2005/8/15
いまそこにある歴史(第1.5回):NHK特番編
学術

8月15日でしたね。

うん。先の戦争から60年。戦没者の冥福を祈るとともに、二度とあのような戦争を起こしてはならないという誓いを新たにせねばね。

……何だか真っ当なお言葉ですね。

歴史を善悪や現在の価値判断で捉える態度には反対するけど、やはり戦争は基本的に不幸なものだと思うよ。

今日の夜はずっとNHKの「【日本の、これから】アジアの中の日本」を見てましたね。

esha君はどう思った?

いろんな人のいろんな意見があって興味深かったです。NHKの仕切りが拙かったような気がしますが。

うん、NHKはいろいろしくじってたけど(答えようのないアンケートとか)、全体的には非常に面白かった。特によかったのが櫻井さんと町村外相。

櫻井さんはいつも冷静で言うべきことはちゃんと言いますね。

「歴史は現代の価値観で議論すべきではなく、当時の情勢や常識に則して考えていくことをまず前提にせねばならない」というような当たり前の態度をはっきり宣言する。相手の意見をしっかり聞く。ちゃんと証拠をあげて冷静に自論を展開する。これこそ正しい歴史討論への参加姿勢だね(実際の討論以前の前提条件だ)。逆に言うと、それができてない参加者も目立った。とは言え、一般参加者には充分な発言の機会がなかったし、討論慣れした櫻井さんが際立つのも仕方ないけれどね。

番組自体が完全な討論形式でもなかったですし。

まあね。NHKだからね。あと、町村外相も冷静かつ論理的だった。あくまで中庸でありながら筋が通ってた。何より、「日本の歴史教育は詰め込み方式で、受験にあまり出ない近現代史はほとんど教わらない」という話題に対するこの発言。
なぜね、そのみなさん3学期の終わりにちょこっとね、近現代を学ぶのかとおっしゃった。それはまぁ一つはね、最初からまじめにやり過ぎているということはあるんですが、逆に近現代をやるためには先生の思想性が問われるから。で、日本の場合は教職員組合の人たちがどちらかというとマルクス・レーニン主義的な教え方をしたがる。教育委員会、文部省はそれは困るというと。したがって、だいたいあの、江戸時代の終わりでなんとなく終わるようにして、それで近現代は触らないと。これが暗黙の了解なんです。これは事実です。
でまぁその上で私が言いたいのはですね、なかなか日本の事を理解されない、歴史の問題あるいは戦後の日本のね、平和の歩みについても。これは一つは外務省の大臣として言えばですね、今まではどちらかというと中国、韓国のみなさん方には十言いたいところをできるだけ抑え目にやってきた、これ事実です。それで、日中、日韓、まいわば平和友好が成り立つというような基本的な姿勢があったと。これからはもっとお互いにはっきり言う事は言い合うということのほうがいいと思います。

ビックリしましたね。

現役の閣僚が全国放送で「暗黙の了解」を言っちゃったよ。これじゃあ日教組の代弁者のごとき発言をしてた安達さんも形なしだなあ。発言の後半部分も頼もしい。

第一部は観られなかったんですけど、中国のチベット侵略について発言があったらしいですね。

それもNHKでは珍しい光景だっただろうね。いろいろ問題や批判もあって、NHKも変わってきたんだろうかね?

ときにお兄さんはNHKの受信料払ってるんですか?

当然払っているよ。

でもこんな特番でもなければ、朝ドラも大河ドラマも韓国ドラマも観ないし、のど自慢なんて大嫌いだし、女子アナにも興味ないし、ニュースも特にNHKってわけでもないし、もったいないんじゃないですか?

唐突に人の嗜好をばらさないでくれるかな。ともあれ、何はなくとも
あの番組がある限り、応援してもいいかと思っている。

もしかしてアニメですか?

馬鹿者!
これに決まっておる!

……お兄さん……

そ、そんな目で見るなあ!面白いんだぞお!

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