2008/10/30

「第45回記録映画をみる会」のお知らせ(終了)  映画

(終了しました。)

*ドキュメンタリーの上映会を行ないますのでお知らせします。今回は作品的にもかなりおすすめ、『干潟のある海』は傑作です!

「第45回記録映画をみる会」(主催/日本記録映画作家協会)のお知らせ

ふたつのうみに生命を! ー琵琶湖・そして有明海

(期日)10月29日(水)、10月30日(木)
(会場)中野ゼロ 本館 地下2階 視聴覚ホール
 JRまたは東京メトロ東西線の中野駅南口出て左、新宿方向へ徒歩8分
 会場アクセス
http://www.nices.jp/access/zero.html

10月29日(水)午後6時30分開場、7時より上映
『淡海と生きる ー琵琶湖ー』30分 脚本・構成 布村建 演出・撮影 新村安雄 2007年
『干潟のある海 ー諫早湾1988ー』52分 監督・撮影 岩永勝敏、岩永則昭 1988年

10月30日(木)午後6時30分開場、7時より上映
『有明海に生きて ー100人に聞く、海と漁の歴史と証言ー』120分 監督 岩永勝敏 2007年

(DVD上映です。)

(料金)1000円(前売り、当日とも)
(問い合わせ)
NVCC(川本) TEL、FAX042ー565ー4572
野田 携帯090ー8348ー1903
メール(金子) n3946062@yacht.ocn.ne.jp

今回はテーマを「ふたつのうみに生命を!」として、琵琶湖、そして最近、裁判闘争でも話題になっている、有明海(諫早湾)を取材したドキュメント作品を上映します。特に、諫早湾のドキュメントは、潮受堤防が締め切られる前の1988年に撮影、製作された作品と、2007年に製作された作品とを合わせて上映します。堤防が締め切られる以前の自然の姿と、現状の姿とがとらえられています。
ぜひご来場ください。

(終了しました。)
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2008/10/27

「誰も責める気ない」−死亡妊婦の夫が会見  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
安心して産める社会に=「誰も責める気ない」−死亡妊婦の夫が会見
10月27日21時13分配信
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2008/10/24

都立墨東病院で妊婦さん死亡の件で朝日新聞が見当違いの社説  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
妊婦の脳血管障害184人、10人が死亡 06年
2008年10月24日

 お産に関連して脳血管障害を起こした妊産婦が06年に少なくとも184人いて、このうち10人が死亡したことが、厚生労働省研究班(主任研究者=池田智明・国立循環器病センター周産期科部長)の初の全国調査でわかった。脳出血では診断までに3時間を超えると死亡率が上昇。産科だけではこうした患者を救えず、脳神経外科との連携が課題として浮かび上がった。

 奈良県で06年8月に妊婦が19病院に搬送を断られ、脳出血で死亡したため、研究班は、全国1107カ所の病院で06年1〜12月、妊娠中か産後1年以内に脳血管障害を起こしたケースを調べた。

 184人の内訳は脳出血39人、くも膜下出血18人、脳梗塞(こうそく)25人など。妊娠中のけいれん、高血圧で嘔吐(おうと)や意識障害が起きる高血圧性脳症は82人いた。死亡の10人のうち7人は脳出血だった。

 脳出血の39人がコンピューター断層撮影(CT)による検査を受けて診断が出るまでの時間をみると、3時間以内に診断を受けた人で死亡したのは8%なのに対し、3時間以上では36%に達した。ただ、重い後遺症が残った人は3時間以内では7割にのぼり、3〜24時間がかかった場合の5割よりも高かった。研究班は「診断までの時間が短ければ予後が保たれるわけでもない」とみている。

 脳出血の26%に妊娠高血圧症候群が認められた。妊娠高血圧症候群の妊婦で、頭痛やけいれん、意識障害などの症状が出たら、脳血管障害を疑って搬送するなどの対処も求められるという。

 脳血管障害が起きる妊産婦は1万人に1人程度。妊娠中は胎児に血液をめぐらすために血液量が増えるなどして血管への負担が大きくなり、普通の人よりリスクが高まるとされる。

 池田さんは「妊産婦にはすべて産科で対応するという認識を改めなければいけない」と指摘。「総合周産期母子医療センターの指定要件として、脳神経外科との連携態勢を義務づけることなども検討すべきだ」と話している。(武田耕太)
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810230343.html

*都立墨東病院で妊婦さんが死亡された件について、朝日新聞がちょっと見当違いと思われる社説を出して、「ええ?何、言ってるの?」と思ったのだが、上の記事を読んで、ああ、そういうことが社説子の頭の中にあったのか・・と少し、分かってきた気がしました。

(前日の社説)
妊婦死亡―救急医療にもっと連携を

 大都会の救急医療に、ぽっかりと大きな穴が開いているようだ。

 東京都内で、具合が悪くなった出産間近の36歳の女性が七つの病院に受け入れを断られた。約1時間15分後に病院に運ばれて出産したものの、3日後に脳内出血で亡くなった。

 同じようなことが一昨年、奈良県でもあった。入院中の妊婦が重体になり、転院が必要になったが、隣の大阪府も含めて19病院に受け入れを断られ、やはり脳内出血で亡くなった。

 背景には、全国的な産科医不足がある。急な患者を受け入れる余力が、医療機関に乏しくなっているのだ。

 それにしても、医療機関がたくさんあるはずの東京で、と驚いた人も多かったのではないか。厳しい条件の中でも、なんとか急患を受け入れる態勢をつくるにはどうすればいいのか。今回起きたことを点検し、今後のために生かさなければならない。

 亡くなった女性は下痢や頭痛を訴えた。かかりつけ医の手に負えないことから、受け入れ先を探した。

 最初に連絡したのは、危険の大きい出産に24時間対応するために都内に9カ所置かれている総合周産期母子医療センターの一つ、都立墨東病院だ。

 ところが、墨東病院では産科医が減ったため、7月からは週末や休日の当直医は1人になり、急患の受け入れが原則としてできなくなっていた。

 この日は土曜日だった。1人だけの当直医は受け入れを断り、他の病院を紹介したという。紹介した病院にも「空きベッドがない」などの理由で次々に断られ、墨東病院は2度目の依頼で医師を呼び出して対応した。

 総合周産期母子医療センターは最後のとりでだ。そこが役割を果たせないようでは心もとない。産科医不足という事情があるにしても、東京都には急患に備える態勢づくりにさらに努力してもらいたい。

 いくつもの病院で受け入れを断られた背景には、都市圏ならではの要因もある。地方と違って医療機関が多いため、ほかで受け入れてくれると考えがちなのだ。

 そうした考えが、危険な出産に備える医療機関のネットワークが必ずしも十分には機能しないことにつながる。医療機関同士でもっと緊密に連絡を取り合うことに加え、ネットワークの中で引受先を探す司令塔のような存在をつくることも考えたい。

 もう一つ大切なことは、全く別々に運用されている産科の救急と一般の救急の連携を強めることだ。産科の救急で受け入れ先が見つからないときは、とりあえず一般の救急部門で受け入れる。そうした柔軟な発想が必要だ。

 医師不足を解消する努力はむろん大切だが、病院や医師の間で連携に知恵を絞ることはすぐにでもできる。
http://www.asahi.com/paper/editorial20081023.html

*この社説が見当違いなのは、「産科の救急で受け入れ先が見つからないときは、とりあえず一般の救急部門で受け入れる。そうした柔軟な発想が必要だ。」というところで、いくら産科の救急医が見つからないからって妊婦さんを別の科の救急部門で引き受けたりしたらそれこそ対応できなくて大変な事態になってしまうではないか!「柔軟な発想」って、「柔軟」というより、ただの見当違いの発想でしかないと思うんだけど・・。
まあ、今回の件は脳血管障害を起こしていたので、とりあえず産科でなく脳神経外科医の救急医がいれば脳血管障害に関しては対応できたかもしれないのでそういう意味合いのことを言いたかったのかもしれないが、それにしたって脳神経外科医の救急医だけでも妊婦さんの対応はできないわけだから、やっぱり産科医を探さなければならなかったわけで、産科医のほうが見つからずに「とりあえず一般の救急部門で受け入れ」ても対応できなかったのではないか?
つまり、産科医と脳神経外科医の救急医をともに配置していなければ今回のような事態には対応できないわけである。だから、朝日新聞の社説で「もう一つ大切なことは、全く別々に運用されている産科の救急と一般の救急の連携を強めることだ。」と書いているところは正論かもしれない。おそらく翌日の記事にある「脳神経外科との連携態勢を義務づけることなども検討すべきだ」という話がこの社説子の頭の中にあって、産科医と脳神経外科医の救急医の連携態勢をつくることが今回のような事態をふせぐためには必要・・と思って、「もう一つ大切なことは、全く別々に運用されている産科の救急と一般の救急の連携を強めることだ。」と考えて書いたところまでは的を得ていたのだけど、それは産科医と脳神経外科医の救急医がともに必要ということなのであって、片方がいなければもう片方が対応すればいいということではないのであって、この点を勘違いしているから続けて書いた文章が見当違いのものになってしまったのではないだろうか?

今回の件は、産科医と脳神経外科医の救急医療態勢をきちんとつくってこなかった都と国の責任が大きいのではないかと思う。特に、都立墨東病院は救急の病院として指定されているのに医師不足であることはすでに何年も前から言われている病院なのだから、どうして都はもっと態勢を見直してこなかったのか?
現場の医師たちの対応は厳しい状況の中で精いっぱいのものだったようであり、ここはやはり責任を問われるのは医師や病院ではなくきちんとした救急医療態勢を作ってこなかった都ではないかと思う。
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2008/10/21

イェジー・スコリモフスキーの帰還  映画

イェジー・スコリモフスキーを「巨匠」と呼んでしまうことにはちょっと違和感を覚える。もちろん「巨匠」と呼ぶのにふさわしくないという意味ではない(まさか!)。年齢的にも、経歴にしても、まさに真に「巨匠」と呼ぶのにふさわしい、世界有数の映画監督であることは間違いないわけだけど・・、しかしイェジー・スコリモフスキーと言えば『早春』を撮ってしまった男なのである。あのあまりに屈折した傑作、青春映画と言っても「遅れてきた青春」を描いた(青春前期の少年を主人公にしたものであるのにもかかわらず!)あまりにも痛切な、異端の傑作を撮ってしまった男は、やはりいくら経歴を積んでもどこまでも異端の作家なのであり、「巨匠」として格付けしてしまうのはなんか、違うような気がしてきてしまうのだ・・。
ポランスキーは『戦場のピアニスト』で見事に「巨匠」になったわけだけど、スコリモフスキーは果たして「巨匠」と呼ばれるような作品を撮る監督になっているのだろうか?
いや、でも、スコリモフスキーも実に17年ぶりに、撮ったのだから、「スコリモフスキーもついに巨匠になった!」と納得せずにいられないような「偉大な映画」なのだろうか?
・・などと思いつつ、東京国際映画祭の、なんとコンペティション部門で堂々と上映されているイェジー・スコリモフスキー監督の2008年の新作

『アンナと過ごした4日間』

を見に行ったわけだけど・・。

やはり「偉大な映画」であった。かといって、「スコリモフスキーもついに巨匠になった!」という意味で「偉大な映画」だったということではない。まぎれもなく『早春』の映画作家がそこにいた。まばゆいばかりの色と音の乱舞。屈折した女への愛の物語。これは本当の、「遅れてきた青春」を描いた青春映画の傑作だ。かといってこの映画の主人公の男はかなりの中年男なのだけど・・、でもやっぱり痛切な、真の青春映画と言うしかないような作品だ。そして、まぎれもなくイェジー・スコリモフスキーにしか、かつて『早春』を撮ってしまった男にしか、撮れないような映画だ。『早春』の世界が、あのドグドグした心、魂のままで、しかしより完成されてここにはあるようではないか・・。

あの『早春』の映画作家が本当に帰ってきたのだ。『ライトシップ』はたしかに異様な作品だった。『ザ・シャウト』も見たことがないようなホラー映画だった。どちらも異端の傑作で、やはりスコリモフスキーの作品だと思わずにはいられないものではあったのだけど、でも、ああ、『早春』の映画作家が帰ってきた・・と思うようなものではなかったような気がする。

『アンナと過ごした4日間』で、本当に『早春』の、あのドグドグとした世界が、『早春』の映画作家が帰ってきた・・。

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2008/10/17

『安宅家の人々』  映画

神保町シアター、久松静児監督特集。
知的障害者が主人公の生真面目な社会派ものかと思ったら、弟の嫁との微妙な関係性や、霊媒の話など、やはり水木洋子脚本ならではのもの。田中絹代のカタい印象をこういう風に使うやり方があったか。名作。
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2008/10/8

Baatarismさんのブログにコメントする  時事問題

「Baatarismの溜息通信」 
民主党金融対策チームの危険な方針
http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20081007

「Baatarismの溜息通信」 さんのブログで、民主党の経済政策についてなかなか興味深いことが書かれていたので、以下の自分なりの考えをコメントしました。

「初めまして。
というか、マルクス主義というのか、共産党的な考え方というのは、人権思想なんですよ。あまりに金持ちと貧しいものとで違いがあるのは不平等なので是正するべきであると。このことは人間の基本的な人権を守る社会をいかに確立するかということであって、極端に言えば社会全体が経済成長するかどうかなんてことはこの論点に関してはどうでもいいわけです。どんなに経済が発展した社会であろうと、経済が停滞した社会であろうと、人間の基本的な人権として、最低賃金を確保する労働体制の確立とか、失業者に対する対策とかをするべきであるというのが人権の観点から言えば言えるわけですから。(だからこれは経済発展とは関係ないことなのです。)
だから、経済が停滞していても、そこそこ貧しくてもみんなが幸福に生きて行けるような社会になればそれでいいという考え方なわけで、経済が発展しなければ人々が幸福になれないという考え方ではそもそもないわけですね。
ただこういったことは人間の基本的な人権とか、労働者の待遇の問題であって、経済対策とは別の問題なのかもしれません。
民主党の対策は、人権問題と経済対策とを結び付けて考えようとするから混乱しているのだという見方は出来るかもしれません。
国として経済を発展させる経済対策というのはたしかに政治家の仕事のひとつだと思うので行なうべきものとは思いますが、これは貧富の差を是正し、基本的な人権を守るという問題とは別に考えていったほうがいいのかもしれません。」
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2008/10/6

マイケル・ムーアのウォール街救済プラン  時事問題

*ハスミシゲヒコとかがいかに毛嫌いしていようと、やっぱりマイケル・ムーアは面白い。もう、法案可決されちゃったので、ちょっと遅いけど、転載。

(以下、転載)

皆さん、

400人のアメリカの最裕福層、そう、「たったの400人」が底辺の1億5千万人を全部合わせた以上の財産を持っています。最裕福400人が全国の資産の半分以上を隠匿しているのです。総資産は正味1兆6千万ドルになります。ブッシュ政権の8年間に彼らの富は「7千億ドル近く」膨らみました。7千億ドルはちょうど救済資金として我々に支払いを要求しているのと同額です。彼らはなぜブッシュの下でこしらえた金で自ら救済しないのでしょうか!

勿論彼らにそんな積もりはありません。少なくとも自発的には。ジョージ・W・ブッシュはクリントン政権から1270億ドルの黒字を引き継ぎました。それは我々国民の金であって自分のものではないので、裕福層が求める通りに後先も考えずに支出しました。その結果国民は今9兆5千億ドルの負債を背負っています。そもそも我々はなぜたとえ少しでもこんな盗人貴族に追い銭を与えねばならないでしょうか?

さて私の救済プランを提唱したいと思います。下記の私の提案は「金持ちは自分のプラチナの踏み台に乗って自分を引っ張り上げるべき」という単純明快な考えから自然に導かれるものです。

金持ちさん、済まないがこれはお前さん達がいやと言うほど我々の頭に叩き込んだものだよ。タダ飯ハ食ワセナイ…。生活保護で生きる人達を憎むようにし向けてくれて有難う。だから我々からお前さん達に施しは出来ないのだよ。

上院は今夜急遽金融救済法案を採決に持ち込もうとしています。これは阻止しなければなりません。我々は月曜日に下院でこれを成し遂げました。今日上院でも出来るのです。

ところで、我々は徒に抗議し続けるだけではなく議会がなすべきことをきっちりと提案しなければ埒が明かないのは明らかです。そこでフィル・グラム(共和党・ジョン・マッケインの参謀)より賢い人達と相談の上、「マイクの救済計画」と題してここに私の提案をします。明快・単刀直入な10項目です。

1.【ウオール街で、承知の上で今回の危機到来に加担した者を犯罪者として起訴するため、特別検察官を任命せよ】
何らかの新たな支出をする前に、議会は責任を持って、我が国の経済の略奪に少しでも関わった者を刑事犯として起訴することを決議すべきである。即ち、インサイダー取引き、証券詐欺その他今回の崩壊に何らかの寄与をした者は投獄されるべきである。この事態を出現させた全ての者と、今後も社会を欺く全ての者を精力的に追求するための特別検察官を招聘すべきである。

2.【救済経費は富裕者が自ら負担すべきである】
彼らが住む邸宅は7軒から5軒に減るかも知れない。乗る車は13台から9台になるかも知れない。飼い犬のミニテリアの世話係は変える必要もあろう。しかしそもそも、ブッシュ政権下で世帯当たり収入を2,000ドル以上も減らされた勤労者や中流層が、彼らのもう1隻のヨットのために10セントでも払ってやるいわれなどありはしない。もし彼らが必要だと言う7千億ドルが真に必要なものならば、それを簡単にまかなう方法を提示しよう。

  a) 年収100万ドル以上の全ての夫婦と年収50万ドル以上の独身納税者は、5年間10%の追加所得税を支払う。(これはサンダーズ上院議員の案である。彼は[訳注:ケンタッキーフライドチキン創業者の]カーネル・サンダーズのようだ。彼だけが正しいチキンを揚げている。)これでも富裕層はカーター政権の時よりも税負担が少ないのだ。これで3千億ドルが出来る。

  b) 殆どの民主主義国家のように、全ての株取引に0.25%を課税する。これで毎年2千億ドル以上が出来る。

  c) 株主はみな愛国的米国人であるから、四半期の間配当の受領を辞退し、その分を財務省による救済資金の足しにする。

  d) 米国の大企業の25%は現在連邦所得税を全く払っていない。企業からの連邦税収は現在GDPの1.7%であるが、これは1950年代には5%であった。もし企業の所得税を1950年代の水準に戻せば更に5千億ドルが出来る。

以上を組み合わせればこの惨状を十分に終わらせられるはずである。富裕層は豪邸や使用人を持ち続けられるだろうし、我らの合衆国政府(「国が第一!」)は多少の余剰金で道路や橋や学校の建設も出来るだろう。

3.【緊急救済すべきは住居を失う人々だ。8つ目の住宅を建設する連中ではない。】
現在130万軒の住宅が抵当として取り上げられている。これこそが正に問題の核心なのだ。だから資金を銀行に贈与するのではなく、1人当たり10万ドルでこれらの住宅ローンを払いきるのだ。そして住宅の持ち主が時価に基づいてローンを返済するべく銀行と再交渉できるように要求する。この救済措置の対象は持ち主の現住住宅のみとして、家転がしで儲けを企んでいる者や投機家を確実に排除しておく。この10万ドルの返済と引替えに政府はそのローンの債権を共有して幾らかを回収できるようにする。このようにすると住宅ローンの焦げ付きを(貪欲な貸し手を巻き込まずに)その根っこで解消する費用は7千億ドルではなく千五百億ドルですむ。

さて記録は正しておこう。住宅ローンの返済不能に陥った人々は「不良リスク」などではない。彼らは我々の米国民仲間であり、我々の全てが望み、殆どの人が持っているもの、即ち自分たちの家を彼らも望んだに過ぎない。しかしブッシュ時代に何百万人もがそれまでに就いていた良い職を失ったのだ。600万人が困窮し、700万人が健康保険を失った。そして全ての人の年収が2,000ドルも減少したのだ。つまずきの連鎖に見舞われたこれらの人々を見下す者は恥を知れ。我々が皆自分の家に住める時社会はより良く、より強く、より安全で幸せなものとなるのである。

4.【あんた達の銀行や会社が我々からの「救済金」を少しでも受け取れば、我々はあんた達の主人だ】
気の毒だがそれが世の決まりなのだ。もし我々が家を買うために銀行から資金を借りれば、全額を利子も付けて返済するまでは銀行がその家を「所有」する。ウオール街についても同じだ。もしもあんた達が良い生活を続けるために何らかの資金を必要とし、また政府があんた達を低リスクで国家のためにも必要な者だと判断したら、ローンは得られるが、我々があんた達を所有することになる。もし債務不履行があれば我々はあんた達を売却する。これはスエーデン政府が行って成功した方法なのだ。

5.【規制は全て回復しなければならない。レーガン革命は死んだ】
今回の悲劇は狐に鶏小屋の鍵を持たせたことが原因である。1999年に、フィル・グラムがウオール街と銀行を支配する全ての規制を撤廃する法案を起草した。法案は成立してクリントンが署名した。その署名の時、マッケインの主任経済顧問であるフィル・グラム上院議員が言った言葉は次のようであった。曰く、

  「1930年代、 …政府が答えであった。動いている市場を政府が支配することで安定と成長がもたらせられると信じられていた。」
  「今日我々はそれを撤回する。我々は政府が答えではないことを学んだからだ。自由と競争こそが答えであることを学んで来た。我々は競争と自由を手にすることで経済成長を促進し、安定を推進する」
  「ここに立っていることを誇りに思う。これが重要な法案だからだ。規制撤廃法案なのだ。私はこれが未来の波であると信じている。その実現に参加できたことをとても誇りに思う」

この法案は撤回されなければならない。ビル・クリントンはグラム法案を撤回して財政機構に一層厳格な規制を復活させる努力を主導することで貢献できるはずだ。これらが達成されたら、航空会社、食品検査、石油業界、職業安全衛生管理局、その他日常生活に影響する全てのことに関する規制の回復も出来る。どのような「緊急救済」を管理する規定も、資金の裏付けと全ての違反者の刑事処罰が伴わなければならない。

6.【失敗が許されないほど巨大なものは存在も許されない】
超大型合併の出現を許す一方で独占法やトラスト禁止法をないがしろにする現状によって多くの企業が合併で余りにも巨大になりすぎて、その破綻を考えるだけで一国の経済全体が破綻に至るほどになってきた。1つや2つの企業がこれほどの威力を持つことがあってはならない。いわゆる「経済的真珠湾」は、人々の資産が何千何百の企業に分散していたら起こりえないことである。自動車会社が1ダースもあれば、その1つが倒れても国家の惨事にはならない。もし町に別々の経営による3紙の新聞があれば1社だけが情報を独占することはない(分かってます、自分は何を言っているのだ?!今時誰が新聞など読んでいる?あの合併と買収の嵐で、確かに強力で自由なプレスが一つ出来て嬉しいことだ!)企業が余りに大きく独占的になりすぎて、片目にぱちんこの一撃を受けただけで倒れて死ぬようなことがないように、企業の肥大化を防ぐ立法が必要である。又、どんな機関にも誰も理解できないような資金運用計画を作らせてはならない。2行で説明出来ないならば、どんな資金も受け取ってはならない。

7.【いかなる会社重役も、従業員の平均賃金の40倍を超える報酬を受け取ってはならず、会社のための労働への妥当な給与以外にはいかなる「落下傘」(訳注:墜落する企業から退散する時の巨額の退職金など)も受け取ってはならない】
1980年には米国の平均的な最高経営責任者は従業員の45倍を得ていた。2003年には自社従業員の254倍を稼いだ。8年のブッシュ時代が過ぎて、今では従業員の平均給与の400倍を得ている。公的な会社でこのようなことが出来る仕掛けは正気の沙汰ではない。英国では平均的な最高経営責任者は28倍稼いでいる。日本では17倍に過ぎない!最近聞いたところではトヨタの社長は東京で優雅に暮らしていたらしい。こんな少額でなぜそんな暮らしが出来ているのか?真面目な話、これは非道である。我々は頂点の連中が何百万ドルを操って信じがたいほどに膨れあがるのを許して今のような大混乱を創ったのだ。このままにしてはならない。役員は誰もこの混乱から脱出するために受ける援助から利益を得てはならないのは勿論、会社の破綻に責任ある役員は会社が何らかの援助を受ける前に辞職しなければならない。

8.【連邦預金保険公社を強化して、国民の預貯金にとどまらず年金と住宅の保護のモデルとせよ】
昨日オバマが国民の銀行預金に対する連邦預金保険公社による保護の範囲を25万ドルにまで広げるよう提案したのは正しかった。しかしこれと同様の政府系保険で国の年金基金も保護されなければならない。国民が老後のために支払った掛け金がなくなっていないかと心配することがあってはならない。これは、従業員の年金の基金を管理する企業を政府が厳格に監督することを意味する。…或いは企業が基金とその運用を政府に委ねるのも一案だが…。国民の退職基金も保護が必要だが、基金を株式市場という博打に投資させないことを考える時かも知れない。我が国の政府は、何ぴとも年老いて赤貧に投げ込まれることがないことを保障する厳粛な義務を負うべきである。

9.【深呼吸をし、落ち着いて、恐怖に日々を支配させないことが誰にも必要だ】
テレビを消そう!今は「第二の大恐慌」などではない。天は落ちては来ない。評論家や政治家が余りにも矢継ぎ早に、おどろおどろしく嘘をついているので、我々は降りかかる恐怖の影響を免れるのが困難になっている。私でさえ、昨日、ダウ平均株価が過去最大の1日の下落を示したとのニュースを聞いて皆さんに記事を送り、その内容を繰り返した。それはその通りだが、7%の下げは1987年に株価が1日で23%暴落したブラックマンデーにはほど遠いものだ。80年代には3,000の銀行が閉鎖された。しかし米国は破産しなかった。彼らは絶えず上がり下がりの波に遭いながらも結局は何とかなった。そのはずだ。金持ちは自分たちの富を粉々にしたくはないのだから!彼らは事態を沈静化させたり、再び奔流に投げ返したりすることに元々関心が深いのだ。
[事態は狂ってはいるものの]今週何万人もが自動車ローンを組んだ。何千人もが銀行でローンを借りて家を買った。大学に戻った学生達を15年の学生ローンに取り込んで銀行はほくほく顔だ。日々の営みが続いている。銀行預金や手形、定期預金証書の形である限り誰一人金を失わなかった。そして何より驚くべき事は米国民が恐怖キャンペーンに乗らなかったことだ。人々はひるむどころか議会に救済法案を葬らせたのだ。それは真に印象深い出来事だった。民衆が大統領やその一味が繰り出す恐怖に満ちた警告に屈しなかったのはなぜだろうか?そう、「サダムはその爆弾をもっている」などと何度も言えるのは人々に大嘘つきだと見破られるまでのことでしかない。長い8年のあと、国民は疲れ果ててもう我慢の限界なのだ。

10.【民衆の「国民銀行」を作ろう】
どうしても1兆ドルを印刷するとしたら、それは一握りの大金持ちに与えるのではなく我々自身に与えようではないか。フレディーとファニー(2大政府系住宅金融会社)が我々の手に落ちた今こそ、国民の銀行を作ろうではないか。自宅の購入、小規模事業の起業、通学、癌治療、或いは次の大発明のための資金を望む全ての人に低金利の融資を行う銀行である。また、米国最大の保険会社AIGも我々の手に落ちたのだから、次の段階に進んで全ての人に医療保険を提供しよう。全国民にメディケアーだ。これで長期的には大きな節約が出来るだろう。又、平均寿命が世界12位とはならないだろう。もっと長生きをして政府が保障する年金を享受し、やがて、非常な惨状をもたらした企業犯罪者達を許して出獄させ、我々の助力で市民生活に再順応させる日を生きて迎えるだろう。…素敵な家1軒と、国民銀行の援助で発明されたガソリンを使わない自動車1台を持つ市民生活にだ。

マイケル・ムーア
MMFlint@aol.com

追伸:地区の上院議員に今すぐ呼び掛けて下さい。議会のサイトが再びクラッシュした時のために予備のリンクを示しておきます。
http://www.congressmerge.com/onlinedb/indehtmx. 

上院では今夜、アメリカ略奪の独自改正案を審議します。又、あなたがマイクの10項目計画に賛同していることを地域の下院議員に知らせて下さい。

原文は↓
http://www.michaelmoore.com/words/message/index.php?messageDate=2008-10-01
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2008/10/5

金融安定化法案可決したが・・  時事問題

*結局、可決しましたね・・。でも株式市場は続落・・って、どうなんだろう・・。
修正で、半分の額は議会を通さないと出せない・・みたいになったのはかなりすごいことなのでは。これって、もしこれでうまくいかないようだったら、半分の額は出すのを取り止めることも出来る・・ってことでしょう?
でも、こんな風に厳しくすると、「修正金融法案、上院で可決したが・・」の記事で書いたように、今度はウォール街の人たちが、そんなに厳しくいろいろ言われる中で政府の管理下に入って融資を受けるのならば、政府から援助してもらわなくてもいいや・・となるのではないか?という気もするのだけど・・。アメリカのこういう人たちって、そういう政府の管理下で自由に商売できなくなるのとか、好きじゃないものじゃないのかな?

ところで、「アメリカ経済問題についてさらに考えてみる(2)」で、デリバティブについて書いたあたりはあまりに大雑把だったので、少し、言い回しを変えてみました。
まあ、「デリバティブ」「Collateralized Debt Obligation」「クレジット・デフォルト・スワップ」などについてもっと正確に知りたい方は、Wikipediaでも参照して下さい。(僕は何がなんだかよく分からないんですけど・笑)。

(ニュース)
米国株式は続落、金融安定化法案可決も米景気先行きに不安
10月4日8時39分配信
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2008/10/3

アメリカ経済問題についてさらに考えてみる(3)  時事問題

まあ、大局的に経済がどうなるかはほんとのところ、予測がつかないんだけど。予言者じゃないので、正確に言えるわけがない。そもそも人間のやることだから不確定要素があるし。何が起こるか、分かりませんから・・。

ただ、あがり続けるということがないように、下がり続けるということも原理的にはないから、どこかでまた上昇に転じるのでは。それまでどのぐらいの年月がかかるのか、分からないけど、自然にほっておいても、どこかで景気回復に転じるように市場経済というのは出来ているらしい(経済評論家とかの話によると)。
だから、新自由主義の人たちが言う、何もしないで市場に任せておくのがいいんだ・・というのも一面では理である。下手に何か、手を打とうとするから効果もある反面、副作用もあって、副作用のほうが大きい(たとえばインフレで物価があがるとかですが)かもしれないし、何もしないで自然に任せておいたほうが結局、いいのではないか・・。
でも、そう言いながら、銀行を救済したりしているから小泉、竹中の構造改革は支離滅裂なんですけど・・。

「何もしないで市場に任せておくのがいいんだ・・というのも一面では理である」と書いたんだけど、でも実はこれは「机上の空論」で、実際には人々が何もしないでじっとしている・・ということはあり得ないんですね(笑)。必ず騒ぎになって、何か、しようとする人が出てくるものではある。何もしないでじっとしてもいられない・・というのも人間だからです。
で、そこでした政策が、効果はあったけど副作用がより大きくて、つまり逆効果になることも考えられる。それでますますひどい事態になっていくかもしれないし、逆にたとえばオバマが大統領になってものすごく効果的な政策をするかもしれないし、それは分からない。自然のまま・・ということもあり得ないということは分かるのだけど。
でも、いっそのこと、戦争を起こしちゃえという人が出てきたりするのが一番、心配なわけだけど。1920年代の恐慌はルーズベルトがある程度、効果的な政策をしておさめたと評価されているけど、一方でインフレなどの副作用もあり、いまだにルーズベルトの政策を否定的に評価する人もいて議論になっているようです。
また1920年代の世界恐慌が第2次世界大戦につながっている・・という見方はたぶん間違っていないのだと思います。(単なる印象ではなくて論理的な根拠があるのではないかと思います。)

いずれにしろ、いま、世界規模で起きているのは、要するにドルが信用をなくして、ドルが世界の基軸通貨になっていることを見直そうということですね。ドルを基軸通貨にしていると危ない・・と。で、ユーロとか、そういうのにシフトしようとしてて、だから共産党が言うように、外需でなく内需に転換しなきゃというのも正論なんだろうけど、でも内需と言っても内需はしぼむ一方なんですね。構造改革で、労働者を派遣のパートにして人件費を切りつめたり、切りつめてやってきたから、国内ではあまり買い物をしなくなっていて、内需は成長の見込みがない。
田中角栄の金権政治は、いろいろ金権腐敗とか問題もあったけど、地方でどんどん道路や公共施設をつくったりゼネコンを盛んにして内需を盛り上げた。それが経済成長ですが。それが内需を盛んにすることであって、共産党が言うように金権腐敗はまずいから角栄のやり方を再現するのは反対だ、でも内需を盛り上げる方向に転換しなきゃ・・というのは正論ではあっても、たしかに理想論すぎて現実的ではないのではないか?ということはある。
民主党の小沢の農業政策とか、麻生のばらまき政策というのは要するに角栄のやり方への回帰なんだけど。でも、金権政治はいけない・・ということは民主党にだってあるわけで、というか、それがないのなら自民党と変わらなくなってしまうんで名目としてなきゃ困るわけで、そこらへんが、角栄への回帰と、でも金権政治ではないよというのの両立・・ということを果たして民主党が出来るのか?ということなんですね・・。

それと、忘れてはいけないのは、角栄への回帰と言うけどそれも現実的ではないのではないか?ということです。たとえば、道路はもうこれだけつくっちゃうと作る必要はないのではないか。金権腐敗がよくないから角栄への回帰はいけないというだけじゃなくて、そもそも道路、これだけつくっちゃうともう作る必要ないし、時代が変わったんだから、角栄への回帰なんて現実的ではないという問題はたしかにありますね。

その意味では小泉の構造改革は正しい面もあったのかも。
僕は小泉全否定ではなくて、郵政民営化についてなどは、以前に、これは間違いでもないんじゃないか・・とここにも書いてきました。
ただ、たとえば農業政策については角栄への回帰が必要な面もあるように思います。それで小沢の農業政策については評価する面があるというようなことも以前に書きました。

*以下の記事
「参議院選挙 小選挙区制を知り抜き農村票を取り込んだ小沢の戦略勝ち」
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1207.html

ただ小泉の構造改革路線によって進んだ労働者をパートにして労働者の賃金を切りつめていく・・というのはやはり内需をしぼらせてしまったんだと思います。だから、賃金はもっとあげて、みんなが買い物するようにしなきゃ、いけない。「痛みなくして改革なし」と言ってたんだけど、「痛み」だけで「改革」のほうが全然、見えてこないんですね。

で、こういう状況でどうすればいいんだ!ということなんですが、書いた通り、道路はもういらないんだけど、道路じゃない内需を考えよう・・ということがひとつの方向かもしれません。それがたとえばいい日本映画をつくること、とか。こういう時代に黒沢清監督が「失業者もの」の新作『トウキョウソナタ』をつくられたのは面白いことだと思います。(と、映画の話に・・。)
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2008/10/3

アメリカ経済問題についてさらに考えてみる(2)  時事問題

続きです。

しかし、サブプライムローンというのが凝っているのは、サブプライムローンの債権が、デリバティブ(金融派生商品)とかいう形として売っていて、しかも、債務担保証券(Collateralized Debt Obligation)とか言うらしいんだけど、サブプライムローンの債権だけが単独で売られているのではなくて、いくつかの債権の券みたいなの(ちょっと違うのかな?)がセットで売られていてそこにサブプライムローンの債権が入っているみたいな形のようなのですが。(もちろん、いまはITでやっているので実際には紙の券があるわけではないのかもしれないけど・・。)サブプライムローンの債権が単独で売られているわけでなく、ほかの債権とセットになって売られている・・というあたりも実に凝った仕組みなんですね。
そもそも、日本のバブルも「土地バブル」だったけど、「土地」だから値段があがり続ける・・と言われると、なんとなく信じちゃうんだな。たとえばレタスだったら、レタスが1個3000円で、でもこれからもあがり続けて5000円になりますよと八百屋で言われても誰も信じて買わない。レタスが1個3000円だったら1食、いくらかかるんだ、1日3食、いくらかかるんだよ、そんなことあるわけないだろと思うわけです。
でも、土地だと毎年、あがってて10年後にはたとえば5倍の値段になりますと。だからあなたがこのサプブライムローンの住宅をお金がなくて買っても、担保になっている土地の値段が5倍になるからその利益を当てればいいから大丈夫です・・と言われると、なんとなく、そういうものかと。「土地」の値段はいくら?というのが漠然としていて見えないんですね。しかも、最初は低金利になってて、だから手持ちのお金、そんなにいらなくて、そしてやがては高金利になるんだけど、その時は土地の値段もあがっててあなたはもっと金持ちになっているから高金利でも大丈夫と・・。
こういうの、誰が考えたのか・・。

誰が考えたのかは知らないけど、これだけ考える人は、やはり最初から破たんすることも折り込み済でやっているのではないか? そして、すでにもうけるだけもうけて「勝ち逃げ」しているような気がする。
でも、実際、すでにうまく勝ち逃げしているやつはいるだろうけど、今みたいに騒ぎが始まってしまうと勝ち逃げできる状況じゃないから、今は出来ない。まあ、みんな、すでにどこかに資産とか隠しているんだろうが、でも誰もが勝ち逃げすることはできない。生けにえ(笑)になるやつは出てくる。ある程度、そういうやつが出てきて生きにえ(ひどい言い方だが・笑)にならないと社会の怒りもおさまりませんから。政府も、社会の怒りを鎮めるために誰かを生け贄にしないといけない。で、リーマンがまずそうなったんだけど、AIGまでそうなって保険が払えなくなったらそれこそ国民がパニックになって暴動でも起きかねないからそうできないということで(アメリカは国民健康保険とかそもそもないんだから、みんな、民間の保険でやっているんだから保険会社がつぶれたらパニックですーまあ、本当に貧しい層は民間の保険さえやってないので関係ないですが)AIGは救ったわけだけど、これで怒りが鎮まるどころか、かえって火をつけちゃったみたいな・・。リーマンが潰れた→やっぱり危ないんだ!という危機感と、なんでAIGは救うんだ?という怒り(本当に貧しくて民間の保険も一切、入っていない、病院なんかいけない層は怒りだけがある・笑)が連動して?

あとAIGが潰れるとやばいとブッシュが方向転換したのはなぜなのか?と言うと、どうもAIGではクレジット・デフォルト・スワップという保険をやっていて、これはサブプライムローンとかが破たんすると困るので、サブプライムローンとかが破たんしても払えるための保険みたいなものだったようで、これがリーマンだけでなくAIGまで潰れて払えなくなると世界恐慌になってしまうので、AIGは救済したということのようである。

だからうまく勝ち逃げできたやつはいいけど、勝ち逃げし損ねるやつも出てくる。
ウォール街の中では生け贄になるのは誰だろう、俺がそれにならないためにはどうすればいいのだろう・・とみんなが駆け引きをやっているものと思われる。

で、日本への影響ということだけど、ドルが下がると相対的に円が高くなるわけだけど、もちろん円高になってもうかるという人もいるんだろうけど、全体的には、日本がバブルの時だったら円高になることは日本にとって良い面もあるんですが、今の状況ではアメリカのドルが安くなり円高になることはかえって日本の経済にとってより厳しくなる。なぜかというと、外需に頼っているから。日本はバブル崩壊から再生するために、内需を切り詰めていき(労働者を派遣社員にして給与を安くするなど。でも、みんな、給与が安くなったから、あまり買い物をしなくなり内需はしぼんでいったわけです)、その代わり、アメリカや中国などへの輸出、外需に頼る方向にシフトしていくことで(人件費を安くすることと輸出を増やすことを連動させて)なんとか、立ち直ったわけです。これが小泉、竹中がすすめた構造改革で、極端に外需に頼っている経済体制になってしまったわけ。だからアメリカの会社の株を日本国内でもすごく買っているし、サブプライムローンもずいぶん、かわされている。日本の会社が輸出すると代わりにそういう株とか証券とかデリバティブとかを向こうは日本に払うから。
いや、そういう株とか証券とかデリバティブとかではなく、ドルの現金で受け取ったとしても、外需に頼っていると、「ドル安、円高」は日本の企業にとって痛い。たとえばアメリカで200ドルで商品を売っても、日本で円に変えるとそれだけ価値が下がるわけですから輸出の利益は下がるわけです。だから、輸出に頼っていると「ドル安、円高」は痛いわけですが、現金のドルで受けとっててもそうなのに、さらにはただの紙切れになってしまうものまでかわされているという。それで、日本の企業は青くなっているわけですね・・。

(つづく)
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2008/10/3

アメリカ経済問題についてさらに考えてみる(1)  時事問題

それにしても、アメリカと世界の経済、ほんとにどうなってしまうのか・・。本当に今回は展開が読めないぞ。まあ、分からないのが、まさに「歴史」っていうのか、歴史は進み続けているってことなのかもしれないけど・・。
とりあえず、拙いながらも、自分の思考を少しでも整理するために書きとめておく。(またダラダラとしたことしか、書けないかもしれないが。)

前記事で

>この金融安定化法案は抜本的な解決策ではなく、法案が通過すれば不況を脱出して企業がバタバタと倒産する事態をふせげる状況ではすでにないようである。あくまで「緩和策」でしかないのだろうか・・。

と書いたが、要するに恐慌とか不況というのは病気で言えば不治の病である。抜本的な、恐慌、不況が起こらないようにする特効薬などというものはない。
(それでも金融安定化法案のような「緩和策」の薬があるのならばやらないよりはやったほうがいいのではないか?と言われるとたしかにそうかもしれないけど、ただ薬には副作用もある。金融機関を救うために税金をつぎこむという薬には効果もあるが副作用もあるので、全面的にいいことだとはやはり言えないわけである。それに、もし副作用のほうが大きかったら、どうするのか?)
そもそも需要と供給の関係によって価格が常に変動していくのが経済活動というものなのだから、変動していくのは当然で、好景気だったのが恐慌が起こり不況になる・・というのは自明のことであり、好景気と不況がくり返されるのが自然な状態なのだ。ずっと好景気が続くとか、モノの価格があがり続けるということはあり得ない。それをあり得る・・と思った時点で、その考え方が間違いだったのだ。根本的に考え違いをしていたのが問題なのであるから、その結果として自然に起こっていることに対して特効薬などあるわけがないのであり、根本的に考え違いをしていたことを反省するしかないのではないか?と思う。
「考え違い」というのはもちろんサブプライムローンのこと。そもそもなぜ不況になったのかと言うと、あまりに大量に商品のほうをつくり続けてしまったからである。生産過剰になったからだ。(好景気だったのが生産過剰になって不況に転じたという点は1920年代の恐慌と同じなのだろうけど、当時と今とでは金本位制であるか、ないかという抜本的な違いがあるので、1920年代の恐慌がくり返されていると考えるのは正確ではないのかもしれないが。)サブプライムローンという仕組みで住宅をあまりに過剰に売り過ぎてしまったのだ。サブプライムローンの問題は永久に好景気が続き、土地の値段があがり続ける(なので土地を担保にしていれば大丈夫なはずという)という前提で高金利になっていることなのだという。(それも最初は低金利で次第に高金利になるものらしい。このあたりの、最初は入りやすくするため低金利でそれから高金利になるという仕組みも問題のようだ。)永久に好景気が続くという前提がそもそも間違いであるわけだが、そういう前提のもとに、それだけの支払い能力がない人にまで住宅を売ってしまい、過剰になってしまったわけである。
もちろんこうした商売をしていた側が一番、問題だろう。それが大手金融機関の、「経済」に関してプロ中のプロの人たちのしていたことなのだから、そんな商売の仕方ではやがては行き詰まることがどうして分からなかったのだろうか?と不思議に思うのだが。もっとも、実は分からなかったわけではないのかもしれない。この人たちはやがては行き詰まるだろう・・と思ってやっていたのかもしれない。それでも、とにかくもうけられる時にもうけておこうと目先の利益を優先させてしまったのだろうか? 目先のものにくらんでしまう、人間の弱さを感じないではいられない。
もっとも、こうしてウォール街の人たちに批判的なことを書いているのだけど、サブプライムローンで住宅を買った側も悪いというか、問題だとは思うのだけど。大体、金がないのに住宅を買わなくてもいいのに・・。アメリカのローン社会の恐さを感じてしまう。ローンだとついつい返せるように思ってしまうんだろうか? しかし、これも好景気がずっと続くという間違った前提でいるからそういう風に楽観的に考えてしまうのであって、好景気が続くとは限らない。自分が勤めている会社だって不況になれば倒産するかもしれないのである。やはりローンの恐さを考えるべきだろう。
いや、これは我々、日本人にとってもまったく他人事の話じゃないのだ。アメリカの不況の影響はアメリカに経済活動を依拠している日本の場合、多大だということである。これから10年はアメリカは不況になる見通しのようだから、日本もまあ、不況がさらに続く。日本の金融機関はすでに大再編されているから倒産まではしなくても、金を貸すことがますます貸し渋りになることは間違いないだろう。金を借りてやっている中小企業などはやはりやっていけなくなってまたバタバタと倒産してしまうかもしれない。まあ、やっぱり明日は失業者になるかもしれないんだから、ローンで買い物をするのはやめたほうがいいように思う・・。
(それにしても、日本の景気対策って有効な手立て、あるんだろうか・・。共産党は、アメリカなど外需に頼っているのが問題なので内需に転換して・・とか言うんだけど、実際問題、それもどこまで現実的に出来ることなのか・・。まあ、共産党は政権をとることまずないからあまりその政策について考えても仕方がないのかもしれないが。自民党案と民主党案を比較するのが当面の現実的な問題ではある。だいたい、日本の場合、金利政策とかはとりようがないんだよな。もう、銀行の金利とか、ほとんどゼロなんだから。ゼロのものを下げられない・笑。それで、麻生首相は「バラまき」とか、いっているんだろうけど、実際、それぐらいしか、自民党政権の立場としては出来ることがないということなんだろうか・・。)
話がまとまらなくなってきたので、このへんで1回、切ります。

(つづく)

*関連する前記事
「アメリカ経済問題について、覚え書き」
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1436.html

「金融安定化法案、否決!」
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1444.html

「修正金融法案、上院で可決したが・・」
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1446.html
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2008/10/3

修正金融法案、上院で可決したが・・  時事問題

*修正金融法案、米上院で可決。問題はどこまで修正されているか?だろう。米下院の議員は一度、否決しているのであって、アメリカ国民の間では依然、法案反対が根強いようだから、一度、反対した議員が賛成に転じるのは、やはり余程、「ここまで修正させたから賛成に転じたのだ」と国民に納得して頂けるだけのものを示さなければならないのではないだろうか・・。果たして、それだけの修正をしていると言えるのだろうか? 正直、予測がつかない。
でも、まあ、これで下院で可決されてこの法案成立となっても、そうした修正をさせたというだけでも、やはり民主主義の力には違いない。
いずれにしろ、この金融安定化法案は抜本的な解決策ではなく、法案が通過すれば不況を脱出して企業がバタバタと倒産する事態をふせげる状況ではすでにないようである。あくまで「緩和策」でしかないのだろうか・・。
しかし、こうした修正をさせたことで、逆に不安になるのは、今度は金融機関の人たちの側がそこまで規制するなら政府の援助などしてもらわなくてもいいという考え方になって、政府ではなく、他の民間の会社に自分の会社を売り払うとか(政府の管理下に入って、いろいろな規制の中で援助されるよりもそのほうが割が良ければそうしたほうがいいと判断して)、あるいは、いっそのこと、倒産してしまって、すでにもうけている金はどこかに隠してドロンしようとする金融機関の経営者の人たちも出てくるのではないか・・ということ。あまり厳しく修正すると、今度はウォール街の人たちの側が、うわー、そんな厳しい条件をつけるんなら政府に援助してもらわなくてもいい、いっそ、倒産したほうがいい・・となってしまうのではないかということ。実際、ウォール街の金持ちたちはいま、持っている金をどこかに隠してドロンしてどこか海外にでも蒸発してしまいたいと考えているのではないだろうか・・。しかし、これは世界規模で影響を与える話なのである。果たして彼らが身を隠す場所が地球上にあるのだろうか? 地球上になければいっそのこと火星にでもいっちゃうとか!?考えているかもしれないけど・・(笑)。

(ニュース)
米上院、修正金融法案を可決=預金保険強化など追加−下院は3日にも採決
10月2日10時45分配信
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2008/10/2

『トウキョウソナタ』  映画

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これって、普通に誰にでもおすすめできるポピュラーな傑作。8ミリ時代から黒沢清が才能あることはまったく疑ったこともなかったんですが、ここまでポピュラーな万人に向けてつくられたと言える作品を撮るとは思っていませんでした。やっぱり一部の映画マニアに受け入れられる映画を撮る人だとどこかで思っていたな。ついに本当の巨匠になったってことでしょうか・・。

まず脚本が秀逸。
もとの別の人が書いた脚本が、ではなく、それもそれなりのものなんだろうけど、黒沢清が手を加えたという修正部分の発想がちょっと凄い。こんなことは黒沢清でなければちょっと考え付かないと思う。
しかし、黒沢清が発想した部分だけでも万人向けの映画にはならなかっただろう。黒沢清はあまりに天才すぎるので、その発想は凄すぎて常人にはついていけないものだから。別の人が書いた土台になる脚本があって、そこに天才の発想が加わることで相乗効果を呼び、ポピュラーな名作が誕生したのだと思う。
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