事前に“ささやん”から、山田ダムのダムサイト対岸1番で型物が出たとの情報を得ていた私は、1番に直行。しかし、残念ながらすでに誰かの釣台がある。仕方なく2番へ下りてみる。一旦、釣台をセットしてみるものの、ウキの立つ地点が山の影の切れ目になり、見づらそう。それに、なんとなく、その気にならない。
何処に入ろうか?主だったポイントは、満席ではないものの入釣者がある。トウフが目についた。噂では、9月14日頃にポンプによる排水を一旦停止すると聞いていたのだが、以前、“ささやん”から、トウフの釣期はポンプが動いている間だと聞いていたのを思い出し、最後のチャンスに賭けようと、トウフの右に入る。
そう言えば、管理池でもポンプ等、水の流れのある所の近くで、いい思いをした事がある。すでに、トウフの真ん中に釣台が一つある。釣台の主が現われた。“黒シャツさん”だ。「隣に入らせてもらってもいいですか?」と声を掛けると、「どうぞ、どうぞ!」と。さらに、「何尺、出されてますか?」と尋ねると、「18尺やけれど、気にせんと、好きなん出して下さいよ!」と気持ち良く言って下さる。『なんて、いい人や・・・』
6時過ぎ、18尺3本の宙でスタート。今日は、いつもと違って、ジャミのお迎えが無く、最初から、ウキが良くなじんでくれる。1時間程エサ打ちをした頃に、1節スッと入るアタリが来たがカラツン。ヘラじゃなかったのかなと思いつつ、エサ打ち再開。ウキが立って、エサ落ち目盛前後の所で、何かつっかえる様な感じ。タナをウキ半分(約30cm)浅くしてみる。ナジミは良くなったが、サワリが無くなる。今度は、約15cm深くしてみる。そんなこんなで、私のウキは、2本半から3本半の間を、行ったり来たりの悪いパターンにはまってしまう。
そんな時、スロープ下で頑張っている“かっちゃん”が床で、ヘラとマブを3連荘。それを見た、私と“黒シャツさん”は、タナを床に変更。すると、数投で、私にもマブが来た。が、後が続かない。
約90分の昼寝を挟んで、14時に再開。このままでは、なんの進展もないと思い、“黒シャツさん”にことわりを入れて、21尺を出す。また、午前中の唯一のアタリが3本のタナであった為、午後からは、3本のタナの決め打ちで行こうと決める。
15時頃、18尺の床をやり続けていた“黒シャツさん”に44cmが来た。傷一つない、そこそこ体高もある綺麗なヘラだった。“黒シャツさん”の釣り姿に拍手を送る一方で、『午後からは、21尺の3本の宙で決め打ちする。』と決めた心が揺らぐ。
『いつか、後1回は必ずいいアタリがある。その時、チャンスを逃さない様集中しよう。』と自分にいい聞かせた。そして、そのチャンスは遠からず訪れた。15時半頃、なじみきった直後に、2節ズバッと入るアタリ。すかさず合わせた。しかし、最初ちゃんと乗ったのに、2度締め込んだ後、ハリはずれ、そして、大きなウロコが1枚ヒラヒラと・・・。
「あ゛ち゛ゃー!」。それを聞いた“かっちゃん”が「どうしたんですか?」傷心の私に代わって“黒シャツさん”が事情説明。「これで今日1日、終わってもうた・・・」と私。
ほとんどあきらめかけたが、時間がある間は頑張ろうと再開。そして、16時過ぎ、チャンスはもう一度やって来た。今度もウキがなじみきった直後に、湖面にあるトップ3節がズドン!合わせた!乗った!今度は『間違いないっ』、深いタナからのやりとりはスリリングだ。強い引きに、両手で竿を持ち、へっぴり腰スタイルで耐える。徐々に竿を立て、無理しない様に、魚を引き寄せる。そして、ようやく玉網に納まったのは、今期2枚目の尺半、45.3cmだった。
“黒シャツさん”が手持ちの写真を撮って下さった。何枚も尺半や50上をあげておられる方が多い山田ダムでは、ちょっと恥ずかしいが、自分としては、大変、満足の行く結果となった。
過去の2枚と比べると、体高が・・・、まぁいいっか!
あっーおもろかった!

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