痩蛙 まけるな一茶 是にあり (小林一茶:1763-1827)
知名度では芭蕉の『古池や…』に匹敵するであろう作品。その分かりやすさゆえ、評価の点で低く見積もる人も多いらしい。
ただ、一茶の恵まれない生涯(他人様が勝手に決めつけていいのか?と思うが…)とあいまって、自分応援歌が大好きな日本人の心性にぴったりマッチしているのではなかろうか。
それにしても一茶の見た「痩蛙」って、いったいどんなカエルだったんだろう?
以前『古池や…』はツチガエルじゃないかと推理したことがある(
両爬詩歌11)ので、こちらも何とかならんかいなと思っていたら、まんまとこんなページを見つけちゃった。長野の曹洞宗のお寺さん、梅洞山岩松院の「
一茶と蛙合戦」のページだ。どうやら一茶は、このお寺さんの蛙合戦を詠ったようだ。
というわけで…「痩蛙」の正体はアズマヒキガエルのオス!
さて。
1月早々に日本中を駆け巡ったカエルツボカビ症のニュース。先日(
1月12日)も触れたが、カエルは日本の生態系はもちろんのこと、文化面でも欠かせない愛すべき存在だ。
蛙合戦がいつまでもいつまでも、日本の春の風物詩であり続けますように。

0