


9月8日 旭川ダム 山岸さん 500
山岸さん、おめでとうございます!
釣行前日深夜、仕事を終わってスマホの電源を入れると、メールのアイコンが点灯している。23時49分着信、送信者は“黒シャツさん”だ。『うん、何だろう?』サブジェクトは、「釣れた」とだけある。
『まーた、思わせぶりな標題なんか付けたりしてもう、嬉しがりがヨンパチでも釣りよったかー…』
オッ、オオオ、オッ!「今日から、あなたの事を師匠と呼ばさせていただきます。支障ないですよね!」
残念ながら、今時“黒シャツさん”の携帯にはカメラ機能が無く(失礼)、デジカメのデータをPCに送られるまで、数日待つ事となった。
今日は旧暦の8月15日、仲秋の名月だ。南西の方向に満月を見て、車に荷物を詰め込みいざ出発。山田に到着すると、月はその美しさを増して、山上に再び姿を現した。薄ぼんやりと照らし出されたダムサイトのシルエットは、ヘッドライト無しで歩ける程に見えた。
お目当てのポイントには先客があった。“赤土”に入るには水位が高い、“トラロープ”に入るには、それは低すぎる。迷った挙句、みかん畑に釣り台をセット。夜が明けるまで仮眠する事にした。
目が覚めてポイントに下りると、右対岸には“日根野のマスター”“N川会長”“ラピートさん”、左対岸には“S野さん”等“〇〇友の会”のメンバーがすでに釣りを始めていた。私も、少し遅れて釣り開始。しばらくエサ打ちをしていると“幹事長(旧ご隠居)”(宴会でのはっちゃけぶりを見て、これは幹事長の方がふさわしいと思った)が『皆さんどないでっか?』と重役出勤。
釣り支度が整ったのを見届けて、“幹事長”の携帯にTELを入れた。『“黒シャツさん”が昨晩50上釣らはりました!』『おーう、ほんまかいなー!そら、おめでとさんやなー!』
暦の上では秋になったとはいえ、日中の陽射しはいまだ夏だ。ウチの近所では、セミなどとっくに姿を消したが、ここ山田ではいまだに大合唱している。しかしその声はどこか悲しい。夏の一幕が終わり緞帳が降りて来るのを、必死で押し止めようとしているかの様だ。
そう思えるのは、自身の気持ちの反映か?例年、夏にはいい思いをさせてもらう事があるのだが、今年はさっぱりだ。もう2ヶ月半程ヘラの顔を見ていない。
今日も苦戦。ヘラの気配は感じるのだが、食いにまで発展しない。それを証明するかの様に、昼時合いでは、ウロコをかいてしまった。つい本アタリ前で手を出してしまい、せっかくのチャンスを潰してしまった。皆には報告しなかった。“日根野のマスター”あたりに『“やっさん”若いなー、まだかいてんのかいなー』と言われるに決まっている(笑)。
あきらめきれずに、ナイターに突入。昨日は仲秋の名月だったが、今日はより満月。月が最も地球に近づいた時に見られる満月、今年3回目のスーパームーンだ。その明るさは、ライトなしでも魚を掬える程、仕掛けの回収もいとも簡単に出来、エサ付けもセンターにきっちりはまる。
昼間あんなに暑かったのが嘘の様に、夜はとても涼しい。長袖1枚でちょうどいい位。背後の音楽家達は、セミから秋の虫に変わった。自然なヒーリングサウンドだ。
これで釣れれば、言う事無いのだが、ウキの周りで良くもじるのに食わせられない。時刻は、20時半を回った。ナイターはまだまだこれからという時間だが、正味もう13時間も釣りをしている。「釣れる時に頑張ろう、いつかそんな日も来るやろう…」
レトルトの白飯とカレーを温めている間に、タオルで体を水拭きし着替えた。ネットラジオ“らじるらじる”を聞きながら、大盛り大辛口カレーを食す。「あー、満足!」。
片付けも終わり、コロンボを見ながら桃チューハイでカウチポテトしていると、“〇〇友の会”からお誘いが有り、水炊きパーティーに途中参加した。すでに出来上がったメンバーから熱い歓迎を受けた。
話が“黒シャツさん”の事になると、“ラピートさん”が『あのノラに最初にブルをあげたんが“黒シャツさん”や…』と切り出した。最近、ダムサイト周りを一匹の野良猫が、釣り人がくれるブルを目当てにうろついているのだが、『ワシ今日9つもやったったけど、アイツ腹下しよらへんかな…』。
翌朝、5時半に起き釣り座に向かうと、前夜あれほど酔っていた皆さんが、今朝はもうしゃきっとして、すでに竿を振っている。恐るべし“〇〇友の会”。が、釣況の方は皆さんのやる気とは裏腹に激シブだ。
ノラは今日もやって来た。心得たもので、他の釣り人を素通りして、真っ直ぐに“ラピートさん”の下へ向かった。しかし今日は、ブルさえかからない。ノラはやがて姿を消した。『ニャン子にも見放されてしもうたわ…』。
朝時合いが過ぎ、昼時合いを前に休憩をしようと“〇〇友の会”のメンバーはモーニングに向かった。しばらくして、“日根野のマスター”から『うどん出来たで、食べにおいでや!』と連絡があった。昨晩の水炊きの残りのスープで作ったうどんを想像すると、口だけ歩いて行きそうになったが、もうすでにパンを食べていたところだったので、ご遠慮した。
それには訳があった。なかなか食っては来ないが、昨日からずっと、ヘラの気配を感じ続けているのだ。18尺1本半のタナを攻め続け、たまに2本にする繰り返しだった。1本半ではウキの反応があるのだが、食いに繋がらないので、2本にしてみるのだが、すると何の反応もなくなり、また1本半に戻す。
そしてちょうど8時頃、何度目かの2本のタナで、2節ドンと落とすアタリ。すかさず合す、乗った。あー久し振りやなー!上がって来たのは、40そこそこのチャンベラだったが、上唇のセンターにがっちりハリ掛かり。あー良かった。その後36程の2枚目が来た。
ところで証拠写真は?
あるけど、50の後に出されへんわ!
“黒シャツさん”からメールが届いた。いいヘラだ!
念願だった50aです、ナイターだったので掛けた時は余り良く分からなかったのですが掬ったときは{ええ型や!!!}と思いました。そ〜〜〜っと検寸台に載せると50.5(ちょっと欲目で)「大西さんデカイわ、50上や 写真撮って」と叫んでウロウロしてると苦しかったのか飛び跳ねて階段をドタンドタンと2段も転げ落ち50.4〜5位から49.6まで激ヤセ。ガッカリ。「水に入れたら戻るわ」と言われたで暫しの間タモに入れ泳がせましたが50までの回復がやっとでした。次回からは「デカイのが釣れた時はタオルで目隠しをしてから検寸台に乗せろ」と名人からのアドバイスを頂きました、次は何時タオルが要る様なお魚さんと出会えるかは?が付きますが。
では又 山田で
やっと50を掛けた山より
あらためまして、山岸さん、ほんとにおめでとうございます!

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