2006/2/2

『ラクダと針の穴』  映画

アテネフランセ文化センターでフランスの女優、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(『ふたりの5つの分かれ路』の女優ですね)の初監督作品『ラクダと針の穴』(2003年)を鑑賞。
テデスキ自身が主演で現代女性の日常を追ったものであり、いわば「私映画」とでも言うべきものでしょうか。もちろん、実際のテデスキ自身の体験が語られているのかどうかは不明ですが。
エンターテインメントの映画ではなく、漠然とした現代の未婚女性が抱く不安な気持ち、揺れ動く気持ちをつかまえようとしたもので、すごく面白いというものではないんだけれども、かなり練っているもののように思いました。
たとえばヒロインの夢想を描いたものらしいアニメのシーンがいきなり入ったりして、ちょっと中国のジャ・ジャンクー監督の『世界』を思わせたのだけれども、日常的なシーンにふとそうした幻想シーンを入れる感じがさりげなくて、ジャ・ジャンクー以上に何か、きわめてさりげなく淡々とした日常と幻想(夢想)とを混合させることに成功しているのではないかと思いました。そうした幻想(夢想)シーン、また少女時代の回想シーンなどが次第に混合していくんだけど、少女の自分が誘拐されるとか、公園で会った男と結婚して子供が出来るとか、だんだん夢想がけっこうとんでもないものになっていくんだけれども、それでも平然と現実の日常にまた戻って淡々とうんざりしている毎日が続いているという感じですごくさりげないんですね。そこが練られているように思いました。
またたとえばヒロインが車を運転しながら画面の下の方に手をのばして何かをしているんだけど、そこは写っていなくて何をしているんだろうと思って見ていたらカバンから口紅を出そうとしていたようで、口紅を出してきて運転しながら口紅を塗るとか。次は教会のシーンなんだけど、これでこのヒロインが教会の神父に心の中でこっそり変な気を起こしている(笑)ことが分かるとか。うまい演出だと思いました。

*参考
ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ インタビュー
http://sakurako0720.at.infoseek.co.jp/interviews/vbt.html
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ