2015/1/19

斎藤環氏の堤未果『沈みゆく大国 アメリカ』書評に疑問を感じる  公害・薬害・環境・医療問題

堤未果『沈みゆく大国 アメリカ』について、斎藤環氏が朝日新聞で内容に批判的な書評を書いていると知って、批判的な書評というのはどういうものかと思ってつい読んでみたのだが(だって、書評ってほめるものが多くて、貶す書評って珍しいから逆に興味を感じる)、斎藤氏が言われていることは、堤未果氏のこの本を読んだ私からすると、ちょっと違うのではないかと思った。
斎藤氏は、堤未果氏の著書は、あまりに一方的にオバマケアを批判しているもので、公平さに欠けるといったことを批判されているようだが、もし、堤未果氏が学者で学問的にオバマケアをどう評価するかということでこの本を書かれたのならたしかにそうした客観性を欠いていることは問題があることなのかもしれないと思うのだが、堤未果氏は、学者じゃないし、むしろ、明らかに、日本が世界に誇る国民皆保険制度が崩壊するような事態は回避したい、オバマケアは日本の国民皆保険制度とは全然ちがう、オバマケアを徹底的に批判しなければならないという考えで、この本を書いていると思う。つまり、これは学問的にオバマケアをどう評価するかという本ではなく、政治的な目的のために、一方的に書かれた本なのではないかと思う。むしろ、そこがすがすがしいというのか。それは私だって、読みながら、ここまで一方的にオバマケアを否定しているが本当なのだろうか…とは思いつつ、読んだのだが、なんのために、オバマケアの問題点を列挙して批判しているのか、その目的が明快(日本の国民皆保険制度を守ることを訴えようという)なので、その意味で、著者の主張は実に分かりやすいし、そこがすがすがしくていいなと思ったのだ。つまり、これが学問の書だったらたしかに問題なのかもしれないとは思うんだけど、一方的な主張を述べる政治的な目的のための本という感じなので、この著書はこれはこれでいいのではないかと私には思えるのだが。
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