2017/7/18

林えいだい  映画

「被爆者の声をうけつぐ映画祭2017」のプログラム7で、グループ現代の方が『抗い 記録作家 林えいだい』のチラシを配りにいらしていたので、つい話し込んでしまう。林えいだいは、カネミ油症を取材した『嗚咽する海 PCB人体実験』(亜紀書房、1974年1月30日第1版第1刷発行)を書いたライターで、私はこの本を絶版だったので図書館で借りてきて、当時の状況を知る参考にさせて頂いた。たとえば「海を渡らせる圧力」の章では、女島灯台とメシマコブの話も書かれていて、このメシマコブの話は私の映画『食卓の肖像』でも出てくるので、参考にさせて頂いている。また、「原爆と油症の二重苦」の章では、原爆の被爆者で、かつ、カネミ油症の被害者でもある鳥巣さん一家や中本の話が書かれている。1945年の被爆者で、かつ1968年のカネミ油症被害者という方は長崎や広島に他にも何人もいる。長崎や広島はカネミ油症被害が大きかったのだから当然ではあるが。
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2017/7/18

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』  映画

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』というアニメ作品をようやく見たのだけど、この作品世界にはさすがに気恥ずかしさを感じるが、幽霊がまったく幽霊的ではなく、ごく普通の人間と同じように描かれ、存在しているというところがミソなのかな。ホラー映画が本気で好きな人とかはこの映画、逆に怒るだろうけど、つまり、幽霊を怖いものとか、特殊なものとして描くのはある意味で差別であるわけで、幽霊も普通なんだと描いたところが若い人たちの心の琴線に響いたのかなあ…なんて、考えてみました。
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2017/7/18

入江喜和『たそがれたかこ』  マンガ

入江喜和のマンガ『たそがれたかこ』。これまでマンガで描かれることがなかった主人公がそこにいた。

羽海野チカ『ハチミツとクローバー』は、成熟しなかった物語を完成形の物語として成立させることでこれまで描かれることがなかった「等身大」の作品世界を達成していたが、入江喜和の『たそがれたかこ』は45歳バツイチ女性を主人公にすることで究極の「等身大」の作品世界を成立させている。
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2017/7/15

(終了)「被爆者の声をうけつぐ映画祭2017」のお知らせ  映画

(終了しました。多数のご来場、有難うございました。)

今年(2017年)も、私が実行委員をしている「被爆者の声をうけつぐ映画祭」を7月15日(土)、16日(日)の二日間、武蔵大学江古田キャンパスにて開催します。
この「被爆者の声をうけつぐ映画祭」は、2007年より毎年、開催し、今年で11回めを迎えます。
今年も、東京原爆裁判を題材にした劇映画『人間であるために』や、第五福竜丸などの被曝を1954年当時、記録した『永遠なる平和を−原水爆の惨禍−』など、上映機会の少ない貴重な作品を発掘して上映するほか、『広島原爆 魂の撮影メモ』『飯舘村の母ちゃんたち』『被ばく牛と生きる』などの新作、さらにはロシアの核燃料再処理施設の被害の実態を告発した『不毛の地』など、多彩な作品を上映します。
また、2日めの16日の16時30分からの回では、加害者側の核実験に関与した米国人女性生物学者と日本人被爆女性を追った『アトミック・マム』を上映後、シンポジウム「被爆者の声をうけつぐために」を開催します。永田浩三さん(武蔵大学社会学部教授)の司会で、藤森俊希さん(日本被団協事務局次長)、白神優理子さん(弁護士)、片岡佑介さん(一橋大学大学院生)に発言して頂きます。とりわけ、国連の核兵器禁止条約交渉会議で被爆者代表としてスピーチされた藤森俊希さんの貴重な報告を聞く機会です。
よろしくお願いいたします。

「被爆者の声をうけつぐ映画祭2017」上映スケジュール

7月15 日(土)  会場:武蔵大学江古田キャンパス 1号館地下 1002シアター教室

プログラム1
9:45〜 あいさつ:実行委員会代表
10:00〜12:15
「広島長崎における原子爆弾の影響 長崎編」ドキュメンタリー:84 分
「広島原爆 魂の撮影メモ 〜映画カメラマン 鈴木喜代治の記した広島」ドキュメンタリー:29 分
トーク:能勢 広 監督

プログラム2
13:00〜15:20
「人間であるために」劇映画:100 分
トーク:[原爆裁判について]大久保 賢一(日本反核法律家協会事務局長)

プログラム3
16:00〜17:40
作品紹介:有原 誠治(日本語版製作者)
「不毛の地」ドキュメンタリー:34 分
「ハンヒキヴィ・ワン」ドキュメンタリー:29 分

プログラム4
18:30〜20:35
「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」ドキュメンタリー:95分
トーク:古居みずえ 監督

7月16 日( 日)  会場:武蔵大学江古田キャンパス 8号館8階 武蔵大学50周年記念ホール

プログラム5
10:00〜12:15
「被ばく牛と生きる」ドキュメンタリー:104分
トーク:松原 保 監督

プログラム6
13:15〜15:35
「永遠なる平和をー原水爆の惨禍ー」ドキュメンタリー:20 分
「千羽鶴」劇映画:67 分
講演:[核時代の黙示録 ジャン・リュルサの「世界の歌」を語る]有原 誠治(映画監督)

プログラム7
16:30〜20:30
「アトミック・マム」ドキュメンタリー:87 分
[シンポジウム]被爆者の声をうけつぐために
司会:永田 浩三(武蔵大学社会学部教授)
発言:藤森俊希(日本被団協事務局次長)[核兵器禁止条約と被爆者]/ 白神 優理子(弁護士)/ 片岡佑介(一橋大学大学院生)

*入場料金
大人・前売 1,000円 (当日 1,200円)
学生・前売  500円(当日 700円) 
フリーパス券 4,000円
★入場は、一プログラムごとの入れ替え制となります。

ご連絡先:
電話 03-5466-2311 (共同映画)
   090-1793-6627(金子)
E-Mail: eigasai★gmail.com
*上記アドレスの★を@に変えてご連絡下さい。

会場:
武蔵大学江古田キャンパス
(東京都練馬区豊玉上1-26-1 )
 15日は、1号館地下 1002シアター教室 
 16日は、8号館8階 武蔵大学50周年記念ホールです。

*「被爆者の声をうけつぐ映画祭」ブログ
(会場の地図や上映作品紹介が掲載されています。)
http://hikakueiga.exblog.jp/
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2017/6/22

『20センチュリー・ウーマン』  映画

アルトマンともアルノー・デプレシャンともヤスミン・アフマドとも異なる、マイク・ミルズ監督による、ユニークな群像ものの映画の達成。
こういう達成は映画で見た記憶があまりない。小説ならあったかもしれない。でもこの映画はまぎれもなく原作がないオリジナルの映画であり、映画として達成していることはたしか。
物語というより、日常をただ描写しているだけなのに(とりわけ何かが起こるわけではないのに)物語が成立しているという感覚は、マイク・ミルズのパートナーである、ミランダ・ジュライの映画の影響はあるのかもしれないが、さらに、この『20センチュリー・ウーマン』という作品を成立させているのは、ある種の美術というのか、時代考証、カスター大統領の演説やボウイの映画『地球に落ちてきた男』、レインコーツやトーキング・ヘッズの音楽、様々なフェミニスト本などの引用のたしかさにもよるというか、こうした引用が深く登場する女性たちの複雑なキャラクター造型に結びついていて、考えてみるとあり得ないような設定をリアルにあり得るものとして浮かび上がらせている、たしかにこういう女性像は成立する(存在する)と実感させてくれるという魔法のような作品。
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2017/5/26

『メッセージ』  映画

これは見事な映像化。原作では中国は悪者ではなかったのに映画では中国が悪者みたいになっているといった変更点は一部、あるものの、あの難しい原作をきちんと映像にして、原作のスピリッツをきちんと伝えていて、感嘆しました。

しかし、この話の構造って、考えてみたら、テレビの2時間サスペンスドラマとかでもよくある、刑事がある事件を追っていて、その刑事の家庭にも事件と重なる事情があるというパターンの延長で、女性言語学者がエイリアンの言語を解読しているのだがその言語学者自身にも家庭の事情があるという構造なのだが、このようにテレビの2時間ドラマでもよくある構造のものなのに、他の誰も考えたことがないようなSFのアイデアで、まったく見たことも聞いたこともないような話になってしまっていて、こんなストーリーを考えつく作家は本当に凄いなと思う。

(もともと好きな原作小説なので、きちんと映画化してくれてほっとしたという感じで、評価が甘くなっているところはあるかも。)
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2017/5/1

『食卓の肖像』HP、レイアウト変えました  映画

Jindoの機能に変更があったのか、映画『食卓の肖像』のホームページ、表示の一部がなくなっていた。表示を戻し、せっかくなので、下記のレイアウトに変えてみました。

https://www.shokutaku-movie.net/
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2017/5/1

『たかが世界の終わり』  映画

グザヴィエ・ドランが天才であることは認めるし、何よりも素晴らしいと思うのは、ドランが人間の不完全さ、欠点なども含めて丸ごと、人間を描こうとする映画作家であること。ドランでなければ味わえない人間に対するめざしがたしかにこの映画にはある。
ただドランが映画の天才であるのかは実はよく分からない。ドランが描く圧倒的な孤独と愛の世界は映画でなければ描けないことなのだろうか、小説や歌や演劇でももしかしたらもっと深く描けるのではないかという気がどうしてもしてしまうので。この表現世界が映画でなければいけない理由はあるのだろうか。
そうは思うのだが、独自の世界を提示できる稀有な才能ではある。
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2017/4/27

『PARKS パークス』  映画

瀬田なつき監督の映画を見ると、ヴェンダースやジャームッシュを初めて見た時のあの感覚、つまりは『パリ、テキサス』以前のヴェンダースの諸作や『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を初めて見た時、「ああ、映画っていうのはこういう表現の仕方もありなのか!こういうのが映画っていうものなのか!」と驚いたあの感覚がよみがえってくる。それは端的に言うと、ストーリーそのものより、「人生」「日常」と「映画」との関係性を具体的な反復する映像そのもので浮かび上がらせていく感覚というのか、ストーリーの辻褄とかをこえて、そんな風に映画そのものを立ち上げることが出来るんだという驚きというのか、瀬田なつき監督の『PARKS パークス』は、ある意味で瀬田監督の『彼方からの手紙』をよみがえらせた反復の往復運動そのものとも言えるが、こんな風に吉祥寺の井の頭公園100年記念映画としてあの『彼方からの手紙』がよみがえること自体が驚きだ。『彼方からの手紙』がどこか、「彼方」へ行って帰って来ました・・というストーリー(?)だったように、『PARKS パークス』もどこかへ行って帰ってくるという話なのだけど、それが何処だったのか、またいつ、どのように帰ってきたのか、最後まで謎のままだ。しかし、謎のままだからこそ、往復運動そのものがより純粋に浮かび上がり、瀬田なつきワールドがますます進化し完成されてきているのだ。素晴らしい。
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2017/4/21

『心が叫びたがってるんだ。』  映画

DVDで『心が叫びたがってるんだ。』いやあ、あまりの素晴らしさに不覚にも涙。失語症の少女がミュージカルをやることで言葉を回復していく。脚本の岡田磨里氏は自らも登校拒否、引きこもりだったとのことで、そうした自らの体験をベースにしていると聞いて、もっとリアルな作品かと思っていたのだが、リアルというよりリアルな今時の若者たちの感覚をベースにしつつも見事な青春ファンタジーとでも言うべき作品になっていると思う。こういう感じでの作品の達成というのは感心してしまう。展開に御都合主義のところがあるかもしれないが、なんといってもミュージカルの話なのだからそこを突っ込むほうが野暮だろう。だってこれは青春ミュージカルなのだから。
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2017/4/20

『バースデーカード』  映画

『バースデーカード』をDVDで鑑賞。こないだ、この映画のプロデューサーの方の話を聞いたので。ウェルメイドによく出来ている。昨年秋公開で、同時期に『聖の青春』『ボクの妻と結婚してください。』『湯を沸かすほどの熱い愛』など、難病ものが並び、この作品もそうした一本としてかすんでしまったのかもしれないが(特に、強烈な『湯を沸かすほどの熱い愛』に比べると地味な印象かも)、難病ものでも、クイズとか、子どもに手紙を残すとか、病気と闘うこと自体とは違うところに話の軸足を置くことで、さわやかな作品に仕上がっている。ひとつひとつのエピソードを丁寧に撮りすぎていて、2時間をこえるのはやや長すぎる気はしたけど、それでもラストのほうのこれまで積み上げてきた話の絡ませ方は悪くないというか、よく練っていると思う。まあ、こないだ、製作者の方のつくるまでの苦労話を聞いたものだから感情移入して好感を持って見ているところはあるのかもしれないが…。
橋本愛主演で、これから見る予定の『PARKS』(瀬田なつき監督の新作!)の予習になりました。
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2017/4/3

「ハーモニー」  映画

「虐殺器官」と同じ原作者の「ハーモニー」をDVDで。こんな話だったのか。テーマ性は「虐殺器官」のほうが深いかもしれないが、こちらは個々の人間の感情がすべて制御され統制されている超管理社会の未来での少女同士の関係性を描いていて、ある意味、すごくアニメ的な題材。ちょっとオタク感はあるけど、美しいアニメ作品。
しかし、この「ハーモニー」の超管理社会は日本が率先して作り上げ、世界を変えていくという設定のようだが、これ、リアルだよなあ。ホントに管理されることが好きな国なので…。
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2017/3/18

(終了)2017年3月18日、『食卓の肖像』福岡上映会のお知らせ  映画

(下記の福岡上映会は終了しました。有難うございました。)

2017年3月18日(土) カネミ油症ドキュメンタリー「食卓の肖像」福岡上映会決定!

「食卓の肖像」福岡上映会のお知らせ
2017年3月18日(土) ふくふくプラザ視聴覚室
@14:00受付14:30上映開始
出演者によるトーク16:30〜17:30
A18:00受付18:30上映開始
料金1000円

ふくふくプラザのアクセス
http://www.fukufukuplaza.jp/info/access.html
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2017/3/10

『息の跡』  映画

この被写体の方の佇まいと、終盤部の「語り」は福田克彦監督『草とり草紙』を思い出させる。
あと先行する作品としては今村彩子監督『架け橋 きこえなかった3.11』も終盤部でちょっと似たようなことをやろうとしていたが、『架け橋』は必ずしも作品としてうまく結実していない気がしたが、小森はるか『息の跡』はそれをよりシャープにやり遂げたような印象を受けた。
また、『息の跡』、『阿賀に生きる』の影響はあるようだけど、小森はるか監督、声だけに徹していて、『阿賀に生きる』のようにスタッフが写りこむことはしなかったのが良かったと思いました。
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2017/3/10

『ラ・ラ・ランド』  映画

『ラ・ラ・ランド』、町山さんがラジオでスコセッシが昔、撮った『ニューヨーク・ニューヨーク』が元ネタではと言われていたそうだけど、僕もそうだと思う。でも、そうすると、『ニューヨーク・ニューヨーク』のデ・ニーロが狂った男でしょちゅうトラブルばかり起こしていたのに対して、『ラ・ラ・ランド』はあまりにそつがない世界で…。そこが洗練されているという見方もあるかもしれないが、個人的な趣味ではちょっと物足りないかも…。

でも、人物の顔へのズームアップは良かった。前作『セッション』もそうだけど、この監督、人物の顔が撮れる監督なのでは?
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