2010/2/16

菅直人の消費税発言の裏にあるものは・・  時事問題

*菅直人副総理・財務相がテレビで消費税を「ある所得以下の人には還付するやり方もある」と言い出したことにちょっと注目。

(ニュース)
「消費税論議、3月に始める」 税収減で菅財務相
2010年2月15日 JCastニュース
 菅直人副総理・財務相は、2010年2月14日のフジテレビの番組で、消費税の論議を政府税制調査会で3月から始める考えを示した。
 番組では、「所得税、法人税、場合によっては消費税、環境税といった本格的な税制の議論を3月には始める」と述べた。税収が減少していることから、議論を前倒しにすることを明かしたものだ。菅氏は、消費税について「複数税率や、ある所得以下の人には還付するやり方もある」とも話した。
http://www.excite.co.jp/News/society/20100215/JCast_60134.html


*フツーに考えると、消費税を「ある所得以下の人には還付」って、いったい、どうやるんだ!?と思うわけだが・・。
買い物する時、低所得者の人からは消費税をとらないとか、お店で出来るわけがないし、それじゃ、低所得者の人は1年分のレシートをとっておいて、確定申告の時に持って行くとその消費税分を計算して還付してくれるんだろうか・・、まさか、そんな細かいこと出来るわけがないし・・。
菅さん、大丈夫?と思うんだけど、どうも菅氏の頭の中にあるのはそういうことではなくて、首相官邸での経済政策に関する意見交換会で中谷巌氏が提案したという還付付き消費税の導入ということなのではないだろうか。
下記のような案である。

*参考リンク
消費を拡大させる税制
伊藤元重(NIRA理事長、東京大学教授)
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=136&pageStart=0

 還付付き消費税という考え方を知っているだろうか。消費税を多く取っておき、その一部を還付金として国民に戻す制度だそうだ。先日も、首相官邸での経済政策に関する意見交換会で、還付付き消費税の導入を中谷巌氏が提案していた。

 たとえば、消費税を北欧並みの25%にしたとしてみよう。ただ、このうちの5%分、つまり現行の税率分は政府の財政支出の財源に回すとする。そして、残りの20%分の税収は全部還付金として国民に戻すことにする。現在の経済規模だと、消費税1%でおおよそ2.5兆円の税収が入るので、20%分で50兆円の税収が入り、これが全部国民に還付されることになる。50兆円を日本の人口で割ると、1人当たりおよそ40万円という計算になる。4人家族であれば160万円、毎年もらえることになる。

 消費税は25%であっても、4人家族で160万円還付されるとすれば、重税感をあまり感じないのではないだろうか。とくに所得の少ない層にとっては、消費額が少ないので、もともと消費税の負担はそれほど大きいわけではない。それだけ、1人当たり40万円もらえることのメリットは大きくなる。

 なにも、一度消費税で徴収して、それを還付金で戻すような制度にしなくてもよいのではないか、と考える読者もいるだろう。たしかに、ただ税金を徴収して、その多くを還付金で戻すというのは、いかにも二度手間のようにも見える。しかし、還付金の代わりに年金・医療・介護・教育・保育などのかたちで支給したらどうだろうか。

 消費税率は高くするが、その代わり、年金・医療・介護・教育・保育などの分野でのサービスは国民全体に手厚く支給するという制度だ。北欧の制度はこれに近いものだ。この制度には2つの重要なポイントがある。所得の再分配を金銭ではなく社会保障などのかたちで行なっている点、そして税負担を所得税ではなく消費税で行なっている点だ。

 まず所得再分配から見てみよう。これまでの日本は所得税などの累進体系で所得格差を是正しようとしてきた。しかし、累進税体系によって所得の再分配を行なうことにはいろいろな問題があることが指摘されている。

 国から所得の再分配を受ける立場にある人にとっても、金銭で支援を受けるよりも、国民生活のベーシックなサービスで支援を受けたほうがよいという面がある。金持ちであろうと貧しかろうと一定の年金や介護が保障されており、教育や保育などのサービスも無料に近い低料金で享受できるのだ。教育や医療などの生活の基本が低料金で享受できることは、社会の安定のうえでも重要な意味をもつはずだ。国民が過度の不安感をもつこともないだろう。「国民全員がある一定の必要なサービスを受けられる」ということが、社会にとっては重要な公共財となるのだ。

 次に、消費税で徴収するという点についても述べておきたい。なぜ法人税や個人所得税ではなく消費税なのか。これは税制の専門家などによって議論し尽くされているテーマである。ここで詳しい学問的な論議に入り込むつもりはないが、薄く広く国民全体から取る消費税というのは、経済全体の活動へのマイナスの影響を相対的に少なく抑え込みながら大きな税収を稼ぐうえで大変に優れた仕組みであるのだ。老いも若きも、都市部でも地方でも、とにかく消費活動を行なう人からはすべて税を徴収することができるのだ。

 また、法人税や個人所得税は税率をあまりに高くすると、企業や富裕層は海外に逃げてしまう。しかし消費税であれば、そうした弊害は相対的に小さい。そして、欧州ではすでに20%前後という高い消費税を導入している。

 法人税や個人所得税についてはいろいろな国で税率の引き下げ競争のようなことが起きているが、消費税では税率引き下げ競争ではなく、引き上げの動きが顕著なのだ。それだけ消費税が優れた税制だと多くの国が認めていることになる。

この欄で、以前、日本の国民、とくに中高年は将来に対して不安を感じていて、必要以上に多くの金融資産をため込みすぎているという指摘を行なった。この過剰な貯蓄こそ内需不足をもたらしており、景気低迷の原因となっている。

 日本社会に持続的な活力を持ち込むためには、ここで取り上げたような仕掛けを使って社会の姿を抜本的に変える必要がある。そう考えている人は多いはずだ。生活の基本的条件が保障されていれば、国民ももっと消費を拡大しようとするはずだ。

 日本社会はいま、大きな転換期にある。いまの世界的金融危機を抜けて5年ぐらいあとになってみると、日本の社会や経済はこれまでとは違った風景になっているだろう。その風景が好ましいものになっているのか、それとも悲惨なものとなっているのかは、これから私たち国民がどのような選択をするのかに懸かっている。

 私は、消費税の問題がそのなかで重要な位置にあると考えている。ともすると、消費税問題は財源確保や財政健全化という観点から論議されることが多い。そのような観点も重要ではあるが、それだけでは、いまの仕組みの延長線上で財政バランスのための消費税論議という狭い範囲に押し込められてしまう。

 いま、消費税論議として取り上げられなくてはならないのは、消費税を通じて社会の在り方そのものを考えることである。少子高齢化が進み、人口が減少していくなかで、日本の社会の活力をどのように維持していくのか。その答えは、これまでの仕組みの延長線上にはないのかもしれない。


*下記の社民党のサイトにも、中谷巌氏のインタビューが・・。

(引用)
「―しかし、消費税の税率アップは、低所得層の人々にとっては特に大きな負担増になります。
中谷 そのとおりです。そこで私は「還付金付き消費税」方式を提案しているのです。消費税を一律20%にする代わりに、年収1000万円以下の世帯には年間40万円を還付する。これだと、年間消費が200万円の世帯は、差し引き消費税がゼロということになります。200万円未満の世帯は還付金が消費税額を上回るので、貧困層の所得をかさ上げすることができます。」

http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/other/0903_economy.htm


*うーむむむ、これって・・。
 菅直人氏がこういうことを言い出したのは中谷先生の話を聞いたからなのではないだろうかと思うのだが、テレビで堂々と発言しているのだから、どうも本気で民主党はこの案を考えているのかなと・・。
 しかし、この案は実際のところ、どうなんだろうか?
 たしかに「4人家族で160万円還付」というのであれば、消費税を25%にしても「重税感をあまり感じない」かもしれない。
 しかし、独身の低所得者層だったら、40万円、還付されても、消費税を25%にされるほうが痛いのではないだろうか?
 本当に低所得者層に還付ということになるんだろうか?
 ちょっとよくよく考えてみないとよく分からないな・・。
 しかし、とにかく副総理・財務相の人が言い出している以上は、実現性がないとは言えないわけだから、これは考えておかないといけないのかもしれない。
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