郵便箱を見ると分厚い封筒が入っていた。入っていたのは“日本の音楽が危ない〜JASRACとの死闘2899日〜”と銘打たれたファンキー末吉さんの本だった。Amazonから送られてきた訳ではない。昨年の9月、JASRACに立ち向かうファンキーさんの姿に感動し、僅かな金額を支援したことに対し送られてきたものだった。
僕が身近にJASRACを感じたのは大学生の時だった。高校のツレ達が受験合宿に訪れた宿で知り合った男が無事大学に受かり、関西に遊びに来た時だった。その男は埼玉でバンドをやっており、メンバーと一緒にやって来た。丁度いいのでライブをやろうという話になり、芦屋のルナホールの小ホールを借り切り口コミで客を集めた。
彼は東京外大の学生で、少し前に流行ったシンガーソングライターの走り。美しい曲に自作の英語詞を乗せて歌う、ちょっと変わった存在だった。ライブはほぼ全曲が彼の作詞作曲になるもので、本来なら問題ないはずだった。もめたのは前座に出た友人M田のバンドがCSN&Yのコピーバンドだったのが災いした。
どうやって調べたかは知らないが、主催者にこの時の著作権使用料を払えと言って来たのだ。主催者と言っても居酒屋の飲み会ノリで受けただけ。観客と言えばツレか、せいぜいツレのツレまで。入場料は会場代に消えていた。そんな内輪の会までスパイ?を送り込むんだと呆れた覚えがある。
無論その頃の我々が著作権に無知であったのは確かである。武川も1曲だけポールのアナザーディをカバーしていた。ポールが『なんで自分の曲を歌うのに金をとられるんだ』と買い戻しを画策していたくらいなので、もうちょい神経を使っても良かったかなぁとは思う。そもそも主催者が誰なのか良く判らん上、相手が学生だったのでJASRACもその内諦めたそうだ。(タケカワのトコには行くなよ。ゴダイゴ再結成で忙しいんだから)
百歩譲って、この金を払っていたとしよう。作曲者に金は渡ったのかね??甚だ怪しい。おまけにスパイ?の日当もそこから取るんだろう。ファンキーさんが疑問に思ったのは、いわゆるライブハウスからの使用料が爆風スランプ以降の演奏に対して全く払われていないという事だった。
彼はX.Y.Z.→Aというバンドを率いて各地で演奏してきた。また八王子に同名のライブハウスを経営しJASRACに曲の使用料を払っている。取られるだけで戻ってこないのはおかしいだろうという極めて真っ当な申し立てなのだ。問題はJASRACお勧めの包括契約にあった。
店舗の面積や客席数から割り出した一定料金を払えば良しとなるのだ。但し、これでは誰に払っていいかは判らないので、いわゆるモニター店を定めてそこでサンプリングされた曲に対して使用料を払っているのだ。ファンキーさんが指摘したのは@モニター店Aサンプリングされた曲B使用料のすべてが非公開という事実だった。
※ちょっと長くなるので
ここに続く。縦に続けて読めるよう日付を逆にしています。

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