2016/10/5

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』  映画

アニメ、もう1本、傑作を見ていた。

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』トム・ムーア監督
この、アイルランド神話をもとにした優れたアニメーション映画は、ジブリ作品、宮崎駿監督作品の影響を受けているようだが、それは絵柄のタッチやユニークなキャラクター造型だけでなく、結局、善と悪の対立といった視点は無効化してしまう物語であることからもうかがえるだろう。
かつて僕は宮崎駿について以下のように書いた。
「宮崎駿は、端的に勧善懲悪、善人対悪人みたいな話に集約されるようには物語を描かない作家です。イーストウッドと同じ。宮崎の場合は、その世界を、 変なキャラクターを出すことで成立させているのです。つまり、妖怪なんだけど、妖怪だから悪とは言えない。
 とにかく、妖怪がユニークで、変なんですね。トトロにしても、カオナシにしても、善悪をそのユニークさでこえている。見てて「変なの、おもしろーい!」と見てしまうから、妖怪は悪い奴ということをこえてしまう。人間(人類)が善で、妖怪が悪といった区分けをこえてしまうわけ。」
このような、宮崎駿的な、キャラクター造型のユニークさで善と悪の概念を踏み越えてしまうということを、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』のトム・ムーア監督 は踏襲していると言えるのだけど、さらに物語の構造上に善と悪の対立の概念を無効化する構造を持ち込んでいる。
端的に言って、『ソング・オブ・ザ・シー』は、人(妖精も含む)は複雑な感情を持っていてめんどうだから、魔法の力で感情がない石にしてしまうという魔法の使い方をしてしまい、それを解き放つという物語なのであるが、結局、これは人間と妖精の対立、善と悪の対立といった概念は無効化されていると言えるのだ。
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2016/10/5

『君の名は。』  映画

ようやく、新海誠監督『君の名は。』を鑑賞。タイムパラドックスの処理の仕方に疑問が残る点はあるものの、新海誠監督の作家性というのか、『ほしのこえ』以来、SFものでありながら携帯など、日常的なアイテムで少年、少女の気分をとらえる遠距離恋愛ものという、やっていることの一貫性はそのままで、今回はスケール大きな話も取り込みエンタメ作品にしてしまったという、作家性はそのままでエンタメとしてスケールアップしてしまったという力量には素直に感嘆するべきなのだろう。亡き、かがみあきらの路線の最上の達成ではあるのだろう。
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