猛暑ーがないねぇー、この暑さわー!
この夏の最高気温が記録された日、またまた山田ダムに行って来ました。
釣行前日、数人の釣友から激シブの釣況を知らされた山田ダム。それを証明するかの様に、夜明け前に到着したダムサイトは、土曜日だというのに、ステージ下に2台の釣り台がある以外はがら空きです。
一通りポイントを見て回りますが、今一つ決め手がありません。釣友のアドバイスに素直に従うなら、『ステージ周辺はジャミで釣りにならないから、ウキがなじむ涼しい対岸の方がいいよ…』なのだが、どうしても、ステージ下岩場とトウフ右が気になる。
どちらも1級ポイントだ。特に、トウフが空いている事は少ないのだが、減水が進んで足場が悪くなったのと、最近の釣況と、この殺人的な暑さの為か空いていた。
さんざん迷ったあげく、トウフ右にした。ポンプが稼働している音がしている。トウフの右斜め前には、取水口がある。水位がオーバーフローより低くなった際、下流域の田畑に水を送る為、ポンプで吸い上げる。その為、目では見えないが、水中では緩い流れが発生しているはずだ。たぶん。水の流れのある付近は、よいポイントとなる。バックウォーターの流れ込み、然りである。
その取水口に向けて竿を出すべく、釣り座を構えた。あまり右に行くと赤土になり足場が悪くなるので、やや左側に釣り台を据えた。竿は18尺だ。9時半までこの位置だったが、その後は約2m右に寄った。赤土で足場が悪くなるのも顧みず、その必要に迫まれて、竿も21尺に変更した。この行動は吉と出るのか?
暦の上では立秋も過ぎ、一時に比べれば夜が明けるのは少し遅くなった。“朝日の当たる家”じゃなかった“朝日の当たるトウフ”に“大御所”が現れた。『“やっさん”横に入ってもえーか?』『あーどうぞ、どうぞ!』『2人でやった方が、ジャミも二手に分かれてえーやろ(笑)水曜日は、ジャミ大人しかったらしいけどな…19尺出すけどかまへんか?』『あっ、ぜんぜん大丈夫です。』
後から来られた“大御所”の方が早く準備が整い、エサ打ち開始。19尺が石碑下方向に向けて、純白で大粒な2個のエサを運ぶ。自作のウキがスッと立ち、ロングトップが静かに水中に送り込まれて行く。『おっーなじむな!最初だけかも知れんけど?』。
私は、その情報を聞く前に、18尺と軽いウキと薄緑色のエサを用意し終えていた。釣友からの『ジャミがキツイから、エサは素マッシュがいいよ!』のアドバイスは充分心得てはいたが、ダムの釣況は毎日の様に変化する。自分にとって、もっともオーソドックスなパターンからスタートして様子をみる。
“大御所”の素マッシュが、よくなじむのに対し、私の麩をブレンドしたマッシュの方は数投目からナジミが悪くなり、挙句の果てには突っ立ったまま微動だにしなくなった。
失敗したな…だがこれもやってみなければ分からない事。反対の結果が出る事だってある。しかし、結果が出た以上、修正は素早くやらなければならない。まだ3分の1残っていたエサだったが、マッシュとグルテンのブレンドエサに作り替えた。ただ残っていたエサは、捨てなかった。これが後で役に立つ事になる。
エサを替えてから、ナジミは改善しアタリも見られる様になった。だが上手く合わせる事が出来ても、釣れて来るのはブルーギルだけだ。あまりのいいアタリに、今度こそはと思ってみても、ブルのダブルだったりする。しかし、ウキが伝えて来る気配の中には、ヘラのそれも混ざっている様な気がするのだが…
一方“大御所”の方は、エサの落ちる先でよいもじりがあり、いつ落としてもおかしくない状況にあるのだが、それ以上の進展がなく、『何があかんのやろなー…』と呟いておられたが、『明日は対岸でやるわ、“やっさん”こっち移って来たらどうや…』と言い残して、あがられた。
私はそのタイミングで、一度上がってダムゲートから自分の釣り座を見てみる。『やっぱり、足場に多少難があっても、もう少し右に寄るべきやな、それに竿をもっと長くして、少しでも取水口に近づくべきやな。
10時半頃、移動と仕掛けの変更を完了すると、今度は“法師様(ライオン親分)”が現れた。『“やっさん”隣でナイターさせてもらってもえーか?』『どうぞどうぞ、昼はしないんですか?』『うん、ナイターに備えて休憩して来るわ、16時頃から始めるわ…』
今日はすごい日だ、2大巨頭と並んで釣りをするなんて。
21尺に変更したと同時に、ウキもペレダンゴ用のデブパイプトップに変更した。いつもは1.2mmのPCトップで、ブル対策用に、エサを練り込んで硬めで使用するのだが、シズを食うだけのウキだと、いざヘラが寄って来てジャミが散ると、ウキが沈没してしまう。いつもは、そのタイミングで手水と大きさ・形の調整で沈没しない様にするのだが、実は沈没した最初の投餌が一番チャンスが大きかったのではと感じていた。そのチャンスロスというかタイムロスをなくす為に、重たいエサを背負えるこのウキにしてみた。
釣り台を約2m移動し、竿の方向を少し変え、竿を3尺長くし、ウキをデブトップにした事によって、ずいぶんいい感じになって来た。11時近くになっていた。この辺で休憩に行っとくべきなのだが、行くに行けない。釣り台の上で、パン2個を食べそのまま続行。
熱中症には充分気を付けなければならない。自宅でキンキンに凍らせた4本のボトル缶コーヒー(缶の中身は自宅で作ったコーヒー)と2本のペットボトルのお茶(これも中身は自宅で入れたお茶)を持参している。その1本をタオルに巻いて首を冷やし、溶けたら飲むの繰り返し。
このポイントは14時を回ると、日陰が出来て来る。ちょうどその頃、硬いエサが完全に溶けるまで待って・待って・待って、仕掛けを回収しようとした時の事、根掛かりの様な重みを感じた。合わせをくれる事は出来ず、そのまま魚とのやりとりが始まった。水面に体を現したその魚は、確実に尺半あるヘラだったが、かかり浅かったのだろうバレてしまった。
あっー何と言うこった!合わせていなかったので、悔しい気持ちもMAXにはならなかったが、もったいない事をした。
気を取り直して再開。約20分程してサワリが出て来た。今度こそ逃がさんぞぉっ!小さいながらのいいアタリに手を出すが、乗らず。うーん、どうしたもんか?そうだ!残しておいた麩をブレンドしたマッシュを、バラケがわりに上バリに付けてみよう。
さあたのむでー、願いを込めて振り込む。ウキが立つ、ゆっくりなじんで行く、なじみきった、息を殺して待つ、来るぞ、来るぞ、来たぁっー!力強い節アタリ!乗ったぁー!
デカイ!太い!うーん?尻尾が半分無い……
あーおもろかったけど、また来なあかん!

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