2008/9/17

アメリカ経済問題について、覚え書き  時事問題

(以下は、昨日、今日のニュース報道について思考を整理するためのとりあえずの覚え書きみたいなものです。)

アメリカ政府が、リーマン・ブラザーズは見放し、破たん。しかし、AIGには公的支援に踏み切り救済。
なぜこっちは救うのに、こっちは救わないのか?という点で明らかに不平等であり、矛盾しているわけだけど、現実問題としては妥当な線というのか、当面の政策としては仕方がないものなのだろうか。
まあ、別に予言者じゃないので、なんら、確信を持って言えないけど・・。
そもそも新自由主義に反対の立場からすれば、サブプライムローンのようなものを野放しにしてきたこと自体が間違いなのであり、サブプライムローンでもうけてきた会社が潰れるのは自業自得、公的救済なんてする必要はない・・という理屈になるのかもしれないが、たしかにリーマン・ブラザーズが潰れるのは自業自得なんだけど、問題は、大手金融会社が潰れる場合は、その会社自体が潰れることに関しては自業自得であったのだとしても、他への社会的、経済的影響があまりにも大きいということだろう。だから、他への波及を食い止める経済政策として公的救済をする必要が出てくるわけで、かといってなんでもかんでも公的救済で税金を投入していたら今度はアメリカ政府のほうがもたなくなるから、救済する企業と救済しない企業が出てくるわけである。その境目は運でしかないわけで、救済されなかった企業の側は、「なんであいつは救うのは俺はダメなんだ!」と頭にくるわけだが、まあ、仕方がないのである。政府としては、「救えない場合もある」という例を示して、企業と市場の自主的努力(投機マネーをやりすぎないように人々が自制していくこと)をうながすしかないのであって、リーマン・ブラザーズはその犠牲になったのだと言える。また公的救済をする場合も、税金を投入することはなるべくなら政府としてはやりたくないわけだから、メリルリンチのように他の会社に合併させることをうながすという形をとる場合もある。これならとにかく民間の間で救済が実現したわけだ。しかし、リーマン・ブラザーズの場合は、それも(公的資金を直接、援助するのではなく、他の会社に吸収合併させることも)出来なかったのだろう。あるいは、「救えない場合もある」という例を示しておくことも必要なので、その例としてリーマン・ブラザーズが運悪く選ばれてしまったということかもしれない。しかし、リーマン・ブラザーズの破たんが経済的に他に波及することは食い止めないといけないため、保険会社のAIGは救うというのを続けて示したのだろう。
まあ、アメリカ政府としては妥当・・というのはそういうことだけど、しかし、僕がこんな風にアメリカ政府について「妥当」なんて言って評価してあげてること自体が皮肉なんだよな(笑)。
だいたい、新自由主義の考え方からすれば、企業を救うために公的資金を投入するなんてこと自体がおかしい話なわけで、矛盾しているんだよね。結局、「新自由主義」のやり方では限界があるということを、新自由主義を掲げる政府が自ら示してしまったと言える。
かといって「計画経済」でやっていこう・・なんていうのも無理な話なんだろうけど(理想としては「社会主義」「共産主義」というのはあるけど、現実的に政策として「計画経済」をどう実現すればいいのか?と問われるとたしかによく分からない)、「計画経済」をある程度、導入した資本主義社会というケインズ型で当面はいくしかない・・というのが今のところの結論なんだろうか。(「新自由主義」の論者からするとマルクスはもちろんケインズも古くなった・・と言うんだろうけど、やはりそうとは言えない。)
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2008/8/9

始まってしまったロシアーグルジア戦争  時事問題

まさに北京オリンピックに世界の注目が集まっているドサクサに紛れるような形でロシアとグルジアが戦争に突入してしまった。表向きは南オセチア自治州の独立をめぐる紛争ということだけど、実質的には、エネルギー資源のパイプラインをめぐるロシアと西欧との利権争いの代理戦争のようなものなのだろうか。何、食わぬ顔で北京オリンピックの開会式に参列しているプ−チンは恐ろしいが、ロシアとグルジアのどちらの側が悪いとは言えない。つーか、戦争という手段に訴えている時点でどちらも悪い。国連安全保障理事会は即時戦闘停止を求める声明案に合意できなかったというが、ロシアも、NATOやアメリカも「当事者」みたいなものなのだから、合意できないのは当然なのかもしれない。しかし、それでは国際社会にこの戦争を止めさせる力はないということで、戦争の泥沼化が懸念される。NATOやアメリカも、まさか、ロシアと全面戦争をするわけにはいかないだろうから、おおっぴらにはこの戦争に参戦まではしないのだろうが、アメリカは既に特殊部隊をグルジアに派遣しており、実質的には参戦しているとも言える。また仮に今後、アメリカにオバマ政権が出来た場合(マケインのほうが勝つかもしれない、まだ分からない情勢のようだけど)、イラクからの米軍撤退にも影響を与えるかもしれない。仮に陸上部隊をイラクから撤退させたとしても、グルジアにいざと言う時に出撃する兵力として航空部隊はイラクに残すことになるかもしれないからだ。実際にグルジアに出撃しなかったとしても、そうしたことが出来るぞということをロシア側に示し続けることが必要・・とアメリカ政府は判断するのではないだろうか?

追記
なお、オバマ政権が出来た場合にイラクからの米軍撤退に影響を与えるかもしれない・・と書いたが、マケインの場合はそうではないということではない。それどころか、マケインになったらもっと危うく、イラクから米軍が撤退しないどころか、それこそ、ほんとに米軍の航空部隊がイラクからグルジアに出撃・・なんて事態に発展してしまう可能性もある。
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2008/6/26

捕鯨問題、どっちも逮捕して欲しいね  時事問題

捕鯨問題、グリーンピースジャパンの人達の逮捕の件についてひと言。
僕は、グリーンピースジャパンの行動は窃盗行為に当たるのかなとは思うので、逮捕されたのは仕方がないように思うのですが、横領行為のほうがきちんと調べられもせずに不起訴になったのは不当だと思います。グリ−ンピ−スの人達と鯨肉を横領している人達の両方とも逮捕するのが一番、公正ではないか?と思います。以上が僕の見解ですね。
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2008/5/9

「ネパール共産党毛沢東主義派」は毛沢東支持ではないんだぜ!  時事問題

何度か、書いていることですが、まあ、現在は、チベットが独立とかもっと自由な自治とか言っても中国側がなかなか容易に認めそうにない状況なのでそこまで考える状況でもないのかもしれませんが、将来的にチベットが本当に独立するなりもっと自由な自治を獲得していくのであれば、やはり政教分離も考え、民主化していくことを考える必要はあるように僕は思います。政教一致では特殊な独裁国家が出来てしまう危険性がありますからね。今のダライ・ラマ14世は平和主義の賢明な方のように思えるのでそういう心配はないかもしれないけど、次世代のダライ・ラマがどういう人かは分かりませんからね。
ネパールで王制を廃止し民主化する方向を選択したのは賢明な判断のように思います。

(ニュース)
ネパール制憲議会 毛派220議席獲得
4月26日8時0分配信 産経新聞

 ネパール選挙管理委員会は25日、今月10日に実施された制憲議会(601議席)選挙の最終開票結果を発表した。AP通信が伝えた。第1党のネパール共産党毛沢東主義派(毛派)は220議席を獲得し、2位のネパール会議派が110、統一共産党が103で続いた。毛派はすでに他党との連立を模索しており、プラチャンダ議長は24日、「議会の初会合で王制廃止は決まる」などと述べていた。(バンコク)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080426-00000091-san-int

なお、ネパールの選挙で勝ったのが「ネパール共産党毛沢東主義派」とあるので誤解されやすいのですが、この党派の人達は毛沢東を支持してきた人達というわけではありません。それどころか、逆なんですね。毛沢東に弾圧されてきた人達なんです。つまり、「ネパール共産党毛沢東主義派」の人達は、毛沢東の考えを心棒していた人達なのに、だから当人たちは毛沢東が自分たちを支持してくれると思っていたのに、毛沢東は裏切って逆に弾圧しようとしたのです。それで、毛沢東と闘い続けた人達なのです。だから、現在、これだけ、支持されているのですね。
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2008/5/7

チベットは独立国だったのか?  時事問題

*前記事
基礎から分かるチベット問題(毎日新聞)
http://blue.ap.teacup.com/documentary/1373.html

前記事のコメント欄で補足で書いたことの続きだけれども、ダライ・ラマ14世の考えのほうが「まだ現実的なのかも」と書いたけれども、それは世界的にアピールする上では効力を持つのではないか?という意味でそう思うのだけど。

(ダライ・ラマ14世の考え)
ダライ・ラマ法王14世による五項目和平プラン
http://www.tibethouse.jp/cta/5point_peace_plan.html

中道のアプローチ:チベット問題解決に向けての骨子
http://www.tibethouse.jp/cta/middleway.html

だがしかし、それでは「現実的」に中国がこうしたダライ・ラマ14世の要求をのむかというと、かなり難しいような気がする。いかに国際的に批判されても、中国としてはダライ・ラマ14世の案を受け入れたら実質的には各少数民族の独立を認めていく形になっていってしまうから、認めるわけにはいかないのだろう。
特に、毎日新聞の記事でも以下のようにあるけれども、

>89年にもラサで暴動が起き、戒厳令が敷かれる。自治区トップの共産党委書記が胡錦濤国家主席で、住民の生活改善に力を入れる一方、「独立分子」には厳しく対処。当時の最高実力者、トウ小平氏に評価され、49歳の若さで最高指導部の党政治局常務委員会入りするきっかけになったとされる。

現在の胡錦濤国家主席はむしろチベットなどの弾圧の功績で最高指導者になったような人物なのであるから、胡錦濤がやっているうちはダライ・ラマ14世の案を中国側が受け入れることはなかなかありそうにない。
結局、中国側としては、先送りにして、ダライ・ラマ14世が亡くなるのを待っているのではないかと思うのだけれども・・。

それと、ダライ・ラマ14世はチベットは中華人民共和国に進駐される以前は独立国だったと主張しているが、ここも中国側と見解が分かれているようだけど、毎日の記事では簡略に以下のようにこの事情を説明している。

>1911年の辛亥革命で清が倒れ、チベットは13年にモンゴルと「蒙蔵条約」を結び、互いに独立国として承認。住民に「独立」を宣言した。だが、独立をめぐるチベットと中華民国の間の紛争調停のため、英国を交えて開かれたシムラ会議では、チベットは中華民国の主権下に置かれ、英国に
アッサム地方との国境線(マクマホンライン)を認めさせられた。

これによると、チベット人自身の意識としては、「モンゴルと「蒙蔵条約」を結び、互いに独立国として承認。住民に「独立」を宣言した」時点で、独立国になったという意識だったのだろうか。だから、ダライ・ラマ14世はチベットは独立国だったと主張されているわけである。
しかし、国際的にはチベットは独立国として認められていなかったということなのだろう。「英国を交えて開かれたシムラ会議では、チベットは中華民国の主権下に置かれ、英国にアッサム地方との国境線(マクマホンライン)を認めさせられた。」というのが国際的な認識であったわけだ。だから、中国側の、チベットは独立国ではなかったという主張も間違いではないわけである。それにしても、イスラエル、パレスチナ問題でもそうだけど、ここでもイギリスが中華民国に「チベットは中華民国の主権下」と約束したことが問題の発端になっている・・。イギリスってやつは・・。ロンドンで聖火リレーに抗議活動をした英国の諸君には、自国の過去も反省してほしいものです。
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2008/4/23

強姦罪が親告罪であることが必要だと思う理由  時事問題

この問題について書くことは女性の人権問題について理解が足りないと怒られるかもしれませんが、僕は男性であり実際、見方が偏っているかもしれないことを最初にお断りしておきます。
強姦罪が親告罪であるため、表面化しにくく被害が埋もれてしまうというのは分かるのですが、だからといって親告罪であることをやめてしまうというのには反対です。
理由は、それでは、本当に性犯罪をおこなっていない人までが犯罪者にされてしまう危険性が高いからです。親告罪でなく強姦罪が成立してしまうならば、たとえば検察や警察が目をつけた左翼活動家などを強姦罪で摘発して有罪にしてしまうことも出来るようになってしまいます。親告罪でなくていいなら、仮に当の被害者とされる女性が強姦ではないと主張していたとしても、それは女性が真実を言えないでいるのだという論理で強姦罪として成立させられてしまうかもしれません。つまり、女性の人権を守ると言いながら冤罪をつくってしまうわけです。
裁判というものは、当たり前ですが、冤罪をつくってしまってはいけません。被害者側の主張に対して、加害者側に反論の弁論をする機会は与えられなければならないし、それは被害者、加害者双方に公平に機会を与えなければ事実を明らかにできないと思うし、裁判が成立しません。これは女性の人権を軽視しているから言うのではなく、女性だろうと男性だろうと被害者、加害者双方に公平に弁論をさせなければ裁判が成立せず冤罪がつくられることになってしまうからです。
以上のことから、強姦罪が親告罪であることは冤罪をふせぐためには必要なことであるように僕は思うのですが。
この点も考慮に入れた上で、女性の人権を守るためにはどうすればいいのかと考えてほしいように個人的には思います。
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2008/4/22

チベット問題について複雑な気持ちがすること  時事問題

先程、光市母子殺害事件の裁判についての記事をあげたらアクセス数が急に増えているような・・。やっぱりこの件に対する世間の関心は高いのでしょうか・・。

ちょっと話題を変えて、別の記事をあげます。

といって、前々記事の「中国に抗議するならはっきり北京五輪ボイコットを!」の記事で、コメント欄のレスで書いたことそのままなんですが、コメントへのレスの形で僕なりにチベット問題について考えていることをとりあえず要点をまとめて書いたので、独立して記事にしておきます。
(もっとも、「いまだに考えがよくまとまらないでいる」という「考え」なんですが・・。相変わらず優柔不断な性格の人間で、すみません。・笑)

「それと僕がこの問題で複雑な気持ちがするというのか、いまだに考えがよくまとまらないでいるのは、前のコメントのレスでも書いたのですが、チベットの独立とか、自由をとか、口で言うのは簡単なんだけど、そもそもその具体的な実現のビジョンというのがあるのだろうか?と思うからです。
中国と戦争するだけの力はありませんし、仮に世界の声を受けて話し合いでチベットの自治が確立されたとしても、経済的にもチベットが独立したとして果たしてやっていけるのだろうか?と思うのです。
まあ、チベットの自治が実現したら、世界中から歓迎して訪れる観光客などがいるかもしれないから、そういうのを相手にある程度、稼ぎはあるかもしれないけれども、しかしラマ王朝を復活させても、あまりに国としてのあり方が特殊なので、なかなか世界と自由に貿易する開かれた国にはならないように思います。そうすると、ネパールのように、王制を廃止して民主国家になるのか?ということも考えないといけないのですが、しかしそれはダライラマが王の座を降りることでダライラマとしては承諾できるものではないでしょう。だから、本当に独立したら王制の廃止につながっていくわけだから、ダライラマとしては独立までは望んでいない、ただ自由な自治をさせてほしい・・ということを主張されているのではないかと思います。このように、チベットの独立、自由ということと、ラマ王朝の復活ということにはジレンマがあるので、判断が難しいように思うのです。」
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2008/4/22

光市母子殺害事件 やはり予測していた通り死刑判決が出ましたが・・  時事問題

*僕は個人的にはこの光市母子殺害事件の広島高裁の裁判官は判断を間違えていると思うし、弁護団は上告して闘い続けるべきだと思いますが、しかし本村洋さんがこの会見で述べている、
「遺族としては当然、応報感情を満たされたわけですから、報われる思いはありますが、社会にとってみれば、私の妻と娘、そして被告人の3人の命が奪われる結果となったわけです。これは社会にとって不利益なことです。」
「やはり刑法っていうものは社会秩序を維持するための目的を達するための手段だと思っています。死刑という大変重い判断が下されましたが、これで終わるのではなくて、私たち遺族もこの重い判決を受けて真っ当に生きていかなければいけないと思いますし、社会のみなさまにも、どうすれば犯罪の被害者も加害者も生まない社会を作るのか、どうすればこういう死刑という残虐な、残酷な判決を下さない社会ができるのかを考える契機にならなければ、私の妻と娘も、そして被告人も犬死だと思っています。死刑の存廃等の問題が騒がれるようになるかもしれませんけど、刑罰はどうすれば私たちが安全な環境を作れるかということを考える契機にならなくてはいけないと思いますので、そういった方に社会が向いていくことを望みます。」
という発言はまったくその通りであると思うし、この本村さんの発言は支持できるものだと思います。僕の場合は、だからこそ、この加害者に死刑判決を出すべきではなかったと考えるのですが、その点が本村さんとは意見が異なってくるのかもしれませんが・・。
以前にも書きましたが、弁護団の主張、本村さんの主張、双方とも支持する・・という僕の考えに変わりはありません。

(ニュース)
<光母子殺害>【本村洋さん会見詳細】<1>「裁判所の見解は極めて真っ当」
4月22日13時11分配信
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2008/4/20

中国に抗議するならはっきり北京五輪ボイコットを!  時事問題

中国で大規模な反仏デモが起こってきました。
フランスの一部の選手などが中国への抗議を身につけて競技に参加するといったことを言っていましたが、この状況ではそういうやり方は見直したほうがいいように思います。
中国への抗議の意思を示すなら参加しない、ボイコットするというほうがまだはっきりしていていい。
競技には参加して自分の記録を出しておきながら中国への抗議の意思を示すというのは中国人側の感情を煽るばかりで逆効果のような気がします。
今度は激怒した中国人が選手に危害を加えてオリンピックが混乱しないかと心配です。
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2008/3/21

チベット  時事問題

何がどうなっているのか・・

とりあえず、下記のリンク先が詳しくて参考になります。

http://nvc.halsnet.com/jhattori/green-net/Tibet/index.htm
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2008/2/21

石井敦「なぜ調査捕鯨論争は繰り返されるのか」  時事問題

『世界』3月号の、石井敦氏(東北大学准教授)の一文「なぜ調査捕鯨論争は繰り返されるのか」は、日本が続けている調査捕鯨のどこに問題があるのかを分かりやすく分析していて、参考になります。
やはり、日本は捕鯨を日本近海での捕鯨に限り、南極での調査捕鯨はやめるべきなのではないかと僕は思います。


『世界』
http://www.iwanami.co.jp/sekai/

石井 敦
 日本の悲願は果たして「商業捕鯨一時停止(いわゆるモラトリアム)の解除」なのだろうか。そうだとすると、日本政府のIWC(国際捕鯨委員会)などでの国際的な振舞いにはおかしなところが多い。日本は何を目的として、反捕鯨運動をあおり、国際的評価のまったくない「調査捕鯨」で日本の科学的信用を失墜させてまで、国際法違反である可能性のある調査捕鯨を続けるのだろうか。
 捕鯨についての国際会議へのオブザーバー参加も多い筆者が日本の捕鯨外交を多角的に分析、批判する渾身の論考。

いしい・あつし 1974年生まれ。筑波大学大学院修了 (経済学修士)。国立環境研究所を経て、現在、東北大学東北アジア研究センター准教授。専門分野は国際関係論・科学技術社会学。日本の捕鯨外交を分析した論文はBBCラジオで推奨論文として紹介されるなど、国際的に注目されている。
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2008/1/17

環境保護団体「シー・シェパード」の主張のことだけど・・  時事問題

なんか、オーストラリアの領土権主張の領土問題と、捕鯨問題がごっちゃになっているところが分かりにくい。
国際的な観点で、鯨は減ってきていて、絶滅の危機にあるから捕鯨を控えるべきだという主張は、それはそれで検討してみる必要があるものではないかと思うのだが、なら領土問題は絡めないでほしい。オーストラリア国民の支持を得るために、領土問題の主張をくっつけたのかもしれないが、国際的には南極の領土権を主張することは凍結している状態なのだから、国際的な観点で捕鯨問題を主張している団体が、そこだけ、国際的なコンセンサスを無視して突然、領土権の主張をするというのはおかしい気がするんだけど。

しかし、日本の側も、どうしてここまで世界から非難を浴びてまで、南極に鯨をとりに行くことにこだわっているのか、いまいち、よく分からない。別に日本近海での捕鯨にとどめておけばいいのではないかと思うのだけど。

それより、僕が気になるのは、ほんとのところ、鯨は減ってきていて、絶滅しつつあるのかどうかということである。日本側は絶滅を危惧されている種でない鯨なら捕鯨は問題はないと主張しているが、しかし、日本側が示しているのは、地球温暖化問題を視野に入れたデータではない。南極は、地球温暖化の影響がとりわけある地域なので、実際に鯨が温暖化の影響で急激に減ってきているということは考えられることではある。アザラシは減ってきているのが目に見えるから分かるけど、鯨は減ってきていても水中で目に見えないから人間が把握していないだけなのかもしれない。実際に南極で鯨が急激に減ってきているのであれば、日本が南極で捕鯨を続けていることは(絶滅を危惧されている種でなかったとしても、もしかしたらまだ人間が把握していないだけで、他の種の鯨も南極では絶滅の危険性が出てきているのかもしれないから)問題があるとは言える。

とすると、反捕鯨の環境保護団体がするべきことは、南極の鯨の生態を調査して、実際に鯨が急激に減ってきているのか否かをたしかめることではないだろうか。もし、そうした現象を確認し、データを示して日本の捕鯨に抗議するのなら、より説得力を持つ抗議になるのではないかと思う。僕は、日本側が示しているデータも、今、これだけ騒がれている地球温暖化問題の影響をまったく考慮に入れていないものなのでちょっとどうなのかと疑っているのだけど、しかし、それに対して反論するのであれば、やはり実際に南極で鯨が減ってきているのか否かをたしかめ、データを示す必要があるのではないかと思う。
環境保護団体「シー・シェパード」は、日本の捕鯨への批判を、領土権の主張に絡めて主張するのではなく、そのような南極での鯨の生態調査に基づき行なうようにしたほうがいいのではないだろうか?
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2007/12/13

「企業の論理」が分からない・・  時事問題

(中日新聞のコラムより)
2007年12月12日
 こういう人のことは、ぜひとも子どもに知ってもらいたいと思う人がいる。トレーラー運転手だった岐阜県各務原市の男性もそんな一人
▼九年前のある日、岐阜県大垣市の国道で軽自動車の横転事故が起きた。通りかかった男性はビール原料を運んでいたトレーラーを止めて、軽自動車に閉じこめられていた女性二人を救助する。さらには、後続車のことを考え軽自動車を動かそうとした。そこへ別の車が衝突し…
▼そのまま現場を通り過ぎていれば、命を落とすこともなかった。実際、同じ状況でそうする人だっていようし、そうしていても罪に問われることもなかっただろう。だが男性には、できなかった。後に、妻と娘二人が残された
▼妻は、亡夫の労災適用を求めた。だが「業務中断後の行為」だと、認めてもらえなかった。理由は、たとえば「被災者(男性)のとった人命救助の行動は、事業者からの特命はなく…私的、恣(し)意行為」であると。夫のしたことを「出過ぎたこと」と言われているような気がした。妻は国を訴えた。きのう第一回口頭弁論があった。国側は争う構えだ
▼労災適用がルーズでは困る。けれど、国の姿勢は社会へのメッセージでもあろう。男性の行為を「業務の中断」だと冷厳に退けては、仕事中の者が、事故現場に居合わせても、会社の特命がなければ、おちおち人命救助もできない、ということになりはしないか
▼そして、その男性のした行為こそ、子どもたちに一番教えたいことなのに。「見て見ぬふり」が、決して少ないとは言えない、この時世に。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2007121202071420.html


*まあ、法律で厳密に言うならば、このケースは労災には当たらないのかもしれない。この男性の行動は業務行為とは言えないものかもしれないので。
しかし、僕がよく分からないのは、この男性を雇っていた会社がどうしてそこまで労災ではないと頑張って、裁判で争ってまで労災を認めようとしないのかということなのだが・・。裁判までして争うよりも、このような勇気ある社員がいたことを讃えて積極的に顕彰したほうがその会社の評判をあげることにもなるのではないかと思うんだけど・・。この会社の「企業の論理」が分からない・・。
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2007/10/11

小沢民主党のアフガニスタン自衛隊派兵案について(続き)  時事問題

前記事の「小沢民主党のアフガニスタンに地上軍派兵案をいかに批判すればいいのか?」と重なる内容のコメントを、「お玉おばさんでもわかる政治のお話」のブログの記事のコメント欄に書き込んだところ、BLOG BLUESさんという方から、小沢を護憲派と考えるのは間違っているといった旨の反論があり、BLOG BLUESさんのブログのコメント欄でやり取りをすることになりました。
結果として、自分なりに前記事の考えを少し深めることが出来たように思うので、こちらのブログにもそのコメント欄に書き込んだものをそのまま転載させて頂きます。

BLOG BLUES
護憲勢力最強のライバル小沢一郎
http://blogblues.exblog.jp/5981356/

「レス、有難うございます。
blog-bluesさんは小沢一郎をバッシングしているというのとはちょっと違いましたね。僕の前のコメントは論点が見当違いのものだったかもしれません。
少し、冷静になって改めて考えてみました。
僕は今回の小沢氏の一連の発言から、憲法9条を改正する方向性から憲法の条文はそのままで解釈によって集団的自衛権を認めていく方向にいったのかと思ったのです。それも結局は集団的自衛権を認めるのだから解釈改憲というもので実質的には改憲なのだと言われるかもしれませんが、それでも、アメリカに言われるままに自衛隊を出す場合と、国連の決議のもとに出す場合とでは意味合いが違うと思います。少なくとも、イラク戦争のように国連決議を通らなかった場合はアメリカが要求しても自衛隊を出せないということになるわけですから。
僕が小沢氏がはっきり改憲することから憲法の条文がそのままで自衛隊を派兵する方向になったと考えたのは、これは僕の憶測ですが、その形のほうが民主党がまとまるのではないか?と思えるからです。

民主党には改憲派の人と護憲派の人とがいるようですから、憲法改正案を民主党でまとめて自民党への対案として出そうとしてもなかなかまとまらないと思うし、下手すると党が分裂してしまう危険性があると思います。
ですから、憲法を改正しないままで集団的自衛権を実質的に認めるという方向のほうが、それだと憲法改正を打ち出す必要もないということになりますから、党内がまとめられると思うのです。
また、同じ海外派兵でも、アメリカにべったりの自民党とは違いがあるし、その点で自民党との違いを打ち出せると思うのです。
なので、小沢民主党がそういう方向にいってもおかしくないように思い、それでお玉おばさんのブログの記事のコメントには、最初のコメントは僕の憶測で書いたのだけれど、その後に『世界』の小沢氏の文を読んだらはっきり憲法改正の必要はないという考えが書いてあったので、すっかりそのように思って自分のブログの記事にもそう書いたのです。

もちろん、これが言われているように事実に反した僕の思い込みというのか、僕の考え違いであるという可能性はあるとは思います。しかし、当然のことですが、僕自身は事実に反していると思っているのではなくて、それが事実なのではないか?と思って書いたわけです。そこが認識の違いということなのでしょうが。
同じ自衛隊の海外派兵でも、自民党の場合と国連主義の小沢氏の場合とで違いがあると思うのは、具体的には今後、考えられるイラン戦争のことが頭にあるからです。イランへの制裁はアメリカやフランスは積極的なようですが、常任理事国で反対する国はあると思うし、なかなか国連決議を通らないと思うのです。なので、今の小沢民主党の姿勢ではイラン戦争が起きた場合にアメリカが日本を参戦させたくてもできないことになるので、その点で注目するわけです。もちろん、可能性としては、仮に民主党政権ができて、国連決議を通らずにアメリカがイラン戦争を開始したとして、その時にはまた小沢が別のことを言い出し、ことによったら今度ははっきり改憲を言い出す方向に転換することはあるかもしれません。

しかし、もし本当に小沢がそのように国連決議をへてなくてもイランへ自衛隊派兵を始めたら、あまりにも今、言っていることと違うので、その時は野党になっている自民党の側からももちろんですが国民がその変質を批判すると思います。さすがにそこまで言っていることを覆すことを小沢が始めたらそれでも多くの人が小沢を支持するとは思えません。だから、もしそのように小沢が変質したら、その時こそ、小沢を徹底的に批判すればいいのだと思います。しかし、現在の段階で、実は小沢は本音は改憲で、将来的には改憲を言い出すだろうとまで言うのは決め付けすぎているように思えます。実際のところ、小沢がアメリカを敵にまわしても国連主義を貫き通すのか、変質するのかは現時点ではわからないように僕は思うのですが、いかがでしょうか?
長々、失礼しました。」
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2007/10/9

小沢民主党のアフガニスタンに地上軍派兵案をいかに批判すればいいのか?  時事問題

民主党の小沢一郎代表が、自衛隊はアメリカ軍への給油活動はやめるべきだけれども、国連のISAFの活動として地上軍をアフガニスタンにおくる活動はするべきだという旨のことを言い出し、自民党の側がそれは憲法9条違反で出来ないと否定するという、ちょっと意外な(?)展開の論戦になってきたようです。

これについて自分なりに整理してみます。

小沢氏の主張は、発売中の『世界』11月号に論点がまとまって記されています。

報道によると、自民党の石破氏が小沢氏の主張を憲法違反で出来ないと言っていて、石破氏のほうが護憲派みたいな発言をしていてびっくりですが、でも考えてみれば石破氏が小沢氏の主張に反対するのは理屈としては当然で、自民党は補給・後方支援活動だったら集団的自衛権に抵触しないと解釈しているので、そこまでは行なうけれども、今後、それ以上の海外での軍事活動が出来るようにするためには憲法を改正するべきだという考えなのでしょう。
小沢氏が主張するように、ISAFで復興支援で地上軍をおくることも憲法違反でなく出来るのであれば、憲法を改正する必要もなくなります。
『世界』11月号でも、小沢氏は憲法9条を改正する必要はないとはっきり考えを述べられています。
また、ここで小沢氏が言うことは、ISAFというか、復興支援だから憲法違反ではなく自衛隊を派兵できるということではなくて、国連の決議をへた平和維持活動のものならば参加できるという考えのようです。つまり、PKOだろうとISAFだろうと国連の決議をへたものならば憲法を変えなくても集団的自衛権を行使できるというのが小沢氏の考えなのではないかと思われます。
この小沢氏の考えによると憲法を改正しなくても集団的自衛権を行使できるのですから、憲法を変える必要もないという主張になるのではないかと思います。これで小沢氏が改憲を言ったら、それこそ理屈があいません。

もしかしたら、民主党には改憲派の人と護憲派の人とがいるようだけれども、小沢氏は改憲しなくても憲法9条のままで集団的自衛権を行使するようにするという行き方で、憲法改正の議論自体をもはや必要がないものとして、党内をまとめる考えなのかもしれません。

さて、それでは、こうした小沢氏の主張に対して、どのように批判をしていったらいいのでしょうか?
小沢氏の主張に対して、「それは憲法違反である」ということをいくら言ったとしても、「いや、私の解釈では憲法違反ではないのだ」と反論されるだけで、議論が平行線にしかならないことは明らかです。なので、「憲法違反である」と言うだけでは批判としてあまり有効ではないような気がします。
やはり、具体的に、なぜアフガニスタンに自衛隊を派兵することに反対であるのかを、現在、アフガニスタンで行われていることを個別例として考えて批判していくしか、ないのではないでしょうか?

そもそもいくら国連主導の平和維持活動のための軍隊投入であったとしても、他国の軍隊が入ることが本当にその国にとって平和をもたらすことになるのだろうか?という根本的な疑問がまずあります。
しかし、どんな局面でも、一切、軍事的活動はするべきではない、一切、軍事的活動というものは間違っている、世界中のすべての国は武力を放棄して非暴力、非武装主義の国家になるべきである・・とまではさすがに現実離れしていて主張できないことのようには僕も思います。(もちろん、理想としては、ジョン・レノンの歌のように世界中のすべての国が軍隊を廃止して、戦争が世界中から一切、ないようになったらいいのに・・とは思いますが、さすがにそれは今すぐに実現し得る話として考えるのは非現実的すぎるのではないかと思います。)
どこかの国が他国から侵略された時に、その国の人たちに対して、戦争はいけないことなのだから一切、抵抗しないで非暴力主義を貫きなさい・・とも僕には言えません。
だから、現実的には一定程度、平和維持のために必要な軍事活動というのはあることは認めるしかないとは思います。
それでも、出来る限り、武力や戦争の手段に訴えないで平和を維持することが出来ないだろうか?と思いますが。
武力という手段により戦争に発展した場合は、いくら目的が平和を維持するためのものであったとしても、結果としてはその戦争が行われている国の平和を維持するどころか、よりその国の土地を荒廃させ、混乱した状態にすることもあるのではないかと思うからです。ですから、出来る限り、武力の手段を用いないで事態を解決できないか?と思うわけです。
たとえば、テロリストとの戦争と言っても、厳密にテロリストに対してだけ、武力で制裁することが出来るのならばまだしもだとは思うけれども、周辺の無関係の民間の人たちが巻き込まれて犠牲になり、もしかしたらその犠牲になった人たちの中からまたテロリストがあらわれて、つまり憎悪、復讐の悪循環になるということもあるのではないかと思います。
そして、アフガニスタンで現在、続いている戦争は、まさに僕が今、書いたようなものになっているのではないか?と危惧しています。
そもそもビンラディンをかくまっているタリバンへの制裁として戦争を始めたのは間違いであったと僕は思うし(ビンラディンを逮捕するために必要最低限の武装した人たちをおくるなどの警察的な活動は必要であったとは思うし、その範囲で戦闘が行われることは仕方がなかったとは思うけれども、民間人に多大な犠牲が出るような戦争を欧米が開始する必要性はなかったのではないでしょうか?)、現在のISAFの活動で欧米の軍隊が駐留していることが本当にアフガニスタンを安定、平和にしているのかは、はなはだ疑問です。むしろ、欧米の軍隊が駐留し続けていることこそが、アフガニスタンでの戦争を終わらないものにしているのではないでしょうか?
そのように考えるので、結局、ISAFの活動として自衛隊をアフガニスタンにおくることが、アフガニスタンにとって本当に平和をもたらす活動になるのか否かが僕は疑問なわけです。
ですから、アフガニスタンに自衛隊の地上軍をおくることには僕は反対です。

とはいえ、僕も、一切の国連の平和維持活動に反対であるとまでは考えていません。
では、たとえばスーダンのPKO活動に自衛隊が参加(参戦)することについてはどう思うのか?と聞かれるかもしれませんが、これについては現在、考えを整理中であり、現時点でははっきりとした自分の考えを述べることが出来ません。

(補足)
スーダンについて考えを整理中と書いたけれども、僕が漠然と考えているのは、紛争処理に軍事的介入も仕方がない逼迫した状況なのだとしても、国連軍という形で欧米や中国の軍隊が入っていくと、それが利権争いに発展していくということはないのかな?という危惧があるので、国連が軍隊をおくるにしても、たとえばアフリカの国々から軍隊を集めてそこにすべて任せる、欧米や他の地域からの軍隊はおくらない・・というようなやり方は出来ないだろうか?ということです。(欧米や中国による利権争いをなるべく絡めずに事態を収拾するため。)
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