2009/8/31

福田衣里子さん、当選、おめでとう! そして、ちょっと気になっていること・・  公害・薬害・環境・医療問題

長崎2区、福田えりこ(福田衣里子)さん、当選、おめでとうございます!
・・とまずは祝福しておいて、ちょっと気になっていることを書かせて頂く。

今回の選挙の際、「エコ議員つうしんぼ」という面白い試みをしているサイトがあった。

エコ議員つうしんぼ
http://giintsushinbo.com/index.htm

立候補している議員に環境問題についていろいろと質問して、答えてもらい、有権者の参考にしようと意図したものだ。
ここで、長崎2区で出馬した福田えりこさんが返答されているのであるが、この答えに「あれ?」と意外に思うものがあったのだ。
それは、設問14の諫早湾干拓事業についての設問の答えである。
設問の内容は以下のものである。

「1997年4月の閉め切りから12年が経過した諫早湾干拓事業の潮受堤防が有明海全体の貧酸素化を招き、生物多様性や漁民の暮し、地域経済への被害が年々深刻さの度合いを深めている。
またアオコの発生や水質悪化により諫早湾の漁業だけでなく農業用水としても問題があると言われる調整池など諫早湾干拓事業は多くの問題を抱えている。
これに対して2008年6月佐賀地裁は、「漁業行使権の侵害に対して、優越する公共性ないし公益上の必要性があるとは言い難い」とし、さらに堤防閉め切りと湾内環境悪化の因果関係について「相当程度の蓋然性は立証されている」と認めた。
諫早湾干拓事業の水門は佐賀地裁判決どおりに開放し、農水省は控訴せず一刻も早く有明海の生態系修復事業に着手しよう。」

これに対して、福田えりこさんは、なんと、「反対」と答えていたのだ。

この諫早湾干拓事業というのはまさに福田さんが出馬している長崎2区の地元の問題である。
そして、知られている通り、この諫早湾干拓事業は無駄な公共事業の代表的なもののひとつとして批判されてきているものであり、環境問題の視点からも、この諫早湾干拓事業によって干潟の生態系が破壊されたことはたいへん批判を受けていて、多くの環境NGO団体がこの事業の中止を求めているものである。
福田えりこさんは、自民党が進めて来た無駄な公共事業を問い直すと言っている民主党から出馬した議員であり、特に自らの地元の問題なのだから、むしろ、積極的に「賛成」の意を示すのではないか・・、てっきり僕はそう思い込んでいたのだ。

福田さんは、補足のコメントを寄せている。ここになぜ福田さんが「反対」と答えたのか、理由が示されている。

「14) 環境アセス調査は大事だが、現在、干拓農地には多くの農業者が入植しており、水門を開放しての調査は、農業に重大な影響を及ぼす懸念がある。農業者、漁業者と市民が共存可能な方策が必要。」

これを読んで、僕は、うーん・・と考え込んでしまった。
僕自身は、以前から諫早湾干拓事業には反対の考えの人間であり、干潟の生態系を今からでも取り戻して欲しいと思っている。(環境再生には、これまた莫大な費用がかかるらしいが・・。)
その意味では、福田さんが、自分と違う考えを持っていることを知って、ちょっとがっかりした気持ちがあったこともたしかだ。
でも、考えてみれば、自分と考えが違うからがっかりするなんていうのも僭越な話でしかないので、気分を変えて、どうして福田さんがこのように考え、答えたのだろう・・ということを推察してみた。無駄な公共事業を問い直すと言っている民主党から出馬した新人議員ならば、こういうところで「賛成」の意思を示して自らの存在をアピールするのではないか?とつい思ってしまうのに、どうして福田さんはあえて「反対」と答えたのだろうか・・と。
おそらく、福田さんは、地元だからこそ、実際に、多くの関係者と会っているのに違いない。そこで、漁業者、市民だけでなく、干拓事業が進み、干拓農地に入植した多くの農業者の人達とも実際に会って話を聞いたのではないだろうか? それで、干拓事業をやめてしまうと、一方でこの農業者の人達は被害を受けることになってしまうことに気がついてしまったのではないだろうか? 福田さんは肝炎訴訟で原告として闘って来た人である。とにかく被害を受けることになる弱者の人を出してはいけない・・という思いが強い人なのではないか?と思う。干拓事業をやめてしまうと、一方で弱者として被害を受けることになる農業者の人達が出てくるのであれば、それもいけない。そういう片方でメリットを受ける人達がいてももう片方にはデメリットを受ける人達がいるという現実があるのであれば、双方が話し合い、共存可能な道を探って行く必要があるのではないか? そうした考えで、「農業者、漁業者と市民が共存可能な方策が必要」という考えに達して、この設問に「反対」と答えられたのではないか? 僕はこのように推察したのだ。

これは難しい問題である。
現実は、世の中、何事も、すべての人に利益があって、メリットばかりがあってというわけにはいかないものだからである。片方でもうかる人がいれば必ず片方で損するやつがいる。たとえ社会主義社会でもこれはやっぱりそうなのだと思うが、資本主義社会ならむしろそれが当然のことであるとも言える。
早い話、自民党が進める無駄な公共事業・・というのにしたって、その公共事業、たとえばダム建設の工事に携わることによって給料をもらい、生活の糧を得ている人だっているのかもしれない。もしかしたら、その工事をやめてしまうと、失業してしまう人がいるかもしれないのだ。
無駄な公共事業だから削ってしまった場合に、そのように被害を受ける人達がいるのであれば、それには目をつぶってしまって果たしていいのだろうか?

では、どうすればいいのかは僕にも分からない。

ただ、とにかく、もっと議論し合うことは必要であるようには思う。僕はやっぱり諫早湾干拓事業には反対の考えであるので、福田さんの考えとは合わないところもあるわけだけど、それでも福田さんがコメントされている「農業者、漁業者と市民が共存可能な方策が必要」という点に限ってはそうなのかもしれないと思う。片方に利益を得る人ともう片方に損をする人とがいるのであれば、双方がいがみあったりするばかりではなく、話し合い、より最善の選択とは何か?を見い出していくしかないのではないか?と・・。

なんていうか、4年ごとに、政権が変わってさ、これまで利益を得ていた人達が今度は損をする立場になって、そして損していた人達が利益を得るようになって・・という風に変わったとする。単にそれが4年ごとに繰り返される・・というのであれば、それは誰が利益を得る側になるか、自分がそうなるにはどうすればいいのか・・という椅子取り合戦をしているのでしかない・・という風にも言えるかもしれないわけで・・。4年ごとに繰り返しているのが、単に椅子取り合戦で、椅子を順番にまわしているだけだ・・っていうことなのだったら、なんだか、さびしくなってしまうではないか・・。
こんな風に書くと、人間社会っていうのはそういうもんなんだよ、しょせんは資本主義社会っていうのは椅子取り合戦でしかないんだから、いまさら、そんなことをさびしいなんて言っててどうするんだよ・・という風にクールな人(?)には言われちゃうかもしれないんだけれども・・。
それでも僕は、どうしても、単に椅子取り合戦になってしまうのではなくて、利害が一致しない者同士が話し合って、コミュニケーションを取りながら社会を築いて行く道は本当にないんだろうか?とつい考えてしまわないではいられないのである。
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