42センチしかありません。手持ちサイズではありませんが、私にとっては価値ある1枚です。
ハンドルを握る左手は、気持ちよくリズムを刻みます。春と秋、年2回の旭川遠征。期待に胸膨らませ、西へ西へと車を走らせます。
喜連瓜破の高速の入り口で“ささやん”と待ち合わせしたのは午前2時。経済走行でも3時間かからずに、現地に到着。先着していた“黒シャツさん”はナイターウキを使ってすでに釣りをしていました。この日のお昼に到着予定の“日根野のマスター”も入れて4人のメンバーです。
当初7〜9日の釣行予定でしたが、台風24号接近の為、8日までの2日間の釣行となりました。前日も型物が上がる等、好調の兆しがあっただけに期待大での釣行だったのですが、ふたを開けてみれば超激シブの状況です。
その原因は、1日に40センチもの急な減水にあった様です。察するに、台風接近に伴う大雨の影響を考えての対策なのでしょう。
選りにも選って、こんな日に当たってしまうなんて、なんて事でしょう。嵐の前の静けさでしょうか?お天気はとても穏やか、暑くもなく寒くもなく微風で絶好の釣り日和なのですが、湖面は、もじりがなくシラーっとしています。私も皆もボヤキまくりです。
それでも、夕刻を過ぎナイターに入ると少し時合いがあった様です。釣友達は、消し込みアタリをもらうも乗らなかったり、小さいアタリでチャンべらやチャンまぶだったり…私の方は、専らハスに弄ばれ、ついに来たかと思ったら40上のスレだったり…
そんな中、少し離れたところで、私のHPやブログを見ていただいている“Nさん”に型物が来ました。その時は、誰かがいいの上げたみたいだな位しか、分からなかったので、残念ながら写真に収める事は出来ませんでした。
こんな状況でも、来るとデカイんだなぁー…
ナイターをやらないアルコール大好きな“日根野のマスター”はすでに夕食を済ませ出来上がっていた。残りのアルコール全く&ほとんどやらない3人組は、“ささやん”主催第177回鍋パーティーを実施。
鍋の中には、コンニャク・薄揚げ・厚揚げ・ちくわ・鶏肉・鳥のつくね・粗挽きポークウィンナー等。これで第1弾をいただき、さらに餃子とウドンを加えて第2弾!もう心も体もポッカポカ。さらに“黒シャツさん”が入れてくれたホットコーヒーでまどろむのでした。さあ、明日はどんな1日が待っているのでしょう。好転を期待して、それぞれに車中泊。
一夜明け、年の所為かへら師の悲しい性か、目覚ましなくても6時起床。身支度を済ませ湖面に下りて行くと“日根野のマスター”がすでに竿を振っていました。
薄っすら曇り空で、涼しくウキはとても見やすく釣りやすいのですが、ヘラの気配がありません。たとえ釣れなくても、ヘラがいる事さえ分かれば、根気よく続ける事が出来るのですが…
2時間ほどして、場所替えを検討します。車での移動ではなく、同じポイント内でのプチ移動です。ワンドの奥の岩場で、かなり泡付けしている所がありました。かなり険しい場所ですが、なんとか釣り台が据えられないかと悪戦苦闘。小さい釣り台に替えたりもしてみましたが、どうしても無理です。
減水が止まった様なので、もしかしたら好転するかもしれません。昨日、型物が出たポイントに移ってみようか?とりあえず道具を完全に片付け、一度リセットします。昼食の準備に最低必要なものだけを残し、車内をベッドモードから走行モードにして片付けます。
昼食の為に用意したレトルトのご飯とカレーが出来上がった頃、他のメンバーも道具を片付けて上がって来ました。
1つのテーブルを囲んで、それぞれに用意した昼食を摂ります。ちょうどその時、地元の巨ベラ師“ジムニーさん”がやって来られました。旭川ダムの話・その魅力を伺い、今回のタイミングの悪さを悔やむと同時に、今後に夢を持たせてもらい、それぞれが胸の中に収め、帰路に付く事を決めました。
最後、皆が橋の上から湖面を覗きます。すると、『“やっさん”へら玉!』『えっー!』なんという事でしょう!大きなへら玉が、3つも4つもとどまっているのです。私がいた釣り座の前方にもあります。
『あのまま、続けていれば…』と自分の愚かさを悔やむよりも前に、私はすぐに車に戻り、片付けたばかりの道具を担ぎ、もといたポイントに戻ります。時刻は14時半。チャンスはまだ充分あります。『へら玉よそのまま留まってくれー!』と願うばかりです。湖の底まで下がっていたテンションは、一気にMAXへ『釣ったるぞぉー!』。
再開後、少しウキの動きが違います。が、釣れて来るのは35センチ位までのチャンベラばかり。『贅沢言うたらあきませんよ!それ写真撮っといた方がいいんじゃなですか?』“黒シャツさん”に諭され、おまけに「ぼやき禁止令」まで発令されてしまいましたが、発令した本人も結構ぼやいています。
暗くなる前に、車にフリースを取りに行ったついでに橋の上から覗くと、もうヘラ玉はありません。でも、フキはあります。『これは潜ったな!』
それまで、ウキピット2本から2本半でやっていたのを3本に変更。サワリは格段に増えましたが、釣れて来るのはやっぱりチャンベラ。『最後まで頑張ろう、ヘラがいるのは分かっているんだから…。』
納竿予定は21時、明日は強風と雨で出来ない。20時半頃、今までとは全く違う力強いアタリ!『あっーやっと来たぁー!』長さはないが、掬うと重い!顔が大きいのでデカく見える。『尺半ありますか?』と“黒シャツさん”『いーえ、42位しかないけどピクチャーサイズです。』体高はなかったが、よく太ったヘラだった。
あー、次来れるのは来年の春、それまで我慢。

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