2009/9/1

ペトのこと、クリーンのこと  

久しぶりに一日じゅう本当になにもせずうだうだしていた。たまにはこんな日があってもいい。なにしろ台風だ。台風クラブ部員OBとしては、呆然と満喫するしかない。台風とは一種のドラッグだ。だから、自然とつきあうスリルさえ知っていればドラッグなんかまったく必要ない。少なくとも我が家はみな、そういう体質だ。
ドラッグといえば、ちなみに最近の事件と映画『クリーン』を関連付けて公開を非難している連中もいるようだが、あほかと思う。そういう事件と作品はなんの関係もない。CMが流れなくなるのはしかたない、というのもやはりCMは作家の作品というレベルよりなにより企業の事情が最優先されるからだが、CDや映画やDVDなどが事件のために企業の事情で発表を中断されることほどくだらないことはない。数多くの中枢神経によって形成された「作品」を一個人の肖像権なり音響なりを理由になきものとすることはかぎりなく殺人に近い。ましてや『クリーン』のようにまったく異なった次元で、つまり時代などとまったくかかわらないところで人生の問題そのものを扱った作品にそうした非難を向ける根拠はどこにもない。時代と作品の関連はあくまで後追いにすぎない。『クリーン』とその主演のマギー・チャンは、時代と無関係に屹立している。と同時にそれゆえに「いま」を体現している。

ところでまた猫がやってきた。一昨日、高速道路を走行中の家人の目前で事故が起こり、その原因となったのがそいつの存在だった。子猫を避けたドライバーの善意によって事故は起こったが、車間距離を十分に取っていたおかげで無事ことなきをえた家人は、路肩に車を停めて事故車のドライバーたちの安全を確かめるや、そいつを拾って近場の動物病院へ駆けつけ、診察させた。極端に栄養が足りていないがそれ以外は異常なし、ということでウチにやってきた子猫はたんに発音の馴染み具合だけで「ペト」と命名され、ウチの七匹目の家族となった。すでに生後三、四ヶ月は経っているだろう大きさだが、歩くのもままならないほど衰弱している。だが、食う。ぱくぱく食う。そうしてミルクを舐める。立派なもんだ。どうやらこちらの用意した寝床は気に入らず、床板の硬さを好む。しかしなぜ高速道路に迷い込んだのか、まさか世を儚んだ末の決意だとはさすがに思われない。ともあれ運命なのだから、ひとつ野良の意地を存分に見せてもらいたい。
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2009/5/7

殿下近影  

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