その日、ジャパン・スネークセンターの中庭では、日本国内に棲息する毒蛇の採毒実演が行われていた。
最初にケージから取り出されたのは…
「え〜。これが沖縄のハブです」
1メートルをゆうに超える体。2センチ近くはあろうかという毒牙。そして気性の荒さと動きの素早さ。
“きゃぁぁぁ〜!”
取り巻く観衆たちが小さな悲鳴をあげる。しかし恐いもの見たさか、彼らの眼はハブから離れない。
そんな反応を確かめつつ、続いて演者は二つめのケージを開ける。指先には本州の毒蛇の代表格、ニホンマムシの姿が。
「さて、これは何だと思います?」
最前列の幼児が大声で叫んだ。
“ヘビ!”
正解!そりゃそーだ!!
そんなわけで、久々にヘビを題材とした俳句を一句ご紹介。
蛇遣ひ なかなか袋より出さず (田川飛旅子:1914-1999)

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