2011/3/31

放射能、放射線の人体への影響についてちょっと整理してみました  原爆・原発問題

放射能、放射線がどのぐらいの値で人の健康に影響を与えるのかについて、いろいろな意見が出ていて、このブログで参照しているものでもいろいろと違いがあるようですが、これは専門の研究者の間でも見解に違いがあるということもあるようです。
ちょっと僕なりに整理して、まとめてみました。

たとえばテレビで「50ミリシーベルトまでなら放射線を浴びても影響はなく安全です」というようなことを言う専門家がいますが、この場合、「ここまでは安全」というしきい値があり、それ以下の低線量被曝であれば、たとえば1ミリシーベルトだったらひとりもガンにならない、だから安全と言う人と、1ミリシーベルトでもたとえば1万人中1人程度はガンになるかもしれないが、1万人中1人程度だったら日常的に、たとえばタバコを吸ったりすることのほうが危険であり、問題にする値ではない、という意味で安全と言っている人との両方がいるようです。
分類してみます。

(1)「ここまでは安全」というしきい値があり、低線量被曝だったらまったく問題はないと考える研究者

これは、人間の体には快復力があるので、低線量被曝だったら、風邪を治すように、しばらく正常な放射線量のところにいれば快復できるという考え方のようです。
NHKの解説者などはこうした考えで、低線量被曝はまったく安心と言っているのではないかと思います。

ちなみに、武田邦彦氏は、氏のサイトで、放射線量の累積を計算に入れていない点など、今回の原発事故に対する政府の対策に批判的な発言を続けていますが、放射能を浴びても低線量だったら風邪のように快復できるという点は基本的な考え方として書いています。武田氏は放射能を浴びても快復できるとは考えているようです。

この考え方では、たとえば原爆被爆者で1ミリシーベルト浴びた人が何十年か後にガンになった場合は、それは放射能の影響によるものではなく、放射能の被害はすでに快復しているのだが、たとえばタバコとか、他の要因でガンになったのだと説明しているようです。

また、低線量被曝は安全と主張されている人の中には、近藤宗平氏のように、低線量被曝の場合は単に安全なだけではなく、むしろ低線量被曝だったら、たとえばラドン温泉のように、健康にいいと主張する人もいます。


(2)しきい値はなく、放射線量が増えるに連れて確率的にガンになる人の確率が増えて行くと考える研究者

以前にこのブログでも紹介した、崎山比早子氏の文章に次のようにありました。

>実は1ミリシーベルトを浴びると、数年から10数年後に1万人中1人が「晩発障害」、つまりがんになることは明らかになっている。このリスクは2ミリならば2人、10ミリならば10人と、放射線量の上昇に正比例して高まる。これは、放射線の専門家による「国際放射線防護委員会(ICRP)」の見解で、世界では常識であることをぜひ知ってほしい。

これは国際放射線防護委員会(ICRP)の見解のようです。
こうした見解に基づき、1万人中1人程度だったら、たとえばタバコを吸ったりすることのほうが危険であり、問題にする値ではないと考える人もいるようです。つまり、低線量被曝でも健康に影響があることをある程度、認めた場合でも、1ミリシーベルトならガンの発生率はごくわずかなので、だから問題にすることはないという意味で安全派の主張をされているわけです。
以前にこのブログでも紹介したように、「ガンになる人は100ミリ・シーベルトで1%以下。日本人は2人に1人はガンで死ぬから、100万のうち、50万人が51万人に増える程度。増えてもたいしたことではない」と主張する人がいますが、その人などはこういう論理だと思います。

それに対し、崎山比早子氏の場合は、1万人に1人でも、発生する可能性があるのなら、問題にするべきという考えのようですが。なので、崎山氏は安全派ではありません。

また、以前にこのブログで紹介した、福島民医連の齋藤紀医師の場合は、政府寄りの医者ではまったくないと思いますが、こうした見解に添い、原爆被爆者との連帯という考え方を述べておられるのだと思います。

そして、この点は研究者の間でも意見が分かれることなのかもしれませんが、低線量被曝だったら、風邪を治すように快復できるということに、疑問を持つ(快復することは出来ないと考える)人もいるようです。そのように主張すると、自然界からでもある程度、人間は放射線を浴びているではないか、快復できないことはないのではないかという反論があるようですが、それに対して、自然界から浴びる放射線と、人工によってつくられた、自然界に存在しなかった放射線を浴びる場合とでは同じ放射線量だったとしても影響が違うのだと再反論する人もいるようです。(この「それに対して、」以下の箇所、訂正しました→ 自然界の放射性物質から放射線を浴びる場合と、人工によってつくられた、自然界に存在しなかった放射性物質から放射線を浴びる場合とでは同じ放射線量を出す放射性物質だったとしても影響が違うのだと再反論する人もいるようです。)

ちなみに、日本政府の見解は、1と2の中間ぐらいなのではないかと思います。
日本政府の見解によると、原爆被爆者で、はっきりとガンの発生率が増えていると認められるのは、50ミリシーベルトぐらいかららしく、だからそれ以下だと、放射能の影響ではなく、他の要因によるところが大きいのではないかと考えているようです。
しかし、実際に原爆被爆者を国がどうあつかっているのかと言うと、これは原爆症認定訴訟で原告が勝訴してきた結果なのでしょうが、国は2008年度から審査の方針を改め、1ミリシーベルトを浴びて癌を発症した人は原爆放射線の影響が否定できないとして原爆症と認定するようになりました。この基準で新たに原爆症と認め、公費で治療し、13万円の医療特別手当を支給している人もいるそうです。
とすると、国は低線量被曝を全面的に否定しているわけではなく、1ミリシーベルトを浴びて癌を発症した人が原爆放射線の影響によるものであることも否定できないので(他の要因である可能性もあるにしろ)、法的には補償しますという見解なのでしょうか。

そして、この1と2とはまた別に、以下の3のように考える人もいるようです。

(3)外部被曝と内部被曝ではそもそも被曝のメカニズムが違い、低線量被曝であっても国際放射線防護委員会(ICRP)の見解よりも危険なのではないかと考えている研究者

カナダのペトカウ、アメリカのスリーマイル島原発事故などの研究者のスターングラス、肥田舜太郎氏、矢ヶ崎克馬氏などです。

低線量被曝、内部被曝の危険性を、外部被曝とは違う構造で起こっているものとして、訴えています。

また、ペトカウが発見したのが、「ペトカウ効果」と言われるもので、これは、長時間、低線量被曝を浴びる方が、高線量被曝を瞬間に浴びるよりもたやすく細胞膜を破壊するというものです。つまり、低線量のほうが、むしろ、深刻な影響を与えることがあるということです。
以前にこのブログでスイス国際放送の記事について指摘した、原爆被爆者と原発被曝者との違いはこの点で注目されます。

しかし、ペトカウ、スターングラス、肥田舜太郎氏、矢ヶ崎克馬氏らの研究は、日本でも海外でも他の研究者から批判も多く、現在のところ、研究者の人達の間でも異端な考え方のようです。
1

2011/3/31

飯舘村に避難勧告を、IAEAが促す  原爆・原発問題

*日本政府がどのように対応するのか、注目されます。

(ニュース)
☆飯舘村に避難勧告を=IAEA (時事通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110331-00000008-jij-int

国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は30日、ウィーンの本部で記者会見し、事故を起こした福島第1原発の北西約40キロにあり、避難地域に指定されていない福島県飯舘村について、高い濃度の放射性物質が検出されたとして、住民に避難を勧告するよう日本政府に促した。

同事務次長は「飯舘村の放射性物質はIAEAの避難基準を上回っている」と指摘。日本側からは調査を開始したとの連絡があったことを明らかにした。
0

2011/3/31

ガンバレ、人類!!  原爆・原発問題

*以前に紹介した、齋藤紀 医師の「正確に学ぶ放射線・人体への影響」に次のように書かれていた。

http://www.fuku-min.org/fmir/2011/03/post_1.html

「ということは、3桁や4桁の違いを乗り越えて被爆者は生き抜いてきたということなんです。もちろんそこには生きるという意志があったから生き抜いてきたんですけど、もっと冷静に考えると、医学的問題、身体がそれに耐えられるのかということを考えながら、彼らは多くのなくなった方をかかえて半世紀生き延びてきたんです。我々はマイクロシーベルトの事態です。ですからヒロシマ・ナガサキの被爆者から見たならば論外の桁です。何を右往左往しているのかという気持ちがあるのかもしれません。
私は、今放送終わってきてスタッフと雑談した中で、今日示した数字は被爆者がこの半世紀の中で死をとして蓄積したデータなんです。ある意味で言うと。そのデータをやっと被爆者以外の国民のために活用している、あるいは活用しようとしているんです。そういった意味では、ヒロシマ・ナガサキの被爆者と連帯ができつつある。あの数字は死亡率なので、つまり、他界された死者との連帯が思いもよらなかった形でここにあります。また、鼓舞することになっている。そういう基本的なところを我々はつかんで対処しないとならないと思うんです。」


*この言葉こそ、いま、我々が噛み締めるべきものなのかもしれないと思う。
「ガンバレ、ニッポン」なんて言うんだったら、我々はここに帰るべきなのではないか?
1

2011/3/31

千葉県、一週間も水道水、基準値超えを隠す  原爆・原発問題

*怒るとかいうより、後でかえって問題になるだけなのに、なぜこのようなことを千葉県の人がされたのか、意図が分からない。


(ニュース)
東日本大震災:放射性ヨウ素、22日採取分370ベクレル−−八千代・水道水 /千葉
毎日新聞
0

2011/3/30

科学者による原発事故の解説  原爆・原発問題

日本科学者会議のサイトから。参考になります。

福島原発問題について(科学者の眼)――科学者による原発事故の解説
http://www.jsa.gr.jp/pukiwiki/index.php?%CA%A1%C5%E7%B8%B6%C8%AF%CC%E4%C2%EA%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6
1

2011/3/29

正確に学ぶ放射線・人体への影響  原爆・原発問題

福島民医連のHPに、齋藤紀(医療生協わたり病院)医師の「正確に学ぶ放射線・人体への影響」がアップされていました。参考になります。

http://www.fuku-min.org/fmir/2011/03/post_1.html
0

2011/3/29

ヨウ素剤Q&A  原爆・原発問題

*プルトニウム検出されたようですね。これは間違いではないですよね。
それほど、危険なものではないという武田邦彦氏説を信じたい・・。

ヨウ素剤について、崎山比早子さんらがまとめたものがありました。参考になります。
http://www.nuketext.org/manual.html
0

2011/3/29

えらい!  原爆・原発問題

知り合いで、ボランティアで南相馬市に行くと、本当に行ってしまった人がいます。
えらいなー、凄いな−とほとほと感心。
0

2011/3/28

原爆より原発の方が遺伝子に影響があるのだろうか?  原爆・原発問題

*ところで、前記事で引用した、スイス国際放送の記事で、マルティン・ヴァルター氏が、以下のように答えている箇所がちょっと気になっている。

「swissinfo.ch : 原爆を経験した唯一の国である日本が今また大規模な原発事故に見舞われているというのはある意味ひどい皮肉のようです。当時の医療的な経験は今回の役に立ちますか。
ヴァルター : それはないだろう。当時は特別な治療を施すことがまったくできなかった。その上、被曝の影響は異なる。広島と長崎で被曝した父親を持つ子どもたちとチェルノブイリで被曝した父親を持つ子どもたちをイスラエルの研究者たちが調査した。その結果、父親が原爆で被曝した後に生まれた子どもたちには遺伝子の変異がまったく見られなかったことが分かった。

それに対し、チェルノブイリの事故後に解体作業者として入った父親から被曝後に生まれた子どもたちには一定の割合の遺伝子 ( ミニサテライトDNA ) に相当数の変異が見られた。遺伝的な視点で見ると、今回の福島第一原発の事故は深刻なケースだ。」

*つまり、このマルティン・ヴァルターの話によると、原爆の場合は遺伝子への影響は見られなかったのだが、原発の放射能の場合はそういうことがあるのだということなのである。
これは、何か、原爆の場合と原発の場合で違いがあるのだろうか?
原発からの放射能の方がより遺伝子に影響するという何か、科学的な理由があるのだろうか?
それとも、たまたま「イスラエルの研究者たちが調査」した範囲でそのような結果だったということなのか?
気になる記事である。

0

2011/3/28

松本市長、菅谷昭氏の発言、その他  原爆・原発問題

*チェルノブイリで5年間、医療活動に従事した松本市長、菅谷昭氏がテレビ朝日やTBSの番組に出演して、早期ヨウ素剤の服用の必要性を主張されている。チェルノブイリ事故では、ポーランドはすぐに子どもたちにのませたため、放射性ヨウ素による甲状腺ガンがゼロだったとのこと。実際にチェルノブイリで医療活動をされてきた方の発言だけに説得力を感じる。政府も検討して欲しいと思う。
なお、菅谷昭氏が言われるように、ヨウ素剤は放射性物質のヨウ素を取り込んでから飲むのではなく、取り込む前に飲まないといけないようです。

下記のようなニュースがあったが、放射線、放射能については、そもそも実験するわけにもいかないことであり、実はいろいろと科学的にも分っていないことが多いのではないかと思う。


(ニュース)
原発事故「最も憂慮すべきは遺伝子変異」
(スイス国際放送)

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29799892

原発事故「最も憂慮すべきは遺伝子変異」

キャプション: 2006年、ウクライナの病気の子どもたち。1986年に起きたチェルノブイリ原発事故は子どもたちに一生影響を及ぼす (Keystone)関連記事
福島第一原発事故、安定ヨウ素剤の勝手な服用は危険
スイスの救援チーム「後ろ髪を引かれながら」日本を後に
プレス・レビュー、地震の大災害に次いで放射能被曝の恐怖
レナート・キュンツィ, swissinfo.ch

福島第一原発では今もなお予断を許さない状況が続いている。今後日本のみならず世界中でがんのリスクが増すと考えられる。しかし、それ以上に深刻な問題は世代を越えた遺伝的な損傷だという。

マルティン・ヴァルター氏 ( 66歳 ) はソロトゥルン州グレンヒェン ( Grenchen ) の内科開業医だ。1991年に1カ月間ウクライナの病院で働いた経験も持つ。

また1988年から2年間、核戦争防止国際医師会議スイス支部 ( PSR/IPPNW Schweiz ) の支部長を務め、「核を使わない電力 ( SoA ) 」運動や原発建設に猶予期間を求める運動などの委員会で中心的な役割を果たした。この原発建設の猶予期間については、1990年秋の国民投票で認可されている。

swissinfo.ch : 東京電力さらには日本政府の不十分な情報開示に対し批判の声が高まっています。正確な情報が伝えられないことで日本国民の命が危険にさらされているということはありますか。
ヴァルター : それはない。急性被曝は免れている。少なくともこれまでのところ ( 17日現在 ) 原子力発電所の敷地外では放射線量がさほど多くなく、急性被曝には至らない。北半球の住人が急性被曝で死亡することはない。しかし、原発内で原子炉の冷却作業をしている作業員たちを取り巻く環境は別だ。どうか線量計を装着していてほしい。

ただ、情報伝達が不十分だったり危険を軽視したりすると大きな誤りを犯すことになる。吸収線量と人体への影響は正比例の関係にあるからだ。つまり、心配のいらない吸収線量というものはない。わずかな摂取でもがんを引き起こし、乳がんや大腸がんなどから死に至ることもある。

今後日本では確実にがん死亡率が高まるだろう。たとえ完全な炉心溶融に至らなかったとしてもだ。

swissinfo.ch : 専門家によれば3月17日と18日の2日間が原子炉冷却の鍵を握る最後のチャンスとされ、成功しなければ炉心溶融が決定的になるとのことでした。世界が日本に対して抱く不安は当然のものですか。
ヴァルター : 当然だ。先述したがんの増加を恐れてのことだ。例えば、チェルノブイリでも急性被曝で死亡した人は多くなかったが、事故後にがんで多くの人たちが亡くなった。

しかし、がんのリスクの増加以上にもっと深刻な問題は遺伝子への影響だ。それも世代を越えた影響だ。最新の研究では、少量の吸収線量でも継代的な影響がありうることが分かっている。

イギリスにあるセラフィールド ( Sellafield ) の使用済核燃料の再処理工場に勤務する人たちの子どもには白血病のリスクが高い。これは父親の吸収線量と関係があり、子どもたち自身は放射線にさらされていない。原発事故だけでなくこうした通常の場合でも、人間ならび動植物の遺伝子に損傷が発生する。こうした事実を知った上で、あえて原子力に頼るかどうかはむしろ倫理的な問題だ。

swissinfo.ch : 放射能汚染では放射性同位体のヨウ素131、セシウム137、キセノン133、クリプトン85ならびにストロンチウム、プルトニウム239が漏出します。どれも危険ですが、特に危険なものはどれですか。
ヴァルター : まず、危険度は半減期によって変わってくる。ヨウ素は8日間でほぼゼロになる。つまり、スイスの子どもたちにヨウ素剤を与えても意味がないと言える。さらに大人が服用すると逆効果になりかねない。

セシウムの半減期は30年なのでセシウム汚染は日本からスイスにまで行き渡るが、スイスでの危険度はごくわずかだ。セシウムはカリウムのように体内で代謝されるため、一回限りの摂取なら数カ月後にはなくなる。

ストロンチウムは体内に蓄積され、死ぬまで残る。ここでも人体への影響は半減期に左右される。ストロンチウムはカルシウムのように骨に蓄積されるため消えることはなく、骨髄は絶えずβ線の影響を受けることになる。子どもの骨髄は脂肪が少ないため、のちのち白血病になるリスクが大人よりも高い。

プルトニウムは一度体内に入ったら決して消えない。ごく微量の摂取でもがんを引き起こす。

swissinfo.ch : チェルノブイリの場合、子どもへの医療行為はどの程度可能でしたか。
ヴァルター : 普通なら子どもが甲状腺がんにかかることはない。事故前のウクライナでは住民5000万人に対し年間3人ほどだった。しかし、事故後1500人の子どもが甲状腺がんを患った。4000人という話もある。

それまでこうしたことはなかった。これはヨウ素131の影響だった。もし事故直後に政府が子どもたちに安定ヨウ素剤を与えていれば避けられただろう。当時の子どもたちに急性被曝があったとは思えない。

セシウムに関しては、ウクライナでは大人も子どもも食品から摂取している。それは今も変わらない。これに対してはりんごペクチン剤が服用されている。りんごペクチンは体内のセシウムの量を減らし、継続的なセシウムの摂取に対しても有効に働く。

swissinfo.ch : 原爆を経験した唯一の国である日本が今また大規模な原発事故に見舞われているというのはある意味ひどい皮肉のようです。当時の医療的な経験は今回の役に立ちますか。
ヴァルター : それはないだろう。当時は特別な治療を施すことがまったくできなかった。その上、被曝の影響は異なる。広島と長崎で被曝した父親を持つ子どもたちとチェルノブイリで被曝した父親を持つ子どもたちをイスラエルの研究者たちが調査した。その結果、父親が原爆で被曝した後に生まれた子どもたちには遺伝子の変異がまったく見られなかったことが分かった。

それに対し、チェルノブイリの事故後に解体作業者として入った父親から被曝後に生まれた子どもたちには一定の割合の遺伝子 ( ミニサテライトDNA ) に相当数の変異が見られた。遺伝的な視点で見ると、今回の福島第一原発の事故は深刻なケースだ。

レナート・キュンツィ, swissinfo.ch
( 独語からの翻訳・編集 中村友紀 )
(ニュース引用、ここまで)


*低線量被曝、内部被曝の実際のところも分かっていないのかもしれない。
内部被曝については以下のような研究もあります。

琉球大学 矢ヶ崎克馬氏の論文
http://www.cadu-jp.org/data/yagasaki-file01.pdf


*また、プルトニウムの危険性については、武田邦彦氏のサイトなどは過去の事故の例をひき、言われている程、危険ではないのではないかと指摘されている。他に参照するデータもないようなので武田氏の意見も参考にしなければならないが、ただこうした事故の場合、突発的に起こったものであり、実際にどれだけプルトニウムが被害者に摂取されたのかなど、正確に分からないところもあるのではないか・・とも思う。
7

2011/3/27

ロシアの科学者 福島原発を懸念  原爆・原発問題

*具体的な数字が書かれていて、分かりやすい記事がありました。

(ニュース)
「放射能被害を過小評価」 ロシアの科学者 福島原発を懸念
2011年3月27日 00:10 カテゴリー:アジア・世界
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233873

 旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者アレクセイ・ヤブロコフ博士が25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。博士の発言要旨は次の通り。

 チェルノブイリ事故の放射性降下物は計約5千万キュリーだが、福島第1原発は今のところ私の知る限り約200万キュリーで格段に少ない。チェルノブイリは爆発とともに何日も核燃料が燃え続けたが、福島ではそういう事態はなく状況は明らかに違う。

 だが、福島第1はチェルノブイリより人口密集地に位置し、200キロの距離に人口3千万人の巨大首都圏がある。さらに、福島第1の3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電だ。もしここからプルトニウムが大量に放出される事態となれば、極めて甚大な被害が生じる。除去は不可能で、人が住めない土地が生まれる。それを大変懸念している。

 チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。

 セシウムやプルトニウムなどは年に1−3センチずつ土壌に入り込み、食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出する。例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルだった。そういう事実を知るべきだ。

 日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。直ちにではないが、影響はあるということだからだ。

=2011/03/27付 西日本新聞朝刊=


(関連リンク)
*極めて悲観的な情報ばかり、すみません。
下記の田中三彦氏の推測。

http://yummyseaweed.seesaa.net/article/192673226.html


*3/24 崎山比早子氏(元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士)が被曝、放射線について会見
http://www.ustream.tv/recorded/13531234

スピーディーメーターという高価な放射線地域と汚染量をシュミレーションできるすぐれものの装置があるので、前もって警告を住民にしらせることができるのだが、震災後、1週間か10日もたってからその装置を使っている。

すでに法律で決められた100ミリシーベルトの汚染地域ではすべての住民にヨウ素剤を配布される手はずになっていて、ヨウ素剤の備蓄もあるが未だに配られていない。

この100ミリシーベルトの基準は放射能汚染で健康被害をうけやすい子供も大人も一律というのがおかしい。フランスやドイツでは原発の5キロ以内のすべての家庭にヨウ素剤が配られ事故があったときのために備蓄されている。

ヨウ素剤の副作用がでるかもしれないが、副作用が出た時点で服用をやめれば健康に支障はない。放射能物質に対して唯一予防ができるのが、放射線ヨウ素である。
0

2011/3/26

『食卓の肖像』、3月26日の上映会は終了  映画

『食卓の肖像』、3月26日(土)の東京(荻窪)、「かふぇ&ほーる with遊」での上映会は終了しました。来場された皆様、有難うございました。

次回は、4月9日(土)大阪上映、4月10日(日)京都上映です。

また、東京(荻窪)、「かふぇ&ほーる with遊」では、4月27日(水)、5月28日(土)に上映します。
よろしくお願いいたします。
0

2011/3/24

どうすればいいのか・・  原爆・原発問題

*昨日、会った人が、南相馬市の人で知り合いがいるのだけど、連絡がとれなくて心配していると言ってました。
下記のような記事に、本当にどうしたらいいのか、呆然としてしまいます。

(ニュース)
届かぬ食材、閉まる店…福島・南相馬、深刻な食料不足
http://www.asahi.com/national/update/0323/TKY201103230384.html

2011年3月23日20時1分

津波の被害があった福島県南相馬市鹿島区の海岸には、人影も無く、犬がさまよっていた=23日午後5時22分、金子淳撮影
営業を再開したスーパーでは、レジ待ちの長い列ができた=23日、福島県いわき市、富田写す

 福島第一原発の北にある福島県南相馬市。放射能を恐れる人が次々と街を離れた。人口7万人の市に、残るのは2万人。物資の輸送が滞り、各世帯の食料は尽きかけている。市の関係者は漏らす。

 「このままでは餓死する人が出かねない」

 「避難した人も不安、残った人も不安だよ」。同市鹿島地区の農家鈴木浩さん(65)は語る。原発の半径20〜30キロ圏に一部がかかる1万1千人の同地区。残っているのは1300人ほどという。

 近隣の店も閉まり、食材は隣の相馬市まで車で20〜30分かけて買いに行く。走行距離は平均40〜50キロ。食事は自分の家で作った米と缶詰、ソーセージなどが多い。

 もうすぐ種まきの時期だ。「でも、誰も買わないなら作っても意味がない。どうやって暮らしていけばいいか」

 人口7万人の同市は、避難指示の半径20キロ圏▽屋内退避の20〜30キロ圏▽何も指示のない30キロ超の区域――の三つに分断された。市は、避難指示の地区以外も含め、希望する住民を新潟県、群馬県、長野県などにバスで送り出した。

 「国には30キロ圏まで避難を指示してほしかった」。桜井勝延市長は残念がる。「屋内退避」という政府の判断が市民の放射線への不安を助長した。「言葉が独り歩きして『南相馬市は危ないのではないか』と思われてしまった」

 ガソリンのタンクローリーの運転手が南相馬市のはるか手前で乗り入れを拒んだため、市は大型免許を持つ職員や市民に取りに行かせた。食料品などの生活用品が届かず、スーパーやコンビニが次々と営業をやめ、市全体が深刻な物資不足に陥った。市の関係者は「各家庭の食べ物は底をつきはじめていると思う」と話す。相馬市の相馬総合卸売市場を貸し切って、運送業者が24時間常駐し南相馬市内への食料供給に対応している。ここが命綱だが、届く食料は先細りだ。

 南相馬市立総合病院の金澤幸夫院長は、急患に対応するため、今も病院に残っている。「ここには救急車すら入ってこない。30キロ圏内に入る手前で救急車から自衛隊の車に患者を乗せかえている」と憤る。

 暮らしたくても暮らせない。街は風前のともしびだ。

      ◇

 一部地域が屋内退避の対象となった福島県いわき市では、市民の流出が止まらない。市は人口34万人のうち、すでに5万人超が市外へ避難したとみている。

 23日午前、市内の常磐道いわき中央インターチェンジでは、関東方面へ向かう乗用車が目立った。近くに住む橋本将夫さん(63)は「21日から、ずいぶん車が増えた。みんな逃げてるんだ」。

 橋本さんの家の前には飲み物の自動販売機などがある。高速に入る前に立ち寄るドライバーたちと話してみると、みな「放射能が怖いから避難する」と言う。「特に赤ちゃんがいる人は心配しているよ」

 11日の地震で通行止めになっていた常磐道は、21日からいわき中央インターから関東方面の通行を再開。ガソリンも届き始め、20日から営業を始めたスタンドもある。待望の燃料だが、マイカーの給油を終えると、そのまま県外へ出る人も。東京行きの高速バスでも満席が続く。

 そもそも市域の大半は原発から30〜50キロ圏におさまる。市内の大気中の放射線量も一時高まったが、17日以降は比較的低い水準で推移している。それでも、市は15日、国が20〜30キロ圏に屋内退避を指示した際、広報車や地元FM局を通じて市全域に「外出自粛」を呼びかけた。

 鈴木英司副市長(59)は「15日は雨。放射線がどう影響するか分からないなか、原発から30キロ圏の内と外で対応を変えれば、市民が混乱すると考えた」と説明する。

 しかし、市民の受け止め方は違った。「国の指示なら『安全圏』なのに、市は危険だと言わんばかり。一体どっちなんだ」。原発から40キロ付近に住む会社役員の男性(64)は怒る。「市の全体が危ないという話が広まった。市民が逃げるような街に物資を届ける人なんかいない」

 関東方面から燃料や食料を運ぶ運送会社の中には、途中の福島県郡山市までしか運ばない業者も増えた。市職員や消防隊員が郡山まで荷物を取りに行ったが、ガソリン不足で回数は限られた。

 市内はまだ6割の世帯で断水中。「20キロ圏内の住民が私たちの目の前を通って逃げていった。市内には食べ物も水もない。市が『大丈夫です』と言っても説得力がない」。市職員はため息をついた。

 ここ数日、徐々に物資が届き始めた。時間限定で営業を再開したスーパーでは、パンや弁当を確保しようと長い列ができた。鈴木副市長は「市全域に外出自粛を呼びかけたのは大げさすぎたかもしれない。だが、国の指示がそもそも中途半端だった」と言う。

      ◇

 一部が屋内退避圏にかかる福島県飯舘村。人口6100人の村には今、ほぼ半数の3200人しか残っていない。

 村内では原発事故以降、大気中や栽培するブロッコリーから高めの放射線量や高濃度の放射性物質を検出。23日には、文部科学省が村内の土壌からも高濃度の放射性物質・セシウムを検出したと発表した。

 菅野典雄村長は訴える。「なぜこうなったのか、村はどうすればいいのか。国から全く示されず困っている」

 村内で不安が高まったのは18日。大気中の放射線量がテレビなどで放送され、時には原発により近い地域よりも高い数値を示した。住民から不安を訴える声が相次いだ。

 「どうして今まで隠していたのか」「早く村の外に逃げたい」……。村の幹部会はこの日、「大規模な避難もやむを得ない」として希望者が離村する際の支援策を決めた。

 希望する村民と避難指示地域などから村内に退避していた人ら計314人が19日、バスで栃木県鹿沼市に到着。20日にも195人が同市へ逃れた。マイカーで避難する住民にも、20リットル分のガソリンを優先的に給油できるチケットを配布。村に4カ所あった避難所はすべて閉鎖した。

 村から鹿沼市に避難した高橋薫さん(40)の一家は、家族8人のうち夫ら3人が村に残る。「家は井戸水だから震災後も苦労はしなかった。でも、夫に『子どもにこれからどんな症状が出るか分からないから』と言われて出た。いつ帰れるんだろう。残してきた家族が心配です」
0

2011/3/22

放射能への対処法、その他  原爆・原発問題

*昨日、今日と東京でも2日、続けて雨が降りました。以前にもこのブログでリンクした以下の放射能、放射性物質の測定をしているサイトを見てもやはり数値が高くなってきているようです。

文部科学省が公表している全国の放射能濃度のグラフ
http://doko.in/micro/

健康安全研究センター(東京都)
http://www.tokyo-eiken.go.jp/

産業労働局(東京都)
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/

原子力資料情報室(東京都新宿区)での放射能の測定結果
http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1022


*野菜や牛乳、水道水からも放射性物質が検出され、問題になっています。下記のような、放射能と食について答えているサイトがありました。

放射能への対処法(末田一秀)
http://homepage3.nifty.com/ksueda/youso.html

*その他

中部大学、武田邦彦氏のサイト(注目されているようです。)
http://takedanet.com/


京大原子炉実験所、小出裕章氏の講演録
http://stop-kaminoseki.net/shiryo/20110320yanai.pdf
0

2011/3/21

フランスの団体の茨城県産農産物放射能測定結果評価  原爆・原発問題

AERA2011.3.28号の記事によると、国民が知りたいのは放射能が今どちらに飛んで行っているのかの放射能拡散予測結果だと思いますが、このデータはIAEA(国際原子力機関)には詳細報告をしていますが、国民には公開されていないそうです。
せめて、IAEAに報告しているものを国民にも知らせてほしいと思います。

あと、以下のものが知り合いからメールで送られてきたので紹介します。

(以下)
フランスの独立の放射能測定団体CRIIRAD*が、日本で公表された茨城県産農産物の放射能測定結果にもとづく評価を発表しています。以下その仮訳です。

* CRIIRADはチェルノブイリ原発事故の際のフランス政府情報操作に対抗して、独立の立場からの放射能に関する情報を市民に提供することを目的に設立されたNPOです。
環境保護NPOとして国の認定を受けており、ローヌ-アルプ地域圏、ドローム県、イゼール県、アヴィニヨン市など多数の自治体と環境放射能測定や放射能に関する啓発活動、放射線防護などの委託契約を結んでいます。2006-07には仏領ポリネシア政府の要請で、モルロアでのフランス核実験の影響調査を行っています。

CRIIRAD (放射能独立研究情報委員会)

2011年3月20日9時発表

日本における食品の放射能汚染

Contamination radioactive des aliments au Japon

本日3月20日(日)朝、多くのフランスのメディアが、「福島第一原発の近隣市町村産の食品の一部に放射能の痕跡が検出された」との情報を報道しており、汚染は危険のないレベルとみられるとしている。

この情報は間違っている。

食品の分析結果がようやく公表された(ホウレンソウやサラダ菜のような食品は1週間以上前から放射能を受けている)。公表された数値はまだ非常に(あまりにも)部分的なものだが、放射能の強さを知る手がかりになる。

- 非常に高い汚染レベル(これは放射能の「痕跡」というものではない)がホウレンソウから検出された:ヨウ素131が6,100 Bq/kg〜15,020 Bq/kg(平均10,450 Bq/kg)。

- 試料採取地点は福島第一原発近隣の市町村ではなく、茨城県の原発の南約100kmにある7市町村である。

- 5歳の子供の場合、ヨウ素131を10,000 Bq摂取しただけで年間許容量の1 mSvに達してしまう。2歳未満の子供の場合、約5,500 Bq(茨城県産のホウレンソウに含まれる放射能よりもはるかに低い値)で許容線量に達する。

- 汚染された食品(葉もの野菜、牛乳、生チーズなどの危険食品)は、「危険がない」と言えるものではなく、消費しないよう回収すべきである。もちろん、被曝線量は高いものではなく、いますぐ危険というものではなく、福島原発の対策にあたっている作業員たちの被曝レベルに比べればはるかに低い。しかし、だからといって防護対策が必要ないことにはならない。汚染食品の摂取による汚染の上に、放射性のガスエアロゾルの吸入、原発からの放出物や地面に堆積した放射能による被曝も加わるからだ。

*原文はこちら:
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon/communique2003_japon.html
3



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ