やっとゲートが閉じられた山田ダムに、4月10日・11日と釣行した。次、ダムゲートが開くのは、灌漑目的に利用開始される6月半ば頃。それまでは、増水が続く。これで山田のヘラも、ハタキに向けて加速する。
増水したとはいえ、ハタキ場となる台地が冠水するまでには至っていない、当日の各ポイントでは、単発的なセリが散見されるにとどまった。
紀ノ国
奥広田
野田原
バックウォーターでも透明度の高い場所では、3匹ほどのオスが1匹のメスを追いかけ回す光景も見られたが、まるでそれは
『アンタ達ひつこいわね、ワタシまだ準備出来てないのよ!』とでも言っているかの様だった。
タイミングとしては、ハタキ直前。ワンドに入ったヘラを狙おうか、さんざん悩んだあげくに、ワンド入り口を狙う事にした。まだ、ワンド内に入って来ているヘラが、量的に少ないのと、サイズ的にも第1陣となるグループは概して小さいのが多いからだ。
で、釣り座を構えたのは、素人岬・沈みの1本松のポイント。早速、床を計ってみる。18尺2本半で底が取れる予定だったが、チョウチンでも床に着かない。脳裏には、早くも移動の2文字がちらつく。
16尺にすると、なんとかチョウチンで底が取れた。今回は、これ以上短い竿は持って来ていない。
『深すぎるけどなぁー、これでやってみるか…』
釣り始めて1時間もしない内にサワリが、『あっ!おるやん!』。そして、ほどなくして釣れて来たのは、41cmのマブナ。『うーん、やっぱり深すぎるんかなぁー?』
その後、コイらしき者にハリスをぶち切られ、午前の部を終了。仮眠を挟んで、午後から再開した。今日は、最高予想気温18℃、風もなく、とてもいいお天気だ。対岸の沿道に咲く桜も満開。ウグイスの声も前回来た時より元気が良い。ただその声が、
「
ホーヘタコ
」と聞こえるのは、気のせいか?
それを実証するかのごとく、今年の初ベラ27cmが釣れて来た。
『ちいちゃいけど、よう引いたなお前、将来見込みあるぞ!』
『正真正銘のちゃんとしたヘラやぞ、チャンベラだけに…』
小さいなりにヘラが釣れて来たので、そんなにひどく間違っている事している訳でもないなと思えて来た。ウキの動きも、エサ溶けが速くなったり、たまにサワリがあったりと、警戒しながらもエサの周りに魚が寄って来ている水中の様子を伝えている。
ただ、なかなかアタリへと発展しない。「食い渋り」と一言で片づけてしまうのは簡単だ。『どうしたら、食って来るだろう?』何か手を打たなければ…。何か手を打つという事は、つまり何か変化をつける事に他ならない。
チェックすべき項目は、たくさんある。エサの大小・硬軟・品種、ハリのサイズや重さ、ハリスの太さに段差…挙げれば切りがない。
ただ、状況によってチェックするべきプライオリティは変わって来る。今の状況なら、タナだろうと考えた。現状のタナを基点として、約5cm位浅くしたり、深くしたり、片ズラシから共ズラシまで、試してみる。あくまで水中のイメージだ。
まず浅くした。それまであったサワリが消える。基点に戻すと、サワリが復活。今度は深くする。
深くしての2投目で、1節半ほど入る固いアタリ。ここから先は、まるで前回釣行の再現VTRを見る様だった。
『アンタも懲りない人ネ!』と何処からか声が聞こえて来そうだ…
やっさんワイルドだろ?
2週連続の巨ゴイだぜ!
60cmの検寸台をこんなに飛び越してるぜ!
でも、ヘラはとっても小さいぜ!
ブログのネタが出来ましたと、釣友に写メを送る。
折り返しかかって来た“ささやん”からの電話に出ると、“ささやん”がいきなり歌い始めた。

コイも2度目なら少し上手に 愛のメッセージ伝えたい
なるほど、中森明菜の『セカンド・ラブ』ね。
今日の1曲にしようかなと思ったけど、
天の邪鬼な私が選んだのは、『4月のコイ』
また来たらえーやん

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