2006/2/23

薬害肝炎訴訟関連ニュース(2)  公害・薬害・環境・医療問題

(ニュース)
C型肝炎訴訟 原告29人中13人が先行結審 大阪地裁
 血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、患者らが国と製薬会社の旧「ミドリ十字」(現三菱ウェルファーマ)などに総額約16億円の賠償を求めた薬害C型肝炎訴訟の口頭弁論が20日、大阪地裁(中本敏嗣裁判長)であり、原告29人のうち13人が先行して結審した。全国5地裁(原告92人)で係争中の薬害C型肝炎訴訟で結審は初めて。
 薬害エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病に次ぐ大型薬害訴訟。22日には福岡訴訟の原告27人中、18人が結審する。C型肝炎感染者は国内に200万人以上と推定され、感染拡大に関する国の責任を問う訴訟の判決に注目が集まりそうだ。
 この日結審した13人のうち女性12人は、81年8月〜88年5月、出産時の大量出血などに止血剤として「フィブリノゲン」を投与されHCVに感染したと訴えている。男性1人は85年4月、新生児ビタミンK欠乏症のため血液製剤「クリスマシン」を投与され、感染したとしている。
 原告側は「国と三菱ウェルファーマなどは、フィブリノゲンが製造承認された64年までに、研究論文などから肝炎感染の危険性と、感染すれば死亡する可能性を認識していた。治療効果が副作用などの危険性を上回る有用性もなかった」と主張している。米国は77年に肝炎感染の危険性を理由にフィブリノゲンの承認を取り消したが、日本では使用が継続された。国は88年6月、同社に「緊急安全性情報」を配布させ、フィブリノゲンは回収されたが、原告側は「この時期まで感染防止措置を怠り、被害を拡大させた」と訴えている。
 これに対し、被告の国と製薬会社側は「有効性はあり、安全対策も可能な限り実施してきた」と主張している。【前田幹夫】
 ▽薬害C型肝炎訴訟 出産や手術の際に止血剤などとして投与された血液製剤でC型肝炎ウイルス(HCV)に感染したとして、感染者・患者計92人(死亡者含む)が国と製薬会社に賠償を求め、大阪、東京、名古屋、福岡、仙台の5地裁に起こした集団訴訟。HCVは感染者の約7割が持続感染状態となり、慢性肝炎、さらに肝硬変、肝がんに進行する人も多い。訴訟の争点は(1)血液製剤と感染の因果関係(2)血液製剤に治療効果が危険性を上回る「有用性」があったか(3)国と製薬会社は感染の危険性を予見できたのに感染防止措置を怠ったか−−など。
 フィブリノゲンは血液中の凝固因子の名称で、旧ミドリ十字は同名の商品を製造していた。
(毎日新聞) - 2月20日17時13分更新

原告になれぬ悔しさ 薬害肝炎九州訴訟22日結審 投薬記録すでに廃棄
 「原告の後ろには、もっとたくさんの命がある」―。汚染された血液製剤の投与でC型肝炎に感染したとして、九州・沖縄の患者が国と製薬会社に損害賠償を求めた薬害肝炎九州訴訟が22日、福岡地裁で結審する。被害者は1960―80年代に3万人ともいわれる「戦後最大の薬害」。2004年末、国が製剤の納入先医療機関を公表して1年が過ぎたが、カルテが廃棄され投薬の確認ができない感染者も多い。「時間の壁」が被害者の掘り起こしを阻む。
 北九州市小倉南区に住む女性(61)がC型肝炎に感染しているのが分かったのは一九八六年。子宮筋腫の手術を受けた後、黄(おう)疸(だん)が出たのがきっかけだった。疲れやすく、忙しい日が続くと寝込む。肝硬変、肝がんへの進行におびえながら、治療や検査で入通院を繰り返してきた。
 薬害の可能性を考えたのは、止血剤として血液製剤を投与されて肝炎になった患者らが〇三年四月に九州訴訟を起こしてからだ。手術後に医師が「大量出血したので止血剤を使ったが、血が止まらなかった」と話したのを覚えていた。
 すぐに病院に投薬記録の確認を求めたが回答は事務的だった。「二十年近く前のカルテは廃棄済みで、分かりません」。主治医も病院を移っていた。
 〇四年十二月、厚生労働省が公表した血液製剤の納入先リストには、その病院名もあった。「薬害と確信した。でもそれを証明できない」。訴訟への参加は見送らざるを得なかった。
 医師法が定めるカルテの保存期間は五年。厚労省によると、納入先約七千カ所のうち投薬記録が残るのは約7%。リスト公表後、国や都道府県には十二万件以上の問い合わせがあったが「製剤投与が確認された人数は把握していない」(同省血液対策課)という。
 薬害被害者の掘り起こしに取り組む千鳥橋病院(福岡市)の鮫島博人院長によると、カルテが廃棄済みでも、医師の記憶や手術などの記録があれば投薬は証明可能だが「それを知らない医療機関や患者が多い」という。
 女性は進行を抑える注射を週三回打ちながら、裁判を傍聴してきた。病の恐怖や経済的な負担、同じ苦しみを味わってきたのに、原告席と傍聴席の間の柵を越えられないのが歯がゆい。
 原告は「全国二百万人ともいわれるすべての感染者の救済と補償を求める」と訴えるが、国の支援を勝ち取っても、薬害の証明がなければ対象外になるのでは、との不安は消えない。
 「原告の後ろには私のような人間が大勢いることを忘れないでほしい」。二十二日も傍聴席から、被告代理人や裁判長を見つめるつもりだ。
(西日本新聞) - 2月21日2時19分更新

薬害C型肝炎:「身近な問題と感じて」原告女性が手記出版 九州訴訟あす結審 /福岡
 出生時に投与された血液製剤でC型肝炎に感染し、国と製薬会社を相手取った薬害肝炎九州訴訟の原告になっている長崎市の福田衣里子さん(25)が、同訴訟が結審する22日、自伝「It’s now or never」を刊行する。全国5地裁で争われている肝炎訴訟の原告が手記を出すのは初めて。「身近な問題と感じてほしい」という福田さんと女性編集者の思いが重なり、出版に結びついた。【清水健二】
 福岡市の出版社「書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)」代表の田島安江さん(60)が福田さんと出会ったのは04年春。「国民病」といわれる肝炎について本を出せないか考えていたところ、裁判で若い女性が実名を公表したのを知り「何て勇気があるんだろう」と、福田さんを訪ねた。
 同じころ、裁判の傍聴で訪れた福岡地裁で、同年代の知人と偶然再会。匿名の原告だった。自分もかかっていた産科医院で感染していた。「私が被害者にならなかったのは運が良かっただけ」。医学に興味のない人も読んでもらえるような本を作る構想が固まった。
 手記は、20歳で感染を知り、失意の底から再び前を向き歩き出すまでの心境が、素直につづられている。パン職人の夢が破れ「こんなはずじゃなかった」と歯をくいしばった夜。副作用で体が弱り「私はダメ人間だ」と悩んだ治療期間。それでも弁護士や支援者に勇気をもらい「薬害のない社会を作るため声を出していこう」と決意する。
 本のタイトルを日本語に訳すと「今しかない」。行き詰まった時、福田さんが日記の片隅に書いていた言葉だという。田島さんは「明るい語り口が、現実の深刻さをかえって浮き彫りにしている」と話す。
 医師や弁護士の解説も付いて計255ページ。問い合わせは書肆侃侃房092・735・2802。
〔福岡都市圏版〕
(毎日新聞) - 2月21日朝刊

薬害肝炎九州訴訟も結審 原告18人、8月に判決
 汚染された血液製剤でC型肝炎に感染したとして、27人が国と製薬会社の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)などに損害賠償を求めた薬害肝炎九州訴訟の口頭弁論が22日、福岡地裁(須田啓之裁判長)であり、原告18人分の審理が結審した。
 全国5地裁で係争中の薬害肝炎訴訟で、20日の大阪地裁に続く結審。判決は8月30日に言い渡される。
 弁論で国側は「血液製剤は出産時の突発的な大量出血から多くの産婦を救った。感染の危険性を超える有効性があった」と陳述。
 原告側は熊本市の出田妙子さん(47)が「金もうけのために作られ、しかも効かない薬で肝炎になった。人としての尊厳を回復してほしい」と述べた。
(共同通信) - 2月22日19時31分更新

薬害C型肝炎:九州訴訟結審 「勝訴が患者救済」原告ら、全面解決へ思い訴え /福岡
 薬害肝炎九州訴訟が福岡地裁で結審した22日、実名を公表した原告は、会見で勝訴・全面解決への思いを改めて強く訴えた。弁護団や支援者も、8月の判決に向けてさらなる後押しを誓った。
 「小さい魚でも束になれば、大きな存在にも勝てる。判決の日にはきっと祝杯をあげられる」
 実名を公表して訴訟に参加する福田衣里子さん(25)は強調。国や製薬会社に裏切られたとの思いから、人への警戒心が強まっていた中で提訴。「裁判に勝って心も回復したい」と力を込める。
 小林邦丘さん(33)は「発言を無視する国に憤りを感じた。亡くなった人、病院のベッドで苦しんでいる人のためにも必ず勝ちたい」。山口美智子さん(49)も「闘病生活を振り返るのはつらかった。裁判長は人間として、良い判決を出してくれると期待している」と思いを述べた。
 同夜には支援者団体が「薬害肝炎結審シンポジウム」を福岡市内で開催し、「薬害を二度と繰り返させない」と宣言。患者団体「九州肝臓友の会」の木戸義治さんは「行政に恒久対策を求めているが、姿勢は変わらない。勝訴こそがすべての肝炎患者の救済に結びつく」と訴えた。
 弁護団は23日、被害者の無料電話相談を受け付ける。午前9時〜午後6時で、電話は092・735・1193。【石川淳一】
〔福岡都市圏版〕
(毎日新聞) - 2月23日朝刊
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