前回の報告以降14回釣行しましたが、ほぼボウズで、型が見られた日においても、44cmが最高で尺半を超える事はありませんでした。12月26日、今年最後の仕事休みの日、日帰り釣行を試みましたが、残念な結果での納竿となってしまいました。
【夜空】毎回、夜勤を終えてからの釣行となる。睡眠を取ってからの出発にすればよいのだろうが、一刻も早くフィールドに到着し、思いのポイントを押さえたいという気持ちの方が先に立つ。候補のポイントをいくつか回り、様子を見て決める事もあれば、一か八かの決め打ちで博打を張る事もある。いずれにせよ、釣り台を置いて場所を押さえる事が出来れば、夜明けまで仮眠を取る様にしている。そんな時、夜空を見上げると晴れていれば、美しい星々が迎えてくれる。夏季にはサソリ座が、冬季には北斗七星がすぐに見つけられる。時には、流れ星に遭遇する事もあるが、あの一瞬に『巨ベラが釣れます様に!』と願い事をするのは、ほぼ不可能で、いつも後から『しまった!』と思うのが関の山である。
『家族が幸せであります様に!』とは願ってくれないのねと、嫁の声が聞こえて来そうだ。
【迷子】『夜明けまでの仮眠』とは言っても、夜明けの早い夏場は、準備している間に東の空が白々し始め、そのまま釣りに突入という事も、しょっちゅうだ。睡眠不足で集中力に欠き、チャンスを逃がす事もある。それに引き替え夜明けの遅い冬場は、しっかり仮眠?が取れ、時合いも午後からという事が多く、ロースタートでも問題ない。ただ、寒いのはやはり難儀だ。最近の高機能の防寒着をもってしても、やはり重ね着は必要となる。下半身も、下着のパンツも含めれば、ヒートテック、中着のボトムス、防寒と4枚重ねとなる。いざという時、2つファスナーを下し、2つ小窓を潜り抜け、寒さで縮込んだ息子を探し出すのは、至難の業である。『おっー間に合った!』白い湯気がその温度差を物語る。
【希望】11月以降の1泊2日の釣行では、初日の半日をポイント整備に費やした。春の乗っ込み期を見通した増水前の準備だ。その多くは、誰もが知るところのポイントで、せっかく整備したポイントも他人に入られる事も多々あるだろうが、それは仕方ない。私もかつて、先人の恩恵に与って来たのだから、今度は逆の立場になったのだと思う様にしよう。だが、皆に気付かれないとっておきのポイントも作っておいた。来春、おいしい思いが出来るといいのだが…。
【観測】そんな人間の小さい私とは違って、高山ダムには懐の広い地元のへら師さんがいた。国体跡というポイントに入った時の事だったが、その方とたまたま隣同士になった時、そんなに時間もかからず打ち解け、『○○○の水位になったら、此処と此処ほら草刈ってあるから、よかったら入ってよ!』と言ってくださったのであった。自分に同じ事が出来るかな?
それはともかく、ダムというのは、その水位の変動により狙い目のポイントも変わるのである。ガイド本にも、ポイント紹介はあるが、あくまでもそれは限られた紙面の中での大雑把な紹介であり、詳細は何度も足を運び自分で学び、引き出しを増やして行くしかない。その経験をデータとして残せたり、予測出来たりするのが、水資源機構のリアルタイム情報だ。上手く活用すれば、釣果アップに繋がるはずだ。
私も今年は、釣友からの情報や自身の行動によって、水位や季節とリンクしたポイント特性を学ぶ事が出来た。鬼に笑われるかもしれないが、来年の釣行に大きく役立つのではと期待している。
【後悔】14回の釣行の中で、一度もドラマがなかった訳ではない。高山ダムでレストラン下の階段と呼ばれるポイントでの出来事だった。階段の下からコンクリで整地されたスロープが沖へと続く。増水で、水中で沈んでいる部分は、絶好の底釣りポイントとなる。この日の水位では18尺の3本で、道と草むらの際辺りに餌が落ちているのでは?という感じだった。
午前中は、ひたすらのエサ打ち。まるで、宙でもやってるかの様に打ち返す。サワリ等は一切なかったが、ちょい沖でのモジリが唯一魚の気配を感じさせる。途中、床休めを兼ねての昼休憩を挟んだ後、午後からの釣りは、一転してエサ落ち目盛が出るまで待つ釣りに変更。14時頃からサワリが見られる様になり、15時回ると3度のアタリ。押さえ、ツン、消し込みとそれぞれ違うアタリだったが、いずれも乗らなかった。しかし、これはいけるな、そう思える釣況であった。道糸3号にハリス1.5号の仕掛けであったが、もし乗ったとしても、ボサに逃げ込まれたら一巻の終わりだ。上ハリスだけを0.4号に変更する。これでボサに逃げ込まれても、上ハリスは簡単に切れ、脱出させる事が出来る。あくまで下バリに食って来るという前提での話だが…。
いぜん、サワリが続く。だが、仕掛け回収中誤って上バリを草に引っ掛けてしまう。時刻はもう16時を回って、もたもたしていたら、ウキが見えなくなってしまう。これだけサワるんなら、1本バリでも行けるかも…あえて、上バリをくくらずに続行した。すると、それから3投目、1節浮かした後のドスン!今度は乗った。左右に走る魚を中央に中央にとコントロール。もう頭の中は、掬う時の事を考えていた。沖で、水面に魚体が姿を現わす。余裕で尺半はある。ひょっとしたら、ひょっとするサイズだ。1本バリ、上バリをボサに取られる心配は無いにもかかわらず、少し焦ってしまい、少し強引なやりとりになってしまう。ハリが大きければ問題なかったが、吸い込み重視で15号のハリにしていた。ポロリ、まるで音が聞こえて来るかのごとくのフックオフ。『あっーやってもうたぁー…』しばらく、立ち直れなかった。
【挑戦】悔しくて、悔しくて、どうにもならない。この気持ちを晴らすには、逃がした魚より大きな魚を捕えるより他にない。例年なら、とっくに納竿しているはずだったが、12月26日まで、釣りをする事になったもは、そういう理由だった。
今年1年、お付き合いいただきありがとうございました。来年またよろしくお願いします。皆様も健康に留意され、楽しい釣行をされます様にお祈りもうしあげます。

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