2014/12/5

『娘たちは風に向かって』  映画

昨日、内輪の試写で見た『娘たちは風に向かって』(1972年)。これまたレアな映画だった。大阪・西淀川の被服工場で女子労働者たちが泊り込んで闘った労働争議を素材にしている「争議もの」だけど、争議を続けるか、結婚するかの選択で悩む若い女性たちの葛藤をとらえだしており、争議ものでありながら、若い女性たちの青春ドラマとして娯楽性が高い作品になっている。特に、終盤部、こういうところに話が着地するのかと、思いがけないクライマックスシーンが用意されていた。(具体的にはネタばれになるので書かないが。)こういう味わいの「争議もの」というのもなかなか珍しいなと思った。
宇野重吉監修で民芸の作品なので民芸の役者たちが総出演している。主演の小林千鶴子も民芸の方なのだろうが、映画ではほかに見た記憶がないのだが。日色ともゑが書記長と呼ばれている、いかにも生真面目そうな女性を演じていて、これも好演だった。
若杉光夫監督、井上莞撮影のコンビ(このコンビは何本もの作品を手がけている。)による充実した仕事である。井上莞は、戦前はドキュメンタリーの古典的名作『雪国』『空の少年兵』を撮影した名カメラマンであり、戦後も『警察日記』や『非行少年』から、『太陽にほえろ』などのテレビまで、幅広く撮影された大カメラマンで、実は晩年、私も『サケよ帰れ、ふるさとへ』(浅野辰雄監督)という作品でご一緒に仕事をさせて頂いている。
それから、脚本の今崎暁巳であるが、ネットで検索したら、『日本フィルハーモニー物語 炎の第五楽章』(1981年、神山征二郎監督)の原作・脚本の方であった。争議もののノンフィクションの仕事をずっとされた方のようで、これほど一貫性がある筋が通っている仕事を残した方もあまりいないだろう。
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