2005/7/22

アメリカがインドの原子力平和利用に協力を  原爆・原発問題

*インドとパキスタンが共同でイランから天然ガスパイプラインを引く計画にアメリカは反対しているわけですが、同時に原子力利用も認めなかったらインドのエネルギー問題は解決し得ないわけで、原子力の方は認めることにした、ということでしょうか?
そうすると、天然ガスパイプラインの方はどうなるのでしょうか?

(もしかしたら、トルクメニスタン、アフガニスタンの間の天然ガスパイプラインをパキスタン、インドまで引くというほうにシフトするのかもしれません。)

下記の記事では「インドの核保有問題を棚上げした形の今回の合意は今後、米国内外から反発を招く可能性もある」ということですので、今後、どういう風に話が転ぶのか、まだ分からない要素もありますが。


(ニュース)
原子力協力 印、電力確保へ前進 米、1998年の核実験不問に
 【バンコク=岩田智雄】インドのシン首相が今回の訪米で、ブッシュ大統領から原子力平和利用への協力を取り付けたことは、今後、ますます深刻化するインドのエネルギー不足を補ううえで大きな意味を持つ。インドが一九九八年に実施した核実験をついに不問に付した形ともなった。
 約十億の人口を抱えるインドは慢性的なエネルギー不足に悩まされている。全土の45%の世帯が電化されておらず、送電地域でも一日数時間の停電が頻発している。
 今年四月には、商業都市ムンバイを抱えるマハラシュトラ州で停電のため水道供給が停止、約三千人の市民が幹線道路を閉鎖。野党活動家が同州発電局事務所を襲撃する事件まで発生している。
 インドは二〇一二年までに、国民全員に電力を供給する目標を掲げているものの、今後、電力需要は毎年10%ずつ高まると予測され、目標達成は困難とみられている。
 中国の後を追って経済で急成長を続けるインドは中国と同様、エネルギーを確保する必要に迫られており、イランからパキスタンを経由して天然ガスのパイプラインを引く計画は、核開発疑惑のイランの国際的孤立化を図る米国の反発を買ってまで進められている。
 インドは核実験に踏み切ったことで、過去、米国の経済制裁を受け原子力関連物資・技術の入手を狭められてきた。米国による制裁がインドの発電能力に足かせをはめてきたともいえ、ブッシュ政権からの原子力分野での協力取り付けは、インドのエネルギー問題の解決に向け大きな一歩になったといえる。
 一方、今回の合意は核拡散防止条約(NPT)がうたう「核保有国」五カ国と同等の地位をインドに与えるものではない。
 しかし、同じ年に核実験に踏み切った隣国、パキスタンは、核科学者のカーン博士が元締めを務める「闇の核市場」から北朝鮮やイランに核関連物質、技術が流出、国際テロ組織、アルカーイダの拠点の一つでもある。
 インド発の核拡散は起きておらず、テロ組織も暗躍していないため、原子力の平和利用面での協力が安全保障上の脅威につながる恐れは少ない。
 印パ両国への対応のバランスに腐心してきたブッシュ政権は、原子力分野協力では両国に差を付けてインドの国際的地位を高めることにした。
 ウェスチングハウス社など米国の原発企業にとっては、インドに巨大な原発関連輸出市場を構築できる利点もある。
 米紙によると、バーンズ国務次官は、合意に至るかどうかは会談直前まではっきりせず、外国政府や議会に対しては十分説明する時間がほとんどなかったとしており、インドの核保有問題を棚上げした形の今回の合意は今後、米国内外から反発を招く可能性もある。
(産経新聞) - 7月22日3時21分更新


(2005年7月20日「しんぶん赤旗」)
インド首相
核査察受け入れ表明
首脳会談 米、民生技術を売却へ

 【ワシントン=浜谷浩司】ブッシュ米大統領とインドのシン首相は十八日、ホワイトハウスで会談し、「共通の価値と利益」を基礎に「グローバル・パートナーシップ」を樹立し、安全保障や経済など広範な分野で協力するとした共同声明を発表しました。

 懸案となっていた核エネルギー分野で共同声明は、インドが大量破壊兵器の拡散防止に努めてきたと述べ、「先端核技術をもつ責任ある国」として「他の同様の国と同等の利益」を得るべきだとしています。

 一方、シン首相は核実験の停止継続、原子力施設への国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れや、核分裂性物質を含む大量破壊兵器関連物質の拡散防止への協力を表明しました。

 核エネルギー協力に合意したことは、インドが核兵器を保有するもとでも、米側は民生用核エネルギー技術の売却に踏み出すことを明らかにしたもの。核不拡散条約(NPT)非加盟のインドを、事実上の核保有国として認知する動きです。

 今回の会談は、ブッシュ政権が民主主義の拡大と対テロ戦争において、インドとの関係強化を重視していることを浮き彫りにしました。米側にとってそれが中国への対抗措置となることも、広く指摘されています。NPTを米政策に都合よく利用するブッシュ政権の姿勢も示しています。



*参考
今年の3月26日の時事通信の記事

インドを「21世紀の世界大国」に=ブッシュ政権が育成戦略
【ワシントン26日】第二次ブッシュ米政権がインドを「21世紀の世界大国」に育成する戦略を練っていることが分かった。中国や中東地域、中央アジアに対処する地政学上の要請から、米国は南アジアの要であるインドとの提携を深める。

計画によれば、ブッシュ政権はミサイル防衛その他の安全保障政策やハイテク技術の分野における協力を強化するとともに、経済・エネルギー協力の拡大を進めるため、インドとの「戦略対話」を推進する。米政府当局者によると、ライス国務長官はシン・インド首相に対し、両国の「より広範な戦略的関係」の概要を提示した。

米政府当局者は「戦略的関係の目標はインドを『21世紀の世界大国』に育成することにある。軍事を含め、その意義をわれれはよく理解している」と指摘。「米国にとって南アジアは極めて重要だ。一方に中国があり、方やイランをはじめとする中東地域が控える。それに加えて北方には、不安定な中央アジアもある」と述べた。

先にインドを訪問したライス長官はシン首相と両国の戦略関係強化を討議したが、その内容は明らかにされていなかった。

米・インド関係は、1998年にインドが実施した核実験を契機に冷却化していたが、2000年5月、クリントン前米大統領がインドを訪問、関係改善の動きが始まった。

ブッシュ大統領はシン首相に対し、今年7月の訪米を要請。ブッシュ大統領も今年か来年にインドを訪問する意向を持っているという。

米当局者によれば、両国の戦略対話は、グローバルな問題、地域安全保障、インドの国防上のニーズ、ハイテク協力の拡大、防衛機器の共同開発をテーマとしている。防衛協力に関しては、米国は次世代多目的戦闘機F18をインドに売却する用意があるほか、インド軍の指揮命令システム、早期警戒システム、ミサイル防衛整備などで議論を進める考えだ。〔AFP=時事〕
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2005/7/24  1:40

 

アメリカがインドの「平和的な核開発」を認めました。びっくり。
いいのか?
両国間の「戦略的パートナーシップ」は新たな段階に入り、エネルギー、宇宙開発、軍事等で協力すると。
インドのシン首相が訪米していて、国賓待遇だったらしいですね。中国との関係をにらん... 



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