2009/10/3

頼もしい返事  地域活動

 先月30日の午後、毎年恒例の西中学校の防災訓練の見学に出掛けました。以前にも書き込みをしましたが、普通、各学校で行われるのは一般的な避難訓練に留まりますが、西中で行われているのは、全校生徒による避難訓練の後に、「救助訓練、救援のお手伝い」を体験することにより、いざというときに救援のための行動が率先してとれるなど、地域の一員としての自覚を育てることを目的として、行政、消防署、地元消防団の協力のもと防火・防災訓練という形で3年生による体験学習が実施されています。
 当日、あいにくの雨模様だったために、体育館や特別教室を使っての学習となりましたが、煙体験ハウス、非常食の炊き出し体験、簡易トイレの組み立て体験、避難所への傷病者搬送体験、テント設営体験、水消火器体験などをクラスごと、グループごとに“体験”をしていました。
 簡易トイレの組み立てを体験した生徒に
「たった1度だけでも組み立ててみたから、実際の時にも、例えば地域の中で大人の人たちに手を貸せるかな?」
と問いかけてみると
「今日やってみて、どんなものなのか分かったんで大丈夫です!」
という頼もしい返事が返ってきました。
 この防災訓練体験学習は、現在でも市内では西中学校だけでしか行われていなく、大変“価値ある授業”だけに、私としては市内全中学校で開催されることを望んでおり、過去に一般質問でも取り上げ(平成20年第2回定例会・内容は「続きを読む」をご覧ください)、担当課、消防署、教育委員会からも前向きな答弁をいただいている経緯があります。今年は、市内他校1校の先生が見学に来ていたそうですが、市内全中学校での実施を関係者の皆さんにぜひとも積極的に考えてほしいと思います。


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 防災訓練でお馴染みの煙体験ハウス

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 楽しみながら(?)の簡易トイレ組み立ての様子



質問: 
 それでは、まず初めに中学校防災訓練について質問を進めてまいりたいと存じます。
 先般5月12日に発生した四川大地震、きのうも柏木議員さんがその被災状況を詳しくお話しされましたが、中国筋の報告によると、8日正午までに、四川大地震の犠牲者は6万9,136人、負傷者は37万4,061人、行方不明者は1万7,686人となり、想像を絶する大災害となってしまったことは皆様ご承知のとおりかと思います。私からもまずはお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被災地はまだまだ余震が続くなど予断を許さぬ状況と聞いておりますが、けがをされた方々の一日も早いご回復、そして被災地の一日も早い復興をお祈りするものであります。
 中国地震局は今回の四川大地震を当初マグニチュード7.8と発表していましたが、これまでの観測と測定に基づき、その後規模をマグニチュード8に修正したとの発表もされました。地震大国日本にとっても決して対岸の火事ではないということで、仮に同規模の直下型地震が大都市を襲ったらどうなってしまうのか、規模がマグニチュード8に修正される前、ある防災・危機管理ジャーナリストの方の分析によりますと、中央防災会議が想定している地震のうち首都圏直下型地震は幾つかあり、最も被害が大きいケースでもマグニチュード7.3としており、今回の大地震はマグニチュード7.8で、数字上は0.5ポイント差ですが、揺れのエネルギーは10倍になり、仮に東京駅が震源なら、半径30キロ圏内の東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県はほぼ全滅、半径100キロ程度の1都6県も壊滅するとのことです。マグニチュード7.3の想定でも最大で死者約1万1,000人、建物全壊・火災消失棟約85万棟に及ぶらしく、四川省の亡くなられた方は、日本よりはるかに低い耐震性の建物に押しつぶされた人がほとんどで、日本では都市密度がはるかに高く、住宅密集地を火元とする大火災や張りめぐらされた地下街の崩壊など、複雑な都市構造によって死亡の危険度は高まり、実際の死者が10万人にまで達することも考えられるとされ、あくまで想定、分析上の話ではありますが、想像しただけでも身の毛のよだつ思いであります。
 以上、ちょっとショッキングな分析結果を紹介したわけですが、近い将来、震災が想定される地域内である本市としても、地域防災計画の習熟並びに防災機関との連携強化、さらには、市民の防災意識の高揚を図るため、警戒宣言発令時及び大規模地震発生時を想定した防災訓練、高齢者及び障害者等の災害弱者に配慮した防災訓練を、毎年開催場所を変えて市総合防災訓練として実施しているところであります。この本市の総合防災訓練は、発災対応型、地域密着型の総合防災訓練で、行政、自治会、自主防災組織、消防、警察、自衛隊、災害協定を結ぶ各種団体などが一体となって、多くの市民の皆さんのご参加とご協力をいただき、情報収集及び広報訓練から始まり、避難誘導訓練、避難所開設運営訓練、炊き出し訓練、救助・救出訓練、救急手当訓練など20項目以上の訓練項目にわたります。
 この総合防災訓練について、市長として「訓練を通じて市民の皆さん、防災関係機関及び行政が一体となって対応するための実践力が養われ、さらにまた、地域の防災力の向上、防災意識の高揚と地域住民の連帯感が一層強められたものと確信をしている」との絶大な評価をされているわけです。昨年の一般質問の中では沖本議員さんが、一定の評価をしながら参加された市民の皆さんからのご意見、要望をもとに、改善点の指摘、また発展的な意見に対する所見などを求められていました。そのときの市長のご答弁の中で、総合防災訓練等の反省点、新たな対応が必要だなという部分の意見として、いわゆる聴覚障害の方への対応を挙げられておられ、聴覚障害の方にとっては、なかなか訓練にお見えをいただいても訓練参加というものが的確な形でできていない部分が存在をしているとのことを、今後の一つの配慮、対応方についても検討する必要性があるのではないかと述べられておりました。
 市長がおっしゃられたことは無論ごもっともなことで、私も配慮すべき事項の一つであると考えますが、訓練参加者については、私は別の部分でも気にかかることがあります。それは、若い世代の訓練参加者が比較的少ないところです。確かに自治会を中心に多くの市民の方が参加されているわけですが、男女を問わず10代、20代の訓練参加者は余り目にしないわけです。実際に被災したときに主に指揮をとるのはシニア世代の方々としても、体力的なことからも率先して主力として活躍してもらうのは若い世代ではないかと考えます。若い世代の訓練参加者が少ないことは、これも一つの課題ではないでしょうか。
 そのような中、西中学校では、学区に住んでいらっしゃる当時の消防団長さんのアイデアで次のような試みがなされています。普通、学校でよく行われるのは、校内で火災報知機がなり、校庭などに避難するといった一般的な避難訓練にとどまります。しかし、西中学校では、全校生徒による避難訓練の後に、その延長として「救助訓練、救援のお手伝い」を体験することにより、いざというときに救援のための行動が率先してとれるなど、地域の一員としての自覚を育てることを目的として、消防署、地元消防団の皆さんのご協力のもと防災訓練という形で、3年生による体験学習が実施されています。体験学習の内容は、煙体験ハウス、消防はしご車体験、非常食の炊き出し体験、簡易トイレの組み立て体験、避難所への傷病者搬送体験、テント設営体験、水消火器体験の7項目です。
 毎年9月、たしか過去3回ほど実施されたと思いますが、毎年私も見学に行かせていただいておりますけれども、訓練というよりは、どの生徒も楽しみながらの体験ですが、それで「十分よし」と思うところでもあります。何よりも経験することが大切で、このたった1回の経験が、もしものときの大きな戦力になるかもしれないわけです。この防災訓練体験学習は、現在、市内では西中学校だけでしか行われていません。ご協力をいただいている特に地元消防団の皆さんには平日の実施ということでご苦労をかけることとなりますが、できることなら市内全中学校で開催されることを望むものです。それだけ“価値ある授業”だと思うのですが、このような形での中学校の防災訓練の実施について、「防災」の観点から所管部署の、「生徒の体験学習」という観点から教育長の、消防署職員や消防団員を派遣し実際にその場の指揮、指導をされる観点から消防長の、それぞれ3者の各所見をお伺いするものです。

答弁:
市民部長
 地域防災計画の中では、防災教育の実施といたしまして、文教対策に位置づけがされているわけでございますが、防災教育の実施として、学校等における防災教育は安全教育の一環として学級活動、ホームルームや学校行事を中心に教育活動の全体を行う。特に避難、災害発生時の危険及び安全な行動の方法について、児童・生徒等の発達段階に即した指導を行うとされておりまして、さらに防災訓練の実施という項目におきましては、児童・生徒等及び職員の防災に対する意識の高揚を図り、地震災害発生時に迅速かつ的確な行動がとれるよう訓練を実施するとしております。したがいまして、お話のように各学校の主体性のもとに防災教育や防災訓練を実施していただくことにつきましては、西中学校と同様の訓練の実施が可能であれば、体験として防災知識の普及が図られ防災意識の高揚につながるものと、このように考えております。

消防長
 中学校の防災訓練についての所見を求められました。各中学校の防災訓練の現状につきましては、防災訓練というより消防法に基づき作成された消防計画書による消防訓練でありまして、通報訓練、消化訓練、避難訓練を年1回以上実施することが義務づけとされており、その実施計画及び実施報告が提出をされているところでございます。特に西中学校におきましては、17年度から19年度に指導の要請があり、消防計画に伴う避難訓練を実施した後に消防本部、地元消防団、さらには安全対策会員が出向き、炊き出しや仮設トイレの組み立てなどの訓練を実施をしているところでございます。西中学校で実施している防災訓練については、体験としてものに触れたり組み立て等をすることによって防災意識の向上が図られることから有意義と考えておりまして、今後も学校側から指導の要請があれば対応していきたいというふうに考えております。

教育長
 伊田議員さんから、中学校の防災訓練について生徒の体験活動という観点からの所見ということでございますが、各学校におきましては、毎年、消防防災計画に基づき訓練を実施しておりますが、特別教育活動の健康安全、体育的行事の中に避難訓練を位置づけております。自分の命を守る重要な教育活動ととらえております。伊田議員さんがおっしゃられるとおり、西中学校の防災訓練、その取り組みは大変すばらしいものであり、体験を通して子供たちの防災意識の向上や自己有用感を高めるという効果も期待されるところでございます。さらに、地域と連携したより実践的な防災訓練が生徒の危機回避能力、自助力や人と人とが互いに助け合って、災害など困難に立ち向かう力、そういうものを育てていくものというふうに思っております。生徒の発達段階に応じた、守られる側から助ける側への意識化も図れるものというふうに思っております。
 学校における防災訓練につきましては、学校の主体性のもとに実施していくわけでございますけれども、今後、子供たち一人一人の大切な命をお預かりしている学校におきまして体験的な防災訓練は防災意識の高揚を図り、もしものときの行動に役立つものと、こういうふうに考えております。今後、防災担当、また消防とも連携・協力して学校を支援してまいりたいと思っております。
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