2009/3/30

『ワルキューレ』  映画

(ネタバレしてますので、未見の方は読まないでください。)









レコード、負傷した手、電話交換、カバンなど、ディテールの演出が巧みで、それなりによく出来た映画・・だとは思うんだけど、
(以下、ネタバレ)













しかし、これ、一番、肝心なところであれはないのでは・・。爆発だけで確認もせずに、なんて・・。ヒトラーほどの人物がそんなにすんなりやられるものか、爆発だけで分かるわけないだろうが。これほどの計画でこの一番、肝心なところで抜けていたってどういうこと? これですっかり気持ちが冷めてしまい、後は何がどうなっても、「何、やってるの? あんた、一番、肝心なところで抜けててアホか?」と主人公が思えるばかりで、困ってしまいました。映画総体としての出来とは関係なく、そういうわけでこの映画は決定的なところで僕はダメです。
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2009/3/29

『オーストラリア』  映画

傑作。
まあ、例によって蓮實重彦が絶賛しているから見たわけで、改めてこの人の映画を見る目のたしかさに感謝したいと思うのだけど、でもたぶんハスミンの映画の見方と僕の見方は全然、違うような気がするので・・。
僕はこの監督、『ムーラン・ルージュ』というのはそれほどピンと来なかったんですね・・。そんなにニコール・キッドマンのファンというわけでもないし・・。
では、何が良かったんだろうか?
まあ、もともと僕はカチッとした映画よりもダラダラした映画のほうが好きなところはあるから、この映画のいろんな要素を盛り込み過ぎているところとかが欠点には感じられず、むしろ、楽しめてしまったのかもしれないが・・。
僕がいいなあと思ったのは、もちろんこの映画はいかにも作り物の世界で、史実に基づいているわけではなくて完全なフィクションと考えたほうがいいのかとは思うんだけど、でも精神(気持ち)として、先住民族、アボリジニーというのをちゃんと描いているように思えたところ。白人からどのように差別を受けていたかとか、きちんと描いていたし、日本のアイヌとも通じるような、先住民族の自然とのつながり、歌の伝承などを題材にしていて、ちゃんと描いているように思った。そういうのをハリウッド娯楽映画としてきちんと消化しているっていうのは凄くいいなと・・。もともと環境派(?)の僕は、この手の先住民族の話にはひかれるものがあるので、それがミュージカル(『オズの魔法使い』!)と結びついて話になってるなんて、実はツボではあるわけで・・。
「恋愛もの」として考えると、この主役の男女2人の「恋愛」部分の描き方、どうよ?と言われるとたしかにどうかとは思うんだけど(笑)、それも通常の「恋愛もの」というより、先住民族の子供と自分との関係性によって自分を問い直して行くという主題を絡めた「恋愛もの」なのだ・・と考えるならば(だから、現代日本の僕たちの「恋愛」と一緒に考えてはいけないのかもしれないと思ったりもする)これはこれでありなのではないか?とも思えてきて・・。まあ、自分が好きな映画だと、結局、そういうことはどうでもよくなってしまうのかもしれないが・・(笑)。
良かったです。
これ、アメリカではヒットしなかったそうだけど、オーストラリアでヒットしているということなので、なんといってもオーストラリアの話ですから、成功なんじゃないでしょうか?

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2009/3/28

映画『沈黙を破る』完成披露上映会&土井監督による「ガザ」最新報告(修了)  映画

(*修了しました。)

●映画『沈黙を破る』完成披露上映会&土井監督による「ガザ」最新報告

 パレスチナ・イスラエル問題をジャーナリストとして20数年にわたり取材を続けてきた土井敏邦さんが、数百時間に及ぶ映像を、長編ドキュメンタリー映画としてついに完成。

 ○日程:2009年3月28日(土)
 ○会場:東京国際フォーラム・D1ホール
 〒100-0005 千代田区丸の内3-5-1 TEL:03-5221-9000(代)
 ※JR有楽町駅から徒歩1分、東京駅から徒歩5分。地下鉄(有楽町線)
 有楽町駅と B1Fコンコースにて連絡。国際フォーラムD棟1F
 
 ○プログラム
 13:30 開場
 14:00 映画上映・一回目(130分)
 16:40 土井監督による「ガザ」最新報告(80分)
 18:30 映画上映・二回目(130分)
 ※映画上映・報告会共に各回完全入替制。
 ※当日の進行によってプログラムが変更となる可能性がございます。
 あらかじめご了承下さい。
 
 ○料金
 〈映画〉  前売券:1,300円/当日券:1,500円
 〈報告会〉 前売券:700円/当日券:1,000円
 ※前売り券はシグロのみの取り扱いとなります。
 
 ○お問い合せ
 (株)シグロ
 〒164-0001 中野区中野5-24-16-210 URL:http://www.cine.co.jp
 TEL:03-5343-3101/FAX:03-5343-3102/E-mail:siglo@cine.co.jp
 チケットのお求めはこちらからお願いします。
http://www.cine.co.jp/php/detail.php?siglo_info_seq=112

また、本作は5月2日(土)よりポレポレ東中野での劇場公開が決定しております。

*僕自身は行けるかどうか分かりませんが、これはとても大事なイベントかと思うので記事をあげておきます。

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2009/3/22

「桃まつり」で短編3本  映画

ユーロスペース、「桃まつり」で短編3本。

『マコの敵』(篠原悦子監督)
これ、塩田明彦氏が推薦のコメントを寄せているんだけど、たしかに塩田さんが好きそうな話だよなー。
ベリーダンスの馬鹿馬鹿しさが最高。しかし、吉岡睦雄という人はどうしていつもこういう役なんだろうか(笑)。
ただ、CHINーGO!氏がすでに指摘されているように、これ、長編のプロローグという感じで短編の話ではないと思うが・・。まあ、もともと長編向きの人で短編をやりたい人ではないのかもしれないが(すでに長編ものを撮っている人のようだし)。

『月夜のバニー』(矢部真弓監督)
これじゃ、シオドア・スタージョンの『きみの血を』じゃん!
もっとも、作り手の人達がスタージョンを読んでいるのかどうかは不明。たまたま似たのかもしれないが。僕としては、たまたまだとしても、スタージョン的な発想をする作家がいることは嬉しいが。

『あとのまつり』(瀬田なつき監督)
その昔の8ミリ映画『コロマダ2』を思い出させる傑作。
『コロマダ2』は当時(1980年代後半)、井川耕一郎氏が見て、「独力でパロディアス・ユニティに辿り着いた人達がいたのかと目頭が熱くなるのをおさえられなかった」とか言ってた覚えがあるんだけど、『あとのまつり』の瀬田なつき監督は(パロディアス・ユニティの)黒沢清監督の直弟子ですので、もちろん独力ということではなく、黒沢清監督の影響を受けているんだろうけど、それでもひとつの達成には違いない。
あえて言えば、役者の演技の演出があれでいいのか?ということはあるのかもしれないが、そのへんは今後の課題ということで・・。
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2009/3/19

水俣病与党「救済」法案、大量の被害者切り捨て(赤旗より)  公害・薬害・環境・医療問題

*昨日の「しんぶん赤旗」より。

水俣病 与党「救済」法案 大量の被害者切り捨て 市田議員追及 訴訟原告も対象外

 水俣病被害者から撤回の声があがっている自民・公明両党提案の「最終解決」特別措置法案は、申し出ても公的検診で認定されないなど救済されない被害者が大量にでることが、十七日に開かれた参院環境委員会で明白になりました。斉藤鉄夫環境相が、日本共産党書記局長の市田忠義議員の質問に答えたもの。

 市田議員は、熊本県不知火海沿岸の現地調査で、「年々体のしびれやカラスマガリ(こむらがえり)、耳鳴りがひどくなった。手のしびれで孫も落としそうで抱けず、元の体に戻してほしい」という認定申請者の声を紹介。被害認定と補償・救済の状況の説明を求めました。

 環境省の原徳寿保健部長は、認定申請者が六千三百十六人、訴訟原告千六百七十六人、新保健手帳交付者はのべ二万八百四十八人、医療費受給者五千八百四十五人になると答弁。市田議員は、それに一九九五年解決の約一万人を加えた約四万人の補償・救済対象者は指定地域人口の31%、沿岸住民の8・5%で、被害の甚大さ、深刻さがわかるとのべ、沿岸住民の健康調査の実施のうえで最終解決救済を求めました。斉藤環境相は「少ないという認識はない」とのべましたが、健康調査は拒否しました。

 市田議員は、与党プロジェクトチームのサンプル調査でも「四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害がある」は認定申請者の47%、保健手帳保有者の40%にすぎず、救済を求めても六割が救済されないことになると追及。また、法案が三年で認定を打ち切り、その後地域指定も解除しようとしている問題点も指摘。賠償訴訟をおこすと救済を受けられず、「裁判をする権利、人権も否定する救済は救済の名に値しない」と批判し、「患者・被害者の大量切り捨て、加害企業救済法だ」と同法案の撤回を迫りました。
 
水俣病 熊本県のチッソ水俣工場が長年にわたって不知火海に垂れ流したメチル水銀による公害病(中毒性中枢神経疾患)。二〇〇四年、最高裁判決はチッソの加害責任とともに、被害拡大にたいする十分な防止策を怠ったとして、国および熊本県の責任を断罪しました。

不知火海沿岸における水俣病の被害状況
不知火海沿岸住民(注1)   約47万人 救済をうけている人の割合 8.5パーセント
水俣病発生地域(注2)の住民 約13万人 救済をうけている人の割合 31パーセント
補償・救済          約4万人

(注1) 04年当時の熊本県が調査対象としている人数。
(注2) 1960年当時の水俣病発生地域(公健法指定地域) 熊本県水俣市、田浦町、葦北町、津奈木村、鹿児島県出水市の人口の合計。
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2009/3/19

『ヤッターマン』  映画

もとのアニメは知らない。僕の家庭ではこの手のアニメは「見てはいけません」とすぐにチャンネルを切られたり回されたりする類いのものだった。だから、ヤッターマンとかキューティハニーとかは一切、見ていない。周りの子供達がそういう話題で騒いでる場に遭遇すると話の輪に入って行けないのでひとりポツンとしているしかない子供だった。
だから、なぜか、今頃、これが実写映画化されたのを見て、「ふーん、こういう恋愛ものだったのか」と今さらながらに思う。これはヒーローものの体裁をとってはいるけれどもちゃんとカセがある「恋愛もの」である。単に「エロいヒーローもの」ではなく「恋愛もの」だったんだ・・。
深田恭子はまさに適役。この人以外にこの役は考えられないだろう。三池監督の職人技が見事に発揮された堂々たる「女優の映画」である。

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2009/3/16

緊急!水俣病 こんな幕引きは許されない  公害・薬害・環境・医療問題

*与党は、水俣病の問題に決着をつけるため、<水俣病幕引き法案>(もちろん、正式な名称はこのような名前の法案ではありませんが)を3月13日に国会に上程しました。その内容は、水俣病被害者救済どころか、加害企業チッソを分社化することでその加害責任を曖昧にするというものです。何十年もかかって、この決着ではあんまりです。

(朝日新聞 記事)
水俣病認定で与党PT検討、3月法案提出   終了手順、明文化案  被害者団体反発
2009.02.14 朝日新聞東京朝刊
 水俣病未認定患者の救済問題で、新たな救済策を検討している与党プロジェクトチーム(PT)は13日、原因企業チッソの分社化などのための特別措置法案を3月上旬に国会に提出する方針を決めた。「真の最終解決」を掲げ、水俣病の認定審査を終了させるまでの手順を明文化することも検討しており、被害者団体などは「完全な幕引きになる」と強く批判している。
 PTの方針では、救済対象者を公的診断で四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害と判定された人とし、一時金などは基金を通じて給付。救済は「遅くとも3年以内に完了する」と期限を設ける。一時金の原資と想定されるチッソ分社化後の株式の売却については、景気悪化を受け、市況好転まで3年をめどに凍結するとしている。
 救済策の実施にあたって、「最終解決」を掲げた95年の政治決着時には示さなかった認定審査終了までの手順を明記する方針に踏み込んだ。ただ、04年に国の認定基準とは別の基準での幅広い救済を求める最高裁判決が出され、新たな認定申請者は6千人に上る。今回の救済策受け入れを拒む被害者団体もあり、実際の「解決」には遠い状態だ。
 水俣病患者連合の高倉史朗事務局長は「水俣病はこれで終わりということになり、今被害を訴えている人、訴訟をする人、これから被害の声をあげるかもしれない人にとっては絶対に許せないと思う」と話した。               

水俣病審査、終了の方向 救済策は3年限り 与党チーム明示へ、幕引き狙いか
2009.02.14 朝日新聞西部朝刊 
 水俣病未認定患者の救済問題で、与党プロジェクトチーム(PT)は13日、被害者救済と原因企業チッソの分社化のための特別措置法案を3月上旬に国会に提出する方針を決めた。厳格な認定基準で水俣病と認められない被害者救済の最終決着にとどまらず、水俣病問題全体を終わらせるため、認定制度を終了させるまでの道筋を明文化する方針を示した。だが、民主党や被害者からは「強引な幕引きを図るものだ」と批判も強く、救済策が実現するかはなお不透明だ。  (中島健)

 PTによると、救済対象は公的診断で四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害と判定された人で、水俣病被害者との位置づけを検討。一時金150万円などは基金を通じて給付。救済は「遅くとも3年以内に完了」と期限を設ける。一時金などの原資と想定されるチッソ分社化後の株式売却は、経済情勢の悪化を受け、救済が終了し市況が好転するまで、3年をめどに凍結するとしている。
 未認定患者の救済を巡っては、「最終的・全面的解決」として95年に政治決着が図られ、いったんは混迷がおさまった。だが、04年に最高裁が行政とは別の基準で幅広い救済を命じた後、認定申請が急増、熊本、鹿児島両県で6千人を超える。訴訟も起こされ、「解決」にはほど遠い状態だ。
 今回、PTは救済策の実施にあたって、認定審査終了までの手順を明記するとの方針に初めて踏み込み、「水俣病問題を終わらせる」という強い意思を示した。認定申請者について審査が進めば認定申請の受け付けを終える方向。損害賠償を求めて国などと争っている被害者団体との訴訟の解決にめどをつけ、「最終解決」を打ち出す意向だ。
 ただ、法案成立のカギは民主党が握っており、PTは法案審議前に協議したいとの意向だ。民主党水俣病対策作業チーム座長の松野信夫参院議員は「認定申請の窓口を閉ざす幕引きの意図を感じる。補償の窓口は開けておくべきで、慎重に対応を検討したい」と話した。
◆チッソ生き残り優先
《解説》与党プロジェクトチーム(PT)が掲げる「真の最終解決」は、救済策の検討を始めた当初からの方針だった。ただ、水俣病の症状を極めて限定的にとらえた現行認定基準の見直しなど、被害者側の要求は無視。加害企業チッソの生き残りを優先させた内容だと受け止めざるを得ない。強引な「最終解決」は95年の政治決着と同様、火種を残すだろう。
 なかでも重大な点が、「認定審査の結了」を盛り込んだこと。それは、認定制度という水俣病被害者救済システムの廃止を意味するが、チッソの分社化にも絡んでくる。
 分社化するには、チッソが抱える債務を確定させる必要がある。後年、新たな被害者が増えると債務が膨らむため、認定制度をなくして被害者救済の門戸を閉じる。なかなか名乗り出られない被害者側の事情より、チッソの債務確定を優先させるわけだ。
 さらに、認定基準の妥当性を考えるのに必要な「水俣病とはどういう病気なのか」という検討が、PTの議論から一切抜けていた。
 救済対象を手足の先の感覚が鈍くなる四肢末梢優位の感覚障害がある人に限ったが、地元で診療を続ける医師らは、全身の感覚障害や感覚障害がみられないケースなど多様な病像を指摘する。だが、こうした見解を持つ専門医らも交えて基準の再検討を求めた声は、黙殺された。
 公式確認から半世紀以上。今なお、6千人を超す認定申請者のいる「闇」を抱えた公害事件を、チッソの分社化=チッソの生き残りを優先させて幕引きしていいのか。人命より経済成長を重んじたかつての日本の誤りを、忘れ去ることにつながりはしないだろうか。 (編集委員・野上隆生)
■与党PTの水俣病問題解決の方向性骨子
(1)対象者は、公的診断で四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害を有すると判定された者。基金を設けて、一時金150万円、医療費、医療手当を給付する。速やかに実施し、遅くとも3年以内に完了する。
(2)救済策の終了、認定審査の結了、訴訟の解決など救済が終了する手順を示し、最終解決だと明らかにする。
(3)チッソの支援と分社化を実施する。分社化後の株式売却は、救済の終了及び市況の好転まで3年をめどに凍結する。

「幕引き許さない」 被害者、実態解明ないまま 水俣病審査終了へ
2009.02.14 朝日新聞西部朝刊 
 13日の与党プロジェクトチーム(PT)の会合で「水俣病問題の最終的包括的解決」の方針が示された。被害の全容を解明せず、未認定患者の救済を機に水俣病問題そのものを終わらせようとする内容。PT救済策に前向きな被害者団体が歓迎する一方、怒りの声も噴出した。=1面参照
 PT救済策に期待してきた水俣病被害者芦北の会(熊本県津奈木町、270人)の村上喜治会長は「救済策の法案化は評価できる。分社化は国会で十分議論してもらいたい。認定審査を結了し水俣病問題を終わりにすることは、地域の発展を考えればいいことではないか」と歓迎した。
 一方、同様にPT救済策を望んできた水俣病出水の会(鹿児島県出水市、3400人)の尾上利夫会長は「個人への一時金に加え、団体加算金の話が出ないのは納得できない。これでは救済策に乗れない」と憤った。
 訴訟派団体の批判は強い。国、県、チッソを相手に損害賠償訴訟を争う水俣病不知火患者会(熊本県水俣市、2100人)の園田昭人弁護団長は「被害者より加害企業を優先する姿勢が鮮明になった。与党との意見交換にやぶさかではないが、距離が広がった。司法救済を求める立場は変わらない」。
 同様に訴訟を争う水俣病被害者互助会(水俣市、150人)の谷洋一事務局長は「与党PTと環境省、チッソは患者を切り捨て、水俣病問題を終わらせようとしている。私たちは訴訟を続ける。こんな案が通るはずはない」と話した。
 95年の政治決着にかかわった関係者も疑問の声を上げている。当時、水俣市長だった吉井正澄さん(77)は「国の責任が明確にされないままの幕引きだった95年の決着には課題が残った。04年の関西訴訟最高裁判決で国、県の責任が確定し、被害者が声をあげた。水俣病に必要なのは恒久的な対策。今回の案では95年の二の舞いにならないか」と懸念を口にした。
 政治決着に応じた水俣病被害者の会全国連絡会(水俣市)の中山裕二事務局長は「哲学がない。最高裁判決も考慮されていない」と批判。「認定審査の結了」を打ち出している点についても「全員が新救済策に応じて認定申請を取り下げるわけではない。検診医がいない現状で、どう審査を終わらせるのか」と話す。
 政治決着に応じた水俣病患者連合(水俣市)の高倉史朗事務局長は「被害実態の全体が分からない中、救済策実現に乗じて、直接関係のない認定審査を終わらせ、水俣病問題すべてを幕引きしようという卑劣なやり方であり、許せない」と語った。
また、長年、水俣病問題に取り組んできた熊本学園大の原田正純教授は「被害の全容がわからないのに、救済期限を区切るべきではない。認定審査の結了などできるはずがない」としたうえで、医学面については「公的診断というが、水俣病の診察歴のある医者が少ないのに、誰が診るのか。胎児性患者で感覚障害がない人は救済対象から漏れてしまう」と指摘した。
■これまでの動きと救済内容
56年 水俣病を公式確認
68年 政府がチッソによる公害病と認定
77年 環境庁が水俣病の認定基準を通知
  【基準】四肢末梢(まっしょう)優位の感覚障害など二つ以上の症状の組み合わせ
  【補償内容】慰謝料1600万〜1800万円、手当、医療費など
  【対象人数など】約2300人
95年 政府が「政治決着」めざし解決策を決定
  【基準】(1)感覚障害(2)それ以外の神経症状(公的診断)
  【補償内容】(1)一時金260万円、手当、医療費(2)医療費
  【対象人数など】(1)約1万人(2)約1100人
04年 関西訴訟最高裁判決で国、熊本県の責任確定。国とは別基準での救済求める
  【基準】一定の条件を満たせば感覚障害のみ
  【補償内容】賠償金450万〜850万円、手当、医療費
  【対象人数など】51人
05年 環境省が新保健手帳の交付など新対策を発表
  【基準】一定の神経症状(主治医の診断)
  【補償内容】医療費
  【対象人数など】約2万人
07年 与党PTが未認定患者の新救済案示す
  【基準】感覚障害
  【補償内容】一時金150万円、手当、医療費
  【対象人数など】?
(人数は熊本、鹿児島両県の被害者の合計。認定者数と新保健手帳の交付者数は昨年末現在)


(毎日新聞 社説)
社説:水俣病最終解決 認定基準見直しはどうした
2009.03.08 毎日新聞東京朝刊 

 自民、公明両党の水俣病に関するプロジェクトチームが6日、最終解決のための特別措置法案を了承した。水俣病は公式確認からまもなく53年となる。被害者の高齢化も進んでいる。そうしたことを勘案すれば、抜本的な救済を急ぐことは当然だ。問題はその内容である。
 第二次世界大戦後の経済復興から高度成長の過程で発生し、被害が拡大したのが水俣病である。責任は水銀をたれ流しにしたチッソ、それを規制しなかった行政が負っている。最終決着というのであれば、真に被害者の立場に立ったものでなければならない。ところが、与党の特措法案には、まだ問題が多い。
 第一は、公害健康被害補償法の認定基準に踏み込んでいない点だ。
 現在の国の公健法認定基準は二つ以上の症候があることだ。水俣病関西訴訟の最高裁判決(04年10月)は大阪高裁の一つの症候でもメチル水銀中毒と認められるとの判断を追認した。公式確認50年に向け環境省が設けた検証のための懇談会も、救済・補償の恒久的枠組み作りを提言した。
 ともに、公健法の認定基準見直しを求めていることは容易に想像できる。しかし、与党は今回も77年に提示した「二つ以上の症候」という判断基準は変更しなかった。
 特措法には3年以内に救済措置を講じ、終了時点で水俣湾沿岸地域や阿賀野川下流地域の公健法地域指定を解除することが盛り込まれている。
 そこで、第二の問題が出てくる。熊本・鹿児島両県で1月末時点で、公健法認定申請者は6200人に達している。3年で公正な認定審査作業ができるのか。現在提訴されている3件の損害賠償訴訟はそれまでに終わる保証はない。
 加えて、最終解決の柱である、公的診断でメチル水銀の影響がみられると判断された被害者への救済が一時金150万円、療養費・療養手当月1万円で十分なのかも争点だ。ちなみに、95年の政治解決時には一時金260万円、医療費、療養手当月約2万円だった。
 第三は、一時金を負担する原因企業への支援策としての、チッソの分社化容認である。いまのチッソを補償のための会社とし、収益を上げる事業会社を分社化する構想はチッソが求めていた。
 与党は救済を確実にするため、子会社の株式売却は救済の終了まで凍結するなどの条件は付けた上で、認めた。救済のための基金も設ける。しかし、裁判が長引いた時などに、責任の所在が不明確になりかねない。
 水俣病を巡っては、いまだに被害の全容は明らかになっていない。関西訴訟以降の認定申請者急増は、隠れていた被害者がいたからだ。早期に救済枠組みを作ると同時に、被害の実態把握も急ぐべきだ。
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2009/3/16

原爆症認定 政治判断による一括救済急げ(毎日新聞社説)  原爆・原発問題

*毎日新聞 社説(3月15日)より
原爆症認定 政治判断による一括救済急げ
 原爆症の認定をめぐる集団訴訟で、東京高裁が国側の控訴を棄却し、千葉県に住む被爆者の勝訴とする判決を言い渡した。

 1審の千葉地裁と同様に、国の基準で積極認定の対象外とされている肝機能障害や脳梗塞(こうそく)後遺症を原爆症と認定する内容だ。判決は踏み込んだ判断を示し、心臓や消化器・呼吸器などの疾患についても「被爆が原因ではないと国が証明しない限り、原則的に原爆症と認めるべきだ」として、国側に幅広い救済を促している。

 一連の集団訴訟は03年以降、306人の原告が17地裁に提訴して争われてきた。これまでに地裁、高裁で14回の判決が下され、いずれも原告側の主張がおおむね認容されている。認定基準を緩和すべきだとの司法判断の流れは定着した、と言っていい。行政との乖離(かいり)は広がるばかりだ。

 振り返れば、認定基準は司法に背中を押される度に、行政が渋々緩和する格好で改められてきた。

 厚生労働省は、爆心地からの距離で算定される被ばく線量に依拠していた基準の不備を最高裁から指摘されたことを受け、01年に放射線量の推計値や発症への影響度を示す原因確率を加える方式に変更した。その後も国側の敗訴が続くと、昨年4月には、がんなどの5疾患は一定条件下で被爆していれば認定し、それ以外の疾患は専門家が個別に総合判断するという2段階方式を採用、入市被爆者も認める新基準による認定に切り替えた。

 総合判断で5疾患以外についても幅広い救済を目指すはずだったが、実際には救済の対象は広がらず、以前から認定例がある甲状腺機能障害が認められただけだった。今回の判決は高裁段階で初めて肝機能障害を原爆症と認め、新基準のあり方を問う形となった。

 国側は新基準に切り替えた後の08年度の認定が約2500件を数え、07年度の約20倍に増えたと強調しているが、認定作業の遅延も深刻化している。審査態勢が整っていないためとされ、7500人を超す申請者が審査を待っており、滞留はさらに増加している。総合判断の運用を改善するか、認定基準を改めるか、いずれかの対策が急務だと言わざるを得ない。

 厚労省は国側が勝訴した原告が含まれている訴訟で今年5月、東京高裁が判決を言い渡す予定になっていることから、その結果を待って対応を検討する構えのようだ。しかし、被爆者の高齢化が進んでおり、一刻も早い救済が望まれている。いたずらに結論を先延ばしすることは許されない。

 もともと原爆による放射線被害は科学的に解明されたわけでなく、認否を線引きする基準の設定には疑問も限界もある。政府はこの際、政治判断によって決着を急ぎ、訴訟も速やかに終結させるべきだ。
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2009/3/15

カルデロンさん一家の件を教訓に以下のような法整備も考えられるのではないだろうか?  時事問題

カルデロンさん一家の件について今回の法相の判断は妥当ではないかと考えると書きましたが、しかし、カルデロンさん一家のような件は、これまでも何回も繰り返されて来ましたが、これからもその都度、議論され、いわば法相の気分次第で決定されてしまうのではないかと思います。このようなシステムに問題を感じないわけではありません。
今回の騒動を教訓にして、法を見直すことも検討していっていいのかもしれないとは思います。
ひとつには次のようなことがあるかと思います。
前記事でリンクしたサイトに以下のようなやり取りがありました。

「情状酌量の余地を認め、在留特別許可は認めるけど他の罰則を課すという対応はできないのでしょうか?

情状酌量に関しては、在留は認めるけど他の罰を科す〜となると、法律にない事をやってしまうのではないかと思います。
入管側が譲歩しようにもそれに合わせた法律の枠組みが無く、法律にない事ができたらそれこそ「法治国家」ではなくなってしまいますので、在留特別許可という法律にある枠組みの中で認めるか認めないかが争点になっています。」

ここに書いてあるように、現行法ではこれは出来ないことですので、カルデロンさん一家の件については適応できないかと思いますが、今後、似たようなケースが起こってくる場合に備えて、このようなケースには帰国させる代わりに他の罰則を課すという法制度を新たに設けることを検討してもいいのではないでしょうか?
帰国する代わりに何年間か服役するなどして、不法滞在についての罪をきちんと償い、その上で日本に在留したい・・ということなのであれば、社会的にもそれほど非難はないように思います。結果としては自分が犯した罪を償った上で、何年か先には家族が一緒に日本で暮らせるようになるのですから、これがベストの解決策なのではないか?と僕には思えます。
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2009/3/15

カルデロンさん一家の件について以下のサイトが詳しいです  時事問題

カルデロンさん一家の件について、以下のサイトがたいへん詳しく、参考になるようです。

e-politics:外国人政策 > カルデロン一家問題
http://www7.atwiki.jp/epolitics/pages/237.html

僕個人はこの件についての今回の法相の判断は妥当な線なのではないか?と考えていますが、法的には今回の法相の判断のように決定しても、あるいはカルデロンさん一家の人達が求めていたように家族みなが日本に残留する許可が与えられるという決定になっていたとしても、どちらも法律の範囲内のものであり合法的なものであるということのようです。
「児童の権利条約」との関連についても、上のサイトで書かれていますが、日本政府は解釈宣言をしていますので、今回のケースが「児童の権利条約」に違反しているので違法であるということは成り立たないように思います。もちろん、その解釈宣言の内容そのものが人権的にどうか?という批判はあるかとは思うし、解釈宣言の内容を変更するべきだという主張はあるかもしれませんが、とにかく現在はこのような解釈宣言に基づいて日本政府は判断していると表明している以上、今回のケースを違法とすることは難しいように思います。
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2009/3/14

回答する記者団「蓮池透さんが拉致問題に関する質問に答えます」  時事問題

*以下、全文は会員にならないと読めないようなので僕もここに公開されている範囲しか読んでいないのですが、とりあえず読める範囲でもいろいろと問題提起と思える発言をされているもののようなので、参考までにリンクします。

回答する記者団「蓮池透さんが拉致問題に関する質問に答えます」
http://kishadan.com/request/article.cgi?id=200902051622414
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2009/3/13

フランス映画祭でオノレ『美しい人』  映画

フランス映画祭で、『愛のうた、パリ』に続く、クリストフ・オノレ監督の最新作『美しい人』。
ある高校での、教師を含む生徒たちの多角的な恋愛関係を描く。転校生のミステリアスな雰囲気の16歳の女の子が、(たぶん)一番、面倒でない相手としてクラスの中で一番さえない草食系男子を彼氏として選ぶが、美男子で複数の女教師や女生徒と関係がある若いイタリア語教師にも求愛されることになり面倒なことになっていく・・といったような話。asa_nakaさんのブログですでに指摘されているように、ちょっとエドワード・ヤン監督の『クーリンチェ少年殺人事件』を思わせる作品。(『クーリンチェ少年殺人事件』を思わせるのは、オノレ監督がとらえるパリの冬の光の質感が台湾の風土の質感と通じるところがある・・という、フランスと台湾の風土的近親性ということもあるのかもしれない。)
これは良かった。『愛のうた、パリ』よりも僕としてはすんなり入っていける気がする作品だったが、なぜかと考えると、ひとつには、『愛のうた、パリ』でも感じた、展開の唐突さ、登場人物たちがきまぐれとも思えるような行動をしているという印象が、若い高校生たちを登場人物にしているのでそれほど強引とは思わずに自然と受け入れることが出来た・・ということなのかもしれない。
今回の作品も、物語のクライマックスとも思えるところで、印象的な「歌」の使い方をしている。この監督はますます注目すべき存在になりつつあるという印象。
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2009/3/11

本当にここで朝鮮総連の資産凍結したら拉致問題の捜査にもプラスではないのではないか?  時事問題

(ニュース)
ミサイル発射なら北資産を凍結 日本政府 2009.03.06 産経新聞

 政府は5日、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型とみられる「人工衛星」を発射した場合、現行の制裁措置に加え、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)など北朝鮮関係団体の資産凍結や輸出制限措置を発動する方針を固めた。北朝鮮による核開発やミサイル関連部品の入手を防ぎ、資金源を断つのがねらいで、国連安全保障理事会にも制裁強化を提起する。また、第3国経由の不正輸出や海外送金に関しては、外為法などの罰則強化も検討する。(尾崎良樹)

 外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長と北朝鮮担当のボスワース米特別代表は5日の会談で北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げと発表した場合でも、国連安全保障理事会決議違反に当たることを確認。斎木氏は制裁策として、北朝鮮関係団体の資産凍結など日本側の対応を説明したもようだ。

 資産凍結では、米国がマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いでマカオの北朝鮮の関連口座を凍結したことがあり、「日本でも朝鮮総連関係などの資産が凍結されれば効果は大きい」(政府関係者)とみられる。また、北朝鮮への輸出を原則禁止とし、アジア諸国を経由した迂回(うかい)輸出の監視も強化する。

 国連加盟国は2006年11月の安保理決議1718号に基づき、北朝鮮の核開発や大量破壊兵器、弾道ミサイル計画に関連する資産・口座を凍結できる。政府は凍結対象を広げ、「武器関連」とする新たな安保理決議採択を求めることも検討している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090306/plc0903060120000-n1.htm

*これって、「ええっ!?」というかなり突飛な発想に思えて、また麻生首相が思いつきで言っただけなんじゃないか?という気もしてて、そんな真面目に考えることもないのかなあ・・なんて思ってたんですが、やっぱり僕個人の考えをちょっと書いておくと・・。
ミサイルを撃ち落としたりしたら戦争だ・・とか、言っている北朝鮮政府についても、「ええっ、なんでいきなり戦争なんて話になるの?そもそも今回のは宇宙への調査の衛星のミサイルなんでしょう?」と、話が飛躍しているように思うのだが、それに負けず劣らずミサイルを飛ばしたら朝鮮総連の資産を凍結するという日本政府が言うことも、間が飛んでいるように思うのだが・・。
これが、朝鮮総連の資産が具体的にどのように北朝鮮に流れているのか、そしてどれだけ違法な形で流れているのかとか、あるいは朝鮮総連がどれだけ日本人の拉致事件に関わって来たのかが捜査によって明らかになったので、それを受けて日本政府が朝鮮総連の資産を凍結するという話であるのならばまだ話の流れとしては分かる。(もちろん、それだって、朝鮮総連の資産凍結という処置がふさわしいのか否かは論議しなければならないかと思うが。)しかし、そうした捜査をせずに、国連安保理決議1718号に基づきこうした処置をとって、なんか、無理矢理のこじつけみたいな形で朝鮮総連に制裁してしまったら、それで朝鮮総連に対する制裁は終わりということになってしまって、逆に、実際に朝鮮総連がどれだけ不正なことをしているのかの実態を調査、捜査するほうはうやむやになってしまうのではないだろうか? それは朝鮮総連が実際にどれだけ拉致事件に関わって来たのかを調査、捜査することもうやむやにしてしまうことなのではないだろうか? つまり、今回のような乱暴な、思い付きみたいな形で朝鮮総連を制裁してしまったら、それで朝鮮総連について制裁は終わりましたということになってしまって、拉致事件に実際に朝鮮総連がどれだけ関わって来たのかということを含めて、朝鮮総連の実態についての調査、捜査は行なわれなくなってしまい、そうしたことは永久に闇に葬り去られてしまうかもしれないのではないかと思うのだ。そうすると、ここでこういう形で朝鮮総連を制裁することは拉致事件の解決にとってもプラスにならないのではないだろうか? もしかしたら、日本政府は、実は朝鮮総連の実態についてきちんと調査することが面倒なので、それをしないですむことを目的として、今回、こんなことを言い出したのかもしれないが・・。
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2009/3/10

いまおかしんじ監督のピンク映画、新作  映画

新宿で、いまおかしんじ監督のピンク映画の新作『獣の交わり 天使とやる』。
不思議な映画だった。
キリスト教をネタにしているところは正直、特にキリスト教に興味があるわけではない僕には分かりにくいところがあるし、キリスト教の話なのに、いきなりガザがどうのなんて台詞が出てくると、ええ?と混乱するのだが。(ピンク映画でガザがどうのなんて話が出てくるとは思っていなかった・笑)
いや、僕がキリスト教に興味あるか否かということではなく、そもそもこれは分かりやすいつくりの作品ではなく、いわば「行間」が多い作品であるのかもしれない。でも、そこが面白いとも言える。「行間」があったり、分からないところがあったりするからこそ、映画は面白いのだとも言えるから。すべてが明快で、分からないところがどこもなかったら、それはそれで退屈してしまうだろう・・。
そして、この映画がピンク映画と言えるのか否かはたしかに疑問にも思えるのだけど、ただこうした「行間」は、(男がイメージしている)「女の子」の分からなさの「行間」なのかな?とも思う。男の目から見て、「女の子」は分からないからこそ、魅力的だったりするのだと思うから。逆に、分かってしまったら、神秘性を何も感じなかったら、ときめかないかもしれない・・。そうした「女の子」の「行間」を感じさせてくれる・・という意味で、これはやっぱりいまおかしんじの映画なのだと思うし、そうするとやっぱりピンク映画(の一種)なのかな?とも思ったりする。
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2009/3/10

カルデロンさん一家の件  ニュース

(ニュース)
カルデロンさん 両親に退去『最後通告』 9日期限 一家帰国か別離迫る
2009年2月27日 東京新聞 夕刊

会見するのり子さんの父アランさん(右)と母サラさん=27日午前、東京・霞が関の司法記者クラブで

 強制退去処分を受け、家族そろっての特別在留許可が認められない方針を伝えられていた日本生まれのフィリピン人カルデロン・のり子さん(13)=埼玉県蕨市立第一中一年=一家の問題で、東京入国管理局は二十七日、父アランさん(36)と母サラさん(38)に、一家で帰国するか、のり子さんだけが日本に残るのかを三月九日までに決めなければ、三人を入管施設に収容して、強制送還すると伝えた。

 一家をめぐっては、国連人権理事会が日本政府に報告を求めている。

 友人たちが集めた嘆願署名は約一万九千七百人分。入管の「最後通告」は、のり子さんが生まれ育った日本を離れるか、家族が離散するか−の過酷な選択を迫っている。

 正規の在留資格がない場合、法務大臣の裁量で特別在留許可を認めることができる。しかし、森英介法相はこの日の閣議後の会見で、「のり子さんだけなら在留許可を認めることは伝えた。一家全員で在留を認めない方針は変わらない」とあらためて強調した。

 一九九二年から九三年にかけて夫妻はそれぞれ他人名義の偽造旅券で入国。二〇〇六年にサラさんの不法滞在が発覚し逮捕された後、一家は仮放免を申請。退去取り消し処分を求める訴訟も起こしたが、昨年九月に最高裁で退去処分が確定。その後、身柄収容を一時停止する仮放免の延長が繰り返されたが、入管は今月十三日、二週間以内に帰国日を決めるよう通知した。

◆父『悔しい』、母は涙
 「悔しい」。東京入管の通知を受けた直後、のり子さんの父アランさんは唇をかみ、母のサラさんは下を向いたままだった。

 二十七日午前、冷たい雨が降る中、アランさんとサラさんは東京都港区の東京入管に出頭した。「娘はまだ十三歳の中一なので、自分のことも守ることはできない」と伝えたが、入管側の回答は変わらなかったという。

 東京・霞が関の司法記者クラブで会見したアランさんは「娘の将来のために、勉強のために三人で残りたい気持ちは変わらない」と顔を紅潮させ、サラさんはハンカチで目元を押さえ、質問に答えられなかった。

 一家に付き添った渡辺彰悟弁護士によると、国連人権理事会の「教育の権利」特別報告者らは今月十九日付で、一家の保護や教育の問題についての質問票を日本政府に送付したという。政府は一、二カ月の間に回答する必要があるが、渡辺弁護士は「帰国日を区切らずに、日本政府は国際機関の声を尊重しながら対応していくべきだ」と訴えた。

◆明確な基準が必要
 外国人問題に詳しい田中宏龍谷大教授の話 不法滞在の状態が十五年以上続いたことを罪が重いととらえるか、逆に、十五年以上も生活実態があるからそれを尊重すべきとみるかで、この問題の解釈が分かれる。私は後者の立場をとりたい。

 不法滞在であっても長期にわたり日本に滞在し、子どもが日本で生まれ育った一家に対し、強制退去処分を出す場合の明確な基準づくりが求められよう。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009022702000217.html

不法残留 比人夫妻が入管に出頭、アランさんは収容
3月9日13時33分配信
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