけようとするもの)だからそうなるということなのだ。だから、金持ち層側が、いくら経済が安定することが低所得者層にとってもいいことなのだ、全体にとっていいことなのだ・・と言っても、自らが日頃、していることはその逆方向のことだから、信用されないのだ。結局、すでに貧しい低所得者層の人間が、どうせ自分は貧乏なんだから経済が不安定になって恐慌が来てもいまさら恐くないわい・・とやけっぱちになるのは道理なのであり、それもこの社会の人々の日頃の行ないが招いていることなのかもしれない。

(ニュース)
米金融安定化法案、下院が否決
9月30日3時46分配信
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2008/9/29

C型肝炎訴訟 生き残っていく薬害企業  公害・薬害・環境・医療問題

*C型肝炎訴訟、原告、弁護団が被告企業の田辺三菱製薬(旧ミドリ十字)と和解したが、被告企業に対する損害賠償請求権を放棄した・・というその内容にちょっと脱力。はっきり言って、企業の側は、責任を認め、謝罪したというけど、損害賠償をしなくてもいいのであるならば謝罪といってもほんとに口だけの謝罪であるわけで、痛くないと思うよ・・。こうしてまたこの旧ミドリ十字という会社は生き残っていくのか・・。
これではなんで裁判をしていたのか・・。こういう形の和解で良かったのか・・。うーん、後々、しこりが残りそうです。

(ニュース)
薬害肝炎訴訟 患者掘り起こし課題 問題解決ほど遠く
9月29日8時0分配信
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2008/9/28

ポール・ニューマンの訃報記事でどこが『暴力脱獄』をあげたか?  映画

*ポール・ニューマンの訃報記事、最初に見たのが毎日新聞だったわけだが。うちでとっている新聞がこれなので・・。以下のもの。

(毎日新聞)
<訃報>ポール・ニューマンさん死去「明日に向って撃て!」
9月27日23時25分配信
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2008/9/27

『ハンコック』  映画

これは脚本がけっこうちゃんとしている。
アメリカ映画本来の楽天的なヒーローもの。このところ、アメリカ映画も陰惨なのが多いから(ヒーローものでさえ『ダークナイト』ですからね)、こういうのを見るとほっとする。
マイケル・マンが製作(プロデューサー)。もはやマイケル・マンも、本来のアメリカ映画の味にこだわる、老舗の職人みたくなってきたのか?
職人仕事・・それ以上のものではないのかもしれないが。

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2008/9/25

今頃、なぜか、蔵原監督特集  映画

ラピュタ阿佐ヶ谷で『硝子のジョニー 野獣のように見えて』を見てから、シネマヴェーラ渋谷で『憎いあンちくしょう』。なぜか、唐突に、「蔵原監督特集」ではないか・・。
(なお、今年の東京フィルメックス映画祭でも蔵原監督特集として12本上映されるそうです。)

いやー、でも蔵原って、ほんとに凄い監督だったんだなぁ(今さらですが)。
『憎いあンちくしょう』はもちろん、日活青春映画の金字塔、石原裕次郎と浅丘ルリ子コンビの代表傑作、名作中の名作であるわけだけど・・、個人的には『硝子のジョニー 野獣のように見えて』により興味を覚えました。この芦川いづみが演じるヒロイン像はまさに奇跡のような存在。いわゆる、ちょっと知的障害があるらしい、不幸な「白痴」の女という、あのフェリーニの『道』のヒロインタイプのヒロインであるわけだけど、この手の「白痴」女のヒロインものは、どうしてもある種の男の妄想、願望が生み出した女性像・・とも思えてしまうところがあって見ていて居心地が悪くなってしまうこともあるのだけど、『硝子のジョニー 野獣のように見えて』の場合は、ただ不幸で可哀想でだけど美しい心の女・・みたいなだけではなくて、同時に躍動感がある、単に受動的なのではなくて動態の、自らが動くことで世界を変えていく力を持ったヒロイン像でもあり得ているように思えて、この手のヒロインものがこのように作品として成立しているのはなんとも絶妙なバランスの上で映画が成立しているように思えたのです。これは、いわば、芸術的な「女性もの」をやろうとしていることと、同時に娯楽の「日活アクションもの」をやろうとしていることとが結びついて映画になっていることが、独特の絶妙なバランスでヒロイン像を成立させることとうまくつながり、奇跡的な事態を引き起こしているのではないだろうか・・などと考えてしまいました。
実は、この『硝子のジョニー 野獣のように見えて』は亡くなられた相米慎二監督が選んだ日本映画ベストテンにあげられていた作品だったので(それもあって前から見たいと思っていたんだけど)、そういうことを意識して見ていた部分もあったんだけど、このヒロイン像とか、演出とかはたしかに相米監督の映画に通じるところがあるように思いました。冒頭の海辺をパンするシーンから、「相米的演出」が散見される。もちろん、相米のほうが影響を受けているんだろうけど。たとえば相米監督の『光る女』は、かなりこの『硝子のジョニー 野獣のように見えて』を意識していた映画だったのではないか・・。当時の蔵原監督の映画にはたとえば神代が助監督としてついていたりするのだけど、神代をこえて、神代の映画よりも相米の映画のほうに蔵原の映画はより親近性があるように思えるのだ。
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2008/9/25

『青空ポンチ』  映画

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やぁ、面白かったなぁ、これ。
『おそいひと』の柴田剛監督のバンド青春もの。どうしても山下敦弘監督の『リンダリンダリンダ』と比較してしまうわけだが(山下監督と柴田監督は同じ大阪芸術大学映像学科出身)、僕は躊躇せずこっちを押す。まぁ、こっちのほうが主人公はじめ、屈折しまくりの癖があるやつばかりが出てきて、定番の「バンド青春もの」なのにやっぱり変な映画で、さすがに『おそいひと』みたいなパンクな映画を撮った監督ならではの屈折した映画だなぁと呆れるんだけど・・。でもそこが、明らかに山下監督よりもマイナーであるところが、逆に面白いわけだけど、こんな風にマイナー好みの僕みたいな観客に面白かったと言われても、この監督、嬉しくないかもなぁ・・とも思うんだけど(笑)。
いやー、でも、個人的には、この監督にはずっーと、こういうマイナーな変な映画をどこかで作っていて欲しいと思いました。山下監督はメジャーになっていっても柴田監督はずっーとマイナーな存在なのかもしれないけど、それでいいから、こっちのほうが面白いんだから(笑)、世間の評価なんて気にせず、ずっーとこれ、やってて欲しいと思いました。(マイナーでありながら作り続けるってチョー大変だけど・笑)。ま、これはマイナー好みの変な観客である僕の勝手な思いですので・・、無視してくれても全然、かまいませんけど(笑)。
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2008/9/24

いま、日本映画で多作の監督は?  映画

その中の1本も見ていないのであるが、今年、続々、新作が公開されている堤幸彦って凄い。なんでこんなに次々と撮れるのだろうか?
なんだかんだ言っても、多作の監督ってそれだけで凄い。プロだと思う。いつまでたっても「新作」が完成しないでいる僕なんかはほんとにこういう人達の爪の垢でも煎じて飲まなきゃ、いけない。
いや、多作だから凄いというのは言い方として変で、質的にも凄いのだ。下手な監督だったらそんなに次々と仕事が来るわけないのだから。ほんとに上手い監督だからこそ、次々と撮れる。堤だけでなく、相変わらず多作の三池とか広木とかもやっぱりそれだけの実力があるのだ。

そして、もうひとり、堤幸彦の「裏」(?)みたいな感じで、続々と撮っている監督がいる。城定秀夫である。僕はこの監督、まだ1本も見ていないのだが・・

城定秀夫(じょうじょう・ひでお)
1975年東京都生まれ。武蔵野美術大学在学中より映画の現場に関わり、北沢幸雄監督、小林悟監督、国沢実監督、荒木太郎監督などのピンク映画の助監督を務める。2003年『味見したい人妻たち』で監督デビュー。以降は主にOV作品を発表。『人妻猥褻事件簿 露出投稿マニア』(2003)、『くりぃむレモン 夢のあとに』(2006)などがある。2008年久しぶりの劇場用作品『妖女セイレーンX 魔性の誘惑』を手掛けた。(以上「PG」No.103より引用)

(以下がその監督作品。その多作ぶりに驚く。)

監督作品:
2003年 味見したい人妻たち(原題:押入れ)
2004年 人妻猥褻事件簿 昼下がりの罪と罰(第3話「露出投稿マニア」)/飼育の教室 疑惑の化学実験室/新 高校教師 ひと夏の思い出/新任バスガイド あいのり欲望ツアー
2005年 女教師痴漢調教 愛より速く/若妻痴漢遊戯 それでも二人は。/失踪 僕が彼女を閉じ込めた理由/情無用の刑事まつり「刑事ローグ」/19 NINETEEN 女子大生殺人レポート
2006年 奥さまDEナイト 天宮まなみ/咲子の寿司 絶品・寿司対決!!/くりいむレモン 夢のあとに/新任女教師 二人だけの教育実習/新 高校教師 桃色の放課後/熟女ムンムン報告書 飽くなき欲望
2007年 ラーメン必見伝 麺VSスープ 至極の兄弟対決篇/ギネスの女房/江戸女刑罰史 緊縛妖艶遊女/隣人ポータビリティ/隣の未亡人 幼妻エプロン日和/江戸女刑罰史 女郎雲
2008年 アダルトビデオの作り方/アダルトビデオができるまで/どれいちゃんとごしゅじんさまくん/妖女セイレーンX 魔性の誘惑/ガチバン/蒼空/デコトラ★ギャル 奈美

(『ガチバン』!?どんな映画だと思って検索すると・・)

SAMPLE
ガチバン

出版社/メーカー: AMGエンタテインメント
発売日: 2008/08/22
メディア: DVD

「クローズZERO」「ワルボロ」、そして「ごくせん」「ROOKIES」と、昨今のヤンキー青春モノの大ブームを受けて、何と無謀にも原作無しで作った完全オリジナル作品が登場。主演はTV版「BE-BOP-HIGHSCHOOL」がデビュー作だった窪塚俊介。マドンナ役には秋山奈々。他に南圭介、沖原一生、深水元基、松浦祐也といった面々が出演。更には伊佐山ひろ子、荒井美恵子、梅津栄まで登場!
中学時代に三羽烏と謳われた仲間たちと、進学するそれぞれの高校で番長になるという誓いを立てた拓海。入学早々、二年生の不良どもをシメた拓海だったが、一方で頭の中はセックスへの妄想でパンパン状態。そんな時、母親に無理矢理参加させられた市民劇団*1で美少女と運命の出逢いが! 彼女に夢中になる余り、仲間たちとの関係はこじれ始めて…。
冒頭こそ正統派のヤンキーものっぽい感じですが、中身の方はこのメーカー特有のオフビートコメディの要素が強い作品でした*2。それを象徴するのが、主人公の“ザーメンの精”役で登場する佐藤二朗。そしてその存在のお陰で、青春映画で定番である、踏ん切りをつける為に自分自身と格闘するというシーンの具現化に成功するという奇跡が!
注目の秋山奈々ですが、芝居の稽古シーンでレオタード(?)を二枚重ねにしても隠し切れない巨乳っぷりを披露。また監督がピンク映画畑の城定秀夫だけあって、太ももを何気なく撮っただけでグッと来るエロいシーンに。更に胸の谷間をチラ見させたりするんだから、窪塚俊介がガッツくのも当然! あわや貞操の危機!? みたいな流れにもなるから彼女のファンは必見だ!
ストレートなヤンキー青春モノを期待するとアレ? みたいな事になるかもしれませんが、ちょっと変わったテイストの作品だと判っていれば、魅力的な部分が色々と見つかるそこそこの拾い物だと思います。
http://d.hatena.ne.jp/mash1966/20080629/p1

(うーむ、主人公が自らの“ザーメンの精”と闘い、「青春映画で定番である、踏ん切りをつける為に自分自身と格闘するというシーンの具現化に成功するという奇跡」というのはちょっと見たいかも!
というか、この監督、実は石井輝男、鈴木則文路線の王道を行っているのでは!?
『デコトラ・ギャル奈美』は東中野でレイトショーされるとのこと・・)

デコトラ・ギャル奈美
SAMPLE, ビデオスルー

デコトラ・ギャル 奈美(ハードデザイン版)

出版社/メーカー: GPミュージアムソフト
発売日: 2008/10/25
メディア: DVD

 吉沢明歩主演のトラック野郎系エロVシネマです。監督は「ガチバン」が楽しかった城定秀夫。共演は今野梨乃、吉岡睦雄、松浦祐也、森羅万象。メーカーからのチラシには花くまゆうさく氏、井口昇監督、TaRaGa氏と並んで、松江哲明監督の感想も使われてました。
男勝りの気風の良さと時間厳守の確かな腕、場末の食堂でどんぶり飯をかっ食らう男社会に咲いた一輪の花。伝説のトラック野郎として今も語り継がれる亡き父から残されたデコトラを駆り、父が背負わされた借金を返す為に奮闘する奈美。スピード勝負でも悪徳トラッカー軍団を一網打尽! そんな彼女の下へ、トラッカー相手に体を売って生きてきた娘、桃香がひょんな事から転がり込んで来る。はじめは迷惑がっていたものの、“真面目に生きたい”と頑張る桃香と心を通わせあう奈美だったが、偶然とんでもない荷物を積んでしまって…。
うーん、これは良く出来てたなぁ。まずは笑い、涙、カーアクション、もちろんエロもと、何でもアリアリの「トラック野郎」リスペクト*1な姿勢が良い。
今のトラッカーものと言えば哀川翔主演の「デコトラの鷲」シリーズがあって、アレはアレでそれなりに楽しいモノなんですが、今の強い規制の中だと出来ない事の多さが見えてしまうのが難だと思ってました。
そこ行くと本作の場合、限り無くゼロに近い所から、惰性で撮って終らせても誰も文句は言わないだろうに、一つ一つのシーンを面白くしようと頑張ってるのがガンガン伝わってくる*2。そんな努力が積み重なった結果に到達するファンタジックなラストシーンには思わず感動させられてしまいました。
まぁ生粋の男映画好きとしては、クライマックスは決死の貨物輸送バトルで〆て欲しかった所なんですが、どんなストーリーでも最終的に愛の物語になってしまうのが城定作品の良い所ですからね。
リリース日と同じ10/25からポレポレ東中野でレイトショー公開されるらしいんで、心ある方は見に行った方が良いじゃないかな。
http://d.hatena.ne.jp/mash1966/20080917/p1

(1週間のレイトショー上映だとのこと。さらに『蒼空』もアップリンクファクトリーで1日上映されていたのだが見れなかった。『デコトラ★ギャル 奈美』は見ないと・・)
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2008/9/19

福田衣里子さん、民主党から出馬  公害・薬害・環境・医療問題

*ちょっと複雑な気持ちもするけど、とにかく頑張ってほしいものです。

(ニュース)
福田衣里子さん命懸けの出馬…民主・小沢代表口説き落とした
9月19日8時3分配信
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2008/9/17

アメリカ経済問題について、覚え書き  時事問題

(以下は、昨日、今日のニュース報道について思考を整理するためのとりあえずの覚え書きみたいなものです。)

アメリカ政府が、リーマン・ブラザーズは見放し、破たん。しかし、AIGには公的支援に踏み切り救済。
なぜこっちは救うのに、こっちは救わないのか?という点で明らかに不平等であり、矛盾しているわけだけど、現実問題としては妥当な線というのか、当面の政策としては仕方がないものなのだろうか。
まあ、別に予言者じゃないので、なんら、確信を持って言えないけど・・。
そもそも新自由主義に反対の立場からすれば、サブプライムローンのようなものを野放しにしてきたこと自体が間違いなのであり、サブプライムローンでもうけてきた会社が潰れるのは自業自得、公的救済なんてする必要はない・・という理屈になるのかもしれないが、たしかにリーマン・ブラザーズが潰れるのは自業自得なんだけど、問題は、大手金融会社が潰れる場合は、その会社自体が潰れることに関しては自業自得であったのだとしても、他への社会的、経済的影響があまりにも大きいということだろう。だから、他への波及を食い止める経済政策として公的救済をする必要が出てくるわけで、かといってなんでもかんでも公的救済で税金を投入していたら今度はアメリカ政府のほうがもたなくなるから、救済する企業と救済しない企業が出てくるわけである。その境目は運でしかないわけで、救済されなかった企業の側は、「なんであいつは救うのは俺はダメなんだ!」と頭にくるわけだが、まあ、仕方がないのである。政府としては、「救えない場合もある」という例を示して、企業と市場の自主的努力(投機マネーをやりすぎないように人々が自制していくこと)をうながすしかないのであって、リーマン・ブラザーズはその犠牲になったのだと言える。また公的救済をする場合も、税金を投入することはなるべくなら政府としてはやりたくないわけだから、メリルリンチのように他の会社に合併させることをうながすという形をとる場合もある。これならとにかく民間の間で救済が実現したわけだ。しかし、リーマン・ブラザーズの場合は、それも(公的資金を直接、援助するのではなく、他の会社に吸収合併させることも)出来なかったのだろう。あるいは、「救えない場合もある」という例を示しておくことも必要なので、その例としてリーマン・ブラザーズが運悪く選ばれてしまったということかもしれない。しかし、リーマン・ブラザーズの破たんが経済的に他に波及することは食い止めないといけないため、保険会社のAIGは救うというのを続けて示したのだろう。
まあ、アメリカ政府としては妥当・・というのはそういうことだけど、しかし、僕がこんな風にアメリカ政府について「妥当」なんて言って評価してあげてること自体が皮肉なんだよな(笑)。
だいたい、新自由主義の考え方からすれば、企業を救うために公的資金を投入するなんてこと自体がおかしい話なわけで、矛盾しているんだよね。結局、「新自由主義」のやり方では限界があるということを、新自由主義を掲げる政府が自ら示してしまったと言える。
かといって「計画経済」でやっていこう・・なんていうのも無理な話なんだろうけど(理想としては「社会主義」「共産主義」というのはあるけど、現実的に政策として「計画経済」をどう実現すればいいのか?と問われるとたしかによく分からない)、「計画経済」をある程度、導入した資本主義社会というケインズ型で当面はいくしかない・・というのが今のところの結論なんだろうか。(「新自由主義」の論者からするとマルクスはもちろんケインズも古くなった・・と言うんだろうけど、やはりそうとは言えない。)
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2008/9/15

グレミヨンの凄さ  映画

素晴らしい映像を作り上げ、撮ることが、そのまま素晴らしい映画のスペクタクルになっていて、素晴らしい「映画」そのものになっている・・というのがグレミヨンの強みだ。
映画は映像・・とはいうものの、「映像」に凝ることが、すなわち「映画的」なことなのだ・・というほど、単純なものでは明らかにない。「映像」にものすごく凝っているんだけど、そして素晴らしい「映像」を作り上げているんだけど、どうにも「映画」になっていない・・という映画はたくさんあるのだから。
だから、むしろ、「映像」に凝ることのほうが間違いなのではないか? 「映像」ばかりに凝るから脚本などがおろそかになってしまうのではないか? こつこつと脚本などのテクストに凝ることに精を出したほうが、素晴らしい「映画」に近付く道なのではないか・・という考えの人(監督)も出てくるわけで、そして、たしかにそうした考えで、きちんと成果をあげている素晴らしい映画もいくつもあるように思う。
グレミヨンが凄いのは、「映像」をとるか? テクストをとるか? といった選択をこえて、素晴らしい「映像」を撮ることがそのまま素晴らしい「映画」である・・ということを難なく成し遂げてしまっている(実際には「難なく成し遂げてしまっている」わけではないのかもしれないが、そのように見える)ことである。だから、グレミヨンは、劇映画も、ドキュメンタリー映画も、撮れるのだ。
素晴らしい「映像」を撮ることがそのまま素晴らしい「映画」である・・「映画」として、ごく当たり前のことをやっているようだが、実はグレミヨンがやるようには、ほかの誰にも出来ないのである。

『曳き船』
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2008/9/14

『海の沈黙』と『三重スパイ』  映画

それはたまたまな相似なのかもしれないけれども、今回の「フランス映画の秘宝」で見た(ともに初めて見た)メルヴィルの『海の沈黙』とロメールの『三重スパイ』がきわめて近い作品のように思えてしまう。ロメールが特にメルヴィルを意識していたとは思えないのだけれども、1947年の作品と2003年の作品とがどうして似通ってきてしまったのか? これはやっぱりヌーヴェルヴァーグの映画の精神が近付けてしまっているのだと思うしかない。
メルヴィルの『海の沈黙』は、ゴダールやトリュフォーがデビュー作を撮る以前の作品だから、「ヌーヴェルヴァーグの映画」というよりも、「ヌーヴェルヴァーグの先駆け的な映画」というほうが正しいのだろうが、しかし、実際の『海の沈黙』はすでにして「ヌーヴェルヴァーグの映画」そのものと言っていいような映画なのだ。
そして、ロメールの『三重スパイ』は、ロメールというと恋愛的な題材のものばかり撮る作家なのかと思っていたらこんな政治サスペンス映画を撮る人だったなんて・・と驚くものなのだが、そのように驚くほうが明らかに失礼な話なのであって、これはまさに「ヌーヴェルヴァーグの映画」ではないか。ロメールがこういう題材も撮るのかという驚きは、そもそもロメールこそがヌーヴェルヴァーグの映画作家であるということを忘れてしまっている。いつの間にか、「ヌーヴェルヴァーグの映画」ではなく、「エリック・ロメールの映画」という、個人の映画作家の作品のイメージに縛られてしまっていたから、「ロメールがこういうものも撮るのか?」などということを思ってしまうのだ。『三重スパイ』は、これを撮った人が、仮にロメールではなく、トリュフォーなりゴダールなりシャブロルなりリヴェットなりであったとしてもいっこうにかまわない、まさにこれこそが「ヌーヴェルヴァーグの映画」だ!、これこそが「ヌーヴェルヴァーグの映画」の精神だ!、これこそがヌーヴェルヴァーグの傑作だ!と思わずにはいられない映画である。とはいえ、『三重スパイ』はロメールでなければ撮ることが出来ない映画なのだろうけど、トリュフォーにもゴダールにもシャブロルにもリヴェットにも撮ることが出来ない映画なのかもしれないけれども、にもかかわらず、これは「エリック・ロメールの映画」であることさえこえて、「ヌーヴェルヴァーグの映画」なのである。
だから、別にロメールがメルヴィルの映画を意識していたとかそういうことではなくて、「ヌーヴェルヴァーグの映画」以前にすでにして「ヌーヴェルヴァーグの映画」であった『海の沈黙』と、「エリック・ロメールの映画」であることをこえて「ヌーヴェルヴァーグの映画」である『三重スパイ』とが相通じる映画になり得ているという事態も起こり得るのである。そして、そこに「ヌーヴェルヴァーグの映画」とは何か?をとく鍵がもしかしたらあるのかもしれない。
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2008/9/13

渡辺文樹監督、また逮捕  映画

*これこそ本当の弾圧。

(ニュース)
<軽犯罪法違反>天皇家批判の映画ポスター張った監督逮捕
9月11日13時11分配信
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2008/9/8

『イントゥ・ザ・ワイルド』  映画

先日のダグラス・サーク特集で上映された『天が許し給うすべて』でロック・ハドソンが演じる庭師の男とはまた別の形で、ソローの名著『森の生活』に魅せられ、いかれてしまって、無謀な冒険の旅に出てしまったかのような主人公の青年。
が、サーク作品のロック・ハドソンは堅実なやつで、庭師としての技術を身につけ、ちゃんと自分の「森」を作り上げてから恋愛にチャレンジするのだが、この『イントゥ・ザ・ワイルド』の原作、『荒野へ』の青年は、そうした堅実さが足りない。たとえばカヌーは素人なのに訓練を積む努力をすることもなく、ヘルメットさえつけずに実践に出たりする・・。これではただの若さゆえの無謀な冒険主義で、世間に背を向け、自然主義で生きるのはアリだとは思うけど、それは若さゆえの無謀ということとはちょっと話が違うのではないか・・。
と主人公の行動には疑問も沸くのだけど、この作品はそうした主人公のキャラクターの無謀さもしっかりと見つめ、そうしたキャラクターの若者だからこそほっておけない大人たちもあらわれて交流が生まれていくさまも描いていて、その点が清々しい作品になっているように思う。
そもそもサーク作品の場合は、あくまでメロドラマが主軸であり、サーク作品の登場人物たちはそれぞれさまざまな幻影にとらわれていて(実際に、現実に生きている我々、人間のひとりひとりがそうであるように)、その「幻影」のひとつの例としてソローの『森の生活』のような生活にとらわれているロック・ハドソンが演じる庭師の男の姿が描かれているのであって、「恋愛」などには背を向けて、ひたすら孤高に自然の中での生活に挑もうとしている『荒野へ』の青年の場合とは話が違うのではないか・・と考えてみると、そうなのかもしれない。そうすると、ソローからサーク作品を想起して比較しながら見ていた僕の見方がそもそも見当違いだったのか・・。
いや、でも、実際のソローとこの青年はやはり違う。この青年はやはりソローその人ではなく、ソローに憧れ、とらわれてしまった者なのだ。そうすると、やはりサーク作品の登場人物たちに近いのかもしれず、僕の連想はまったくの見当外れでもなかったのではないだろうか・・。
また例によって、書いていることが混乱してきて、何が言いたいのか、自分でもよく分からなくなってきてしまったが、なかなか面白い映画だった。

ショーン・ペンは、原作に付け加えたものはないと語っている。脚本を書くのに必要なものはすべて原作に書いてあったんだって。考えてみれば、ショーン・ペンの最初の監督作『インディアン・ランナー』にしろ、ブルース・スプリングスティーンの歌そのままだったよな。全然、オリジナルなんかじゃないのだ・・。でも、オリジナルにつくった物語じゃないのに、「ああ、いかにもショーン・ペンだなあ・・」と思わせる作品にいつも仕上げてしまう。そういう意味では不思議な才能だな。(あ、なんて書くと、けなしているみたいだけど、ほめようとしたつもりだったのだが・・。)

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2008/9/6

「フランス映画の秘宝」初日  映画

「フランス映画の秘宝」の初日、『パリ横断』『最後の休暇』『誰でもかまわない』と見たが、一番、観客が入っていて、おじいさん、おばあさん中心の観客の熱気を感じ、上映中もけっこう笑ったり盛り上がっていたようなのは、不朽の名作と言われている『最後の休暇』でも、ドワイヨン監督らの舞台挨拶がおこなわれた『誰でもかまわない』でもなく、『パリ横断』だったように感じたが・・。うーむ、この客層はなんだろう・・。文芸坐で『肉体の悪魔』とかを見ると、やはり大入りで観客のおばあさんとかが生き生きとしていてジェラール・フィリップ様の不滅の人気ぶりに驚かされるのだけど、『パリ横断』は、『肉体の悪魔』の監督、主演がジャン・ギャバンということで、いそいそとかけつけたおばあさんとかがいるのに違いない・・。ギャバンも不滅なのだ。ドワイヨン監督や、ハスミンらの舞台挨拶がおこなわれるので『誰でもかまわない』に駆け付ける客層とは微妙に違いがあるようで、なんか、観察していて、面白かった。
あ、映画のほうは3本とも傑作です。『誰でもかまわない』は、『ピストルと少年』の続編とも言える作品のようだが、最初は、いつものドワイヨンのウジウジした話かと思って見ていたのだけど、ちょっとこれまでのドワイヨン作品とはまた違うところにまで映画がいってしまったような・・。ドワイヨンは進化しているのか・・? というか、なんとも不思議な、見たことがないようなヒロインだ。
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2008/9/3

目下のおすすめ  映画

『言えない秘密』

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『地球でいちばん幸せな場所』

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『空想の森』

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公開されている映画のほんのひと握りしか、僕は見ていないわけだし、おそらく他にも素晴らしい映画はいろいろとあるんだろうとは思うんだけれども、たまたま僕が見た中でこの3本は本当におすすめ。
いずれも、大宣伝が行われている数々の映画の影で、こうした映画があることさえ、多くの人に知られずに終わってしまうかもしれない作品なので、ここで改めてアピールしておきたい。
どこから迷いこんできたのか、このブログを訪れた方々には、この3本の素晴らしい映画作品のタイトルだけでも記憶しておいて欲しいものです。
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