2014/3/3

立教大学で『食卓の肖像』上映&カネミ油症講演会  公害・薬害・環境・医療問題

2014年3月1日、立教大学池袋キャンパスで開催された同時代史学会と立教大学共生社会研究センター共催の『食卓の肖像』上映、およびカネミ油症の講演会は、40名ほどの参加で、なかなか充実した内容だった。
『食卓の肖像』上映の後、カネミ油症の研究者の宇田和子さんが講演されたが、宇田さんは、私の『食卓の肖像』を社会学的に分析、従来の被害論のものとは少し、異なり、生活史的アプローチに通じる視点のものとして評価するところから話をはじめ、カネミ油症の補償問題について、じっくりとお話された。
宇田さんは、カネミ油症について、食品衛生法の対象の食中毒とも、公害関連法を適用する公害とも異なる「食品公害」であったために、補償の面で法制度的空白にあり、補償されてこなかったことを説明されていた。そして、宇田さんは、食中毒とも公害とも異なる、「食品公害」という問題認識に基づいた法的・政策的対処の必要性を話され、提言されていた。
宇田さんの講演の後、会場から質疑を私と宇田さんが受けるディスカッションが行われ、とにかく、いろいろな方面の研究者の方々が来場されていたようで、次々といろいろな質問が出て、カネミ油症について多方面から討議する内容のものとなった。
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2014/3/3

堀内良彦さん、逝く…  公害・薬害・環境・医療問題

堀内良彦さんが2月25日に亡くなられたそうだ。ご冥福をお祈りしたい。

堀内さんは、血友病患者で、薬害エイズの被害者である。
自らが薬害の被害者という立場から、2011年の福島原発事故の後、特に、放射能の被曝の問題について、多くの集会や会議に参加され、ツイッターでレポートされていた。
僕は、以前、薬害エイズの運動にも関わっていたので、堀内さんのことはそれ以来、知っている。もう20年以上になる?

僕は、あなたは被害者でもないのに、なぜ薬害エイズやカネミ油症の運動をしたり、自主製作で映画をつくったりしているのですか?と聞かれることがある。
当事者でもないのに、なぜ?と…。
なぜだろうか?
はっきりしているのは、被害者の方々からいろいろと教えられているのは、むしろ、僕のほうだということだ。

PS
辺見庸さんの堀内良彦さんの追悼文に「おれたちはカサヴェテスを愛した。」と書いてあって、思わずグッと来てしまった…。

http://yo-hemmi.net/article/389942370.html
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2014/3/3

カネミ油症福岡高裁判決について  公害・薬害・環境・医療問題

2014年2月24日、福岡高裁で出されたカネミ油症の新認定被害者の裁判の判決、あり得ないぐらい、ひどい判決だった。原告の訴えは棄却。事件発生は昭和43年だが、昭和44年12月31日を起算点としてそれから20年たったら除斥、つまり時効だから、原告(カネミ油症被害者)が加害企業を訴える権利は消滅するとの判断。
カネミ油症の被害は、40年以上たった現在も被害者の人たちは様々な症状に苦しんでいて、子や孫にまで症状が出ている。なのに、20年たったら時効とは。たとえば、端的に言って、20年以上後に産まれた次世代の人は産まれる前から加害者を訴える権利が消滅しているということになる。あり得ない。
いま、カネミ油症の裁判をしている原告の人たちの約8割は、2004年に認定基準が一部、修正され、それ以降に認定された人たち。カネミ油症のような公害に除斥期間を適応すること自体、どうかと思うが、仮に適応するとしても、認定された時点を起算点として考えるのが妥当なのではないのか?
また今回のカネミ油症の判決文で驚いたのは、カネミ油症の被害の症状は多様で、まだ全容が解明されていないものなのだが、解明されていないものだからこそ、進行性の疾病であることも証明されていないので、発生当時を除斥期間の起算点にするという内容であったこと。
今回のカネミ油症の福岡高裁の判決は、地裁の判断と大筋で一致するが、地裁の判決文にはなく今回の判決文で新たに加わったことがある。この、カネミ油症の被害の症状は多様で解明されていないものなので、進行性の疾病であることも証明されていないので、発生当時を除斥期間の起算点にするという箇所だ。
カネミ油症の疾病が未解明のものだからこそ、被害者の人たちがいまだに苦しんでいて裁判を起こしたのだ。また、私がカネミ油症のドキュメンタリー『食卓の肖像』で訴えているのもまさにそのことだ。なのに、未解明ということは進行性の疾病であることも証明されていないとこの裁判官は考えているのだ。つまり、カネミ油症は未解明のものなので、進行性の疾病であるとか、晩発性についても証明されていない。なので、裁判の判決においてその点は考慮しないという…。これでは私の映画のような、カネミ油症は未知の、解明されていない被害だという訴えは、なので法的に救済できないということになる…。
実際、今回の福岡高裁のカネミ油症裁判の判決文には、原告側証人、原田正純先生の「カネミ油症における症状の特異性は未だに不明である」という言葉を引用し、これを根拠に、未解明のものなので進行性の疾病であることは証明されていないとし、発生当時を除斥期間の起算点にしている。
原田正純先生の証言を逆手にとって、カネミ油症発生当時を除斥期間の起算点にすることの根拠にしているのである。このような理屈は到底、受け入れることは出来ない。
それにしても、カネミ油症の被害が未解明で、因果関係についても未解明だからこそ、被害者自身もはっきりと把握することが出来ず、訴えるまで時間が必要なのではないか。なのに、カネミ油症が未解明であることを、なので訴えるまで時間が必要という点は考慮しないで、逆に、除斥期間を制限することの根拠にしているとは…。
また、個人的には、原田先生の証言を逆手にとって、このような判決文が書かれているということも、とても悲しい…。
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