2005/6/22

『ソイナナ』『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』  映画

下北沢トリウッドで25日(土)、26日(日)に上映する『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』にはすでに数々の賛辞が寄せられています。本当に面白そうな作品ですね。

『ソイ ナナ』
私がお勧めします!   映画監督 おもてとしひこ

何よりこの映画の素晴らしさは、並木俊彰が撮影しながら、編集しながら、そして何度も上映して観客の反応を見て再編集を繰り返しながら、その度ごとに「映画」を発見していることです。「映画」を発見することの「驚きと悦びと震え」がDVの画面と音とにそっくり記録されてしまっている。その素晴らしさ。観る者は現実では見たことがあるはずなのに、まるでタイ人の女の子を初めて映画の中で目撃したかのような錯覚に陥らされるのです。その「驚きと悦びと震え」を素直に画面と音から感じ得ないものは、この映画を観る資格はない、と敢えて断言します。本当に『ソイ ナナ』はすばらしい。あられもなく「素晴らしい」と言いたくなる衝動にかられるのです。脱力感あふれるオープニングから笑わされ、やがて情けないサラリーマン・並木が映画を撮り始める。街中でゲットした、いかにもその辺にいそうな日本人の女の子二人の顔。そのなんでもないそのへんにありそうな他愛ない会話。並木の独り言。タイの街。街の人々。ゴーゴーバーの女の子。
何もかも全て現実やテレビで見たことがあるものであるはずなのに、まるで初めて映画の中で目撃し、発見したかのような驚きと悦びをその画面と音から感じられるのです。タクシーの中でキャッキャッとはしゃぐゴーゴーバーから連れ出した二人のタイの女の子達のしゃべりや動きを観ているだけで、言い知れようのない幸福感が画面から溢れ出してくるのです。どうもこれはただ事ではない。私は正直、一映画作家のはしくれとして、嫉妬を感じ得ませんでした。こんな幸福感に溢れた画面を映画を自分は果たして今、撮りえるだろうか。かつてなら撮れたかもしれない。しかし、今の自分には到底、撮りえないその「幸福感」に私は本当に嫉妬してしまいました。ならば私もこの「幸福感」をもう一度、取り戻してみよう。そう私に決意させてくれ、私に大いに刺激を与えてくれた作品だったのです。並木俊彰監督の『ソイ ナナ』は。そして何より真の意味で「映画作家」になった、というより、単純に並木俊彰という新世紀にふさわしい「映画作家」の誕生を素直に喜びたいと本気で思う。ラストの線路を走る並木に私は心底、感動した。まだ世の中では全くの「知らざれる映画作家」である並木のデビュー作『ソイ ナナ』を見逃してはならない。見逃したら、少なくとも、あと数年後に必ず後悔することになるだろう。


『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』
私がお勧めします!  千葉善之 監督
キャメラを廻していたら偶然撮れてしまったというような場面が度々あって物凄く驚かされた。ドキュメンタリーでもフィクションでもないし、それこそその融合なんて代物でもない何か。しかも監督は自ら演じている。どういう頭で撮影しているのだろうか。おそらく並木俊彰は物語をうまく説明しようという気は一つもないし、そういう撮り方を端からしないのだろう。だから本作の主人公は誰と戦っているのか、どうして戦争をしているのかよく分からないし、観ている間ずっとそれを考え続けさせられることになる。それがスリリングで堪らない。全く特異な才能だと思う。


川野里美
なんじゃこりゃ!と思いつつそのプロというより素人に近い映像、ストーリー展開にだんだんと引き込まれ、最後にはおぉーっとこの胸に興奮が湧き上がる。監督自ら、出演しその独自の世界を創出していく。とはいえ劇映画というよりも殆どドキュメンタリーである・・・・・が、しかし出演している監督が真面目にある事件を追求するわけでもなく、社会的な問題を提示する訳でもなく、ただ酔っ払っているか、女といちゃついているしかないのである。そんな映画に感動してしまい、極めて原始的な荒野にわれわれ観客は放り出されるのである。日本映画史にも類を見ないこの監督の登場に敢えて今、スポットライトを当てて見たい。これが『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』を観た私の感想である。

そして今回、新作『LONG TIME NO SEE』が出来たという。この作品において監督は出演をせずに、監督とカメラに専念したという。正直、前の作品ほど期待はしていなかったが・・・・・・・・・・またしても面白かったのである。ここで、『ソイナナ』と『飲ミツヅケマス 勝ツマデハ』が偶然の産物ではなかったことを私は確認した。  
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