2014/11/3

二階堂和美『ジブリと私とかぐや姫』  音楽・演劇

二階堂和美『ジブリと私とかぐや姫』は、アニメーション映画(『かぐや姫の物語』)のサントラとしては破格の傑作CDであるが、中に高畑勲監督と二階堂和美の往復書簡が同封されていて、これがまた凄い。特に凄いのが二階堂和美の高畑監督に対する返信で、妻子ある捨丸が一瞬でも駆け落ちしようとしたところをはじめ、二階堂和美が映画の脚本を読み、女性の立場から動揺した点、どう受け止めればいいのか、逡巡した点を細かく書き連ねていて、映画の女性像に対する痛烈な批判にもなっているように思える。さすがの高畑監督もこれに深く返信すると泥沼にはまるとでも思われたのか、それ以降の返信は、二階堂和美の作曲した歌をほめつつ、さりげなく自分の意見を盛り込むぐらいのことになっている。高畑監督すらもそのような態度にさせた二階堂はさすがであるが、二階堂のさらなる凄さは、こうした批判というか、逡巡した気持ちを抱えながら、その逡巡している気持ち自体を歌にしていることである。ここには、まさに、血みどろになりながら歌をつくり、歌っているかのような生々しさがある。
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