Facebookにアップしたのと内容は同じですが、写真がちょっと多いです。
これは9/14に開かれたBBC2 Live in Hyde Parkのレビューですが、何度も書くのが大変なので、私の日記を編集した形でアップロードします。そのため、常体で書いてありますが、文体を間違えたわけではないのでご了解下さい。
9時にホテルを出る。早すぎるのではないかと恐れたため、ハイドパークの中を散歩して、30分ほどかけてゲートに着くと、既に100人くらい人がいただろうか。30分ほどすると柵の中程まで進み、さらに30分ほどすると柵の先頭まで進む。中程に来た頃、音楽が流れ出す。一瞬何かわからなかったのだが、どうやらAll Over The Worldだと気付く。アルバムバージョンとは違うようだ。最初は前もって録音されたものかと思っていたところ、最後に生でサウンドチェックをやっていたことが判明する。ライブを2回聴けたことになるのは得したのだが、演奏される曲を知ってしまったのは残念なことをしたかも知れない。
サウンドチェックの曲目は以下の通り。
All Over The World
Evil Woman
Ma-Ma-Ma Belle
Showdown
Livin' Thing
Strange Magic
10538 Overture
Can't Get It Out Of My Head
Sweet Talkin' Woman
Turn To Stone
Steppin' Out
Handle With Care
Don't Bring Me Down
Rock'n' Roll Is King
Telephone Line
Mr. Blue Sky
Roll Over Beethoven
ただ、この際はROBは途中でぶつ切りされていた。
1130、ゲートオープン。手荷物チェックがあるので、前の入場者に時間が取られ、随分先を越される。入場するとだだっ広いところを急ぐ―というか、ほとんど走る。最前列は既に埋まってしまっていたが、それでも前から5列目くらいのど真ん中ちょっと左を押さえることができ、ピクニックシートを広げる。
開演直前にショップに行くが、ELOのシャツは既に売り切れ。それは不運だったのだが、偶然にも再会したファンが、一旦自分が受け取ってそれを転送すると申し出てくれた。
ここから帰るうちに開演のカウントダウンが始まる。最初はChrissie Hynde。思っていたよりタイトなショーで面白かったし、帰ったらPretendersのCDを買ってみようかと思った。ただ、このステージの間に雨が降り出し、後の経過が危ぶまれた(実際にはさほど激しい雨にはならなかった)。その後、Bellowhead、Kacey Musgraves、Gregory Porterと続く。
ここで昼食兼夕食のために一旦立ったが、それこそ凄い人の海になっており、この辺で次のPaloma Faithのステージが始まる。元の場所に戻ろうとするのだが、もはや動くことすら困難になっている。なんだかんだで、30分くらいかかってやっと戻れた。この時にはさらに人口密度が高くなっており、ブレイクの間も座るのは困難だった。しかも困ったのは、次のBilly Oceanのステージなどで、子供を前に入れてくれと言ってくる親。しかもふたり前にいたら、「この子も」と言ってあとふたりがかぶりつきに出てくる。あれ、場所を譲った人は怒ってたんじゃないかな。さらにその保護者みたいなのもいつの間にか我々の横に立っている。なんでこうやって知らない間に人数が増えてくるんだか。
Billy Oceanに続きBlondie。Debbie Harryは前後にサイズアップしていて、しかもおばちゃんのような(実際におばちゃんどころかお婆さんだが)衣装を着ている。しかし声はしっかり出ていて感心する。
その後、ELOのステージが設営され、オーケストラの席が現れる。さらに人口密度は上がる。ここで気付いたのだが、Richardのピアノがステージの左側に配置される。従来、ELOのライブではRichardの指定位置は向かって右側だった(Zoomの時も)が、知る限り初めて左側に位置する。ちょうど真正面に置かれたので、非常にいい位置で写真を撮ることができるようになった。ステージの左端にゲスト用の席があるようで、そこにPugwashのThomas Walshがいたように思ったのだが定かでない。
1915、Chris Evansがイントロダクションを勤め、まず紹介のビデオが流れる。そして、Richardがピアノの前に座り、最後にJeffが登場。ここでChrisは「これがワールドツアーの最初です」と言った。結局セットリストはサウンドチェックそのまま。オーケストラの背後のスクリーンにビデオが映し出され、なかなか盛り上がる。これまではバスドラムの音が大きすぎると感じていたが、ここから先は全く気にならなかった。当たり前なんだろうが1曲目から観客は大合唱。でもJeffの声はよく聞こえるし、オーケストラ含め各楽器のサウンドもきちんと区別できるので、うまくサウンドアレンジされていたようだ。
All Over The WorldでShard Endと歌われるのかどうかが気になっており、実は演奏の最中には聴き取れなかったのだが、後でビデオで確認したら確かにShard Endと歌っていた。2曲目のEvil Womanの最後、多分Jeffは一瞬歌詞を忘れたのだと思う。その後プロンプターを覗き込み、続けて歌い出した。まあそういうこともあるだろうが、歌詞で気になったのはそこだけだった。ShowdownではMr. Blue Sky(ベスト)でそうであったようにsufferingではなくてsubmarineと歌っている。この辺でJeffはギターを交換するのだが、会場から”I love you, Jeff”という声が飛ぶのに反応し損ねる。
Livin’ Thingでは、Children in Need Rocksの時と同じ女性バイオリニストがソロを弾く。楽しそうに弾いてくれるのが嬉しい。10538 Overtureの時、実はRoy Woodが出てくるのではないかと思っていたが、ゲスト登場はなかった。この曲がきちんとできるのはオーケストラがいてくれてこそ。次のCan’t Get It Out Of My Head、せっかくオーケストラがいるのだからOvertureからやってくれたら良かったのに、と今日数少ない不満。ちなみにverse 3でもプロンプターは見ていなかった。まあ覚えていて当たり前だわな。ちなみにシンセソロの部分はRichardが弾く。ピアノの上に小さなキーボードが載っていたようだ。
Sweet Talkin’ Womanはやはりバイオリンソロ登場。また、All Over The Worldでもそうだったが、ボコーダーはRichardの担当だった。Turn To Stone、オペラボイスのところをムービーに撮ろうとして失敗。歌い終わったところで会場は大いに盛り上がるのだが、乗り遅れてしまった。Steppin’ Out。曲の前にJeffが喋るのだが、客席から”Steppin' Out”という声がかかり、「当たり」と返す。こうやって聴くとなおさらいい曲だ。ラストのI’m steppin’ outというボコーダーは含まれなかった。次が、Roy OrbisonとGeorge Harrisonへのトリビュートだという前置きの後、Handle With Care。この曲をやることはサウンドチェックでわかっており、Dhani HarrisonとひょっとしたらJoe Walshが出てくるんじゃないかと思っていたが、この曲もゲストはなかった。ただ、残念かというとちっともそんなことはなくて、Jeffがずっと歌ってくれて満足だった。始まるところで”Wilburys comin’”と叫んだつもりだが、録音には入っていないよね。この曲ではビデオクリップがスクリーンに映し出され、感動的。とりわけ、Jeffの子供時代の写真が出たところでシャッターを押すことができ、この写真には非常に満足している。
次がDon’t Bring Me Down。スクリーンにはビデオクリップの例のアニメーションが映る。Zoom Tour Liveの時のような風変わりなブレイクはなく(あれが嫌だったわけではないが、Rosie Velaのアイデアだったんだろう)、アルバム通りのアレンジ。このアルバム通りという話だが、後のTelephone Lineのコーラス部分も、Out Of The Blue時代なんかはアルバムでは”Ah ah telephone line…”ということころをライブでは”Ah, telephone line…”と処理している。ふたつめのahはどうもコーラスが歌っていたようなのでJeffの歌うパートは同じなんだろうが、その辺がアルバムアレンジに戻っていたところとか、極力アルバムの再現にこだわろうとしたのではないかという気がした。Rock’n’ Roll Is Kingでもここぞというところでバイオリンソロ登場。
実はぼろぼろ泣くんじゃないかと思っていたのに、ここまで涙なし。しかしTelephone Lineでは少しうるっとくる。ただ、イントロの電話の音を弾いているのはRichardじゃないよなとかその辺が気になった。それからついに観客お待ちかねのMr. Blue Sky。満を持して登場と言ったところ。そりゃもう会場全体が揺れるような大合唱。これがみんな聴きたかったんだよね、これを待ってたんだよねというのが、我々もJeffも感じられたんじゃないかと思う。ちなみにカウベルをどうやって処理していたのかはわからなかった(消火器はなかったはず)。コーダの部分も会場から大合唱。そして、Richardのボコーダー。”please turn me over”はほんとに泣けた。
ここでバンドは一旦下がる。しかしオーケストラは残っているし、サウンドチェックでRoll Over Beethovenをやっているから、観客はわかっていて、当然のように”we want more”のコール。そしてオーケストラが第五を弾き始め(通常のライブでは第五のフレーズは1回しか繰り返さないが、2回繰り返した)、Roll Over Beethovenに突入。この曲、あまり気付いていなかったがオーケストラが暇にしている時間があったようだ。最後方のソロパート、ここまで大人しく左端でギターを弾いていたミュージシャンが激しくソロを弾く。ソロはJeffやRichardも引き継ぎ、そして最後のRoll over Beethovenのコーラスになだれ込む。感動のフィナーレ。JeffとRichardが袖に下がり、しばらく残っていたオーケストラも引き上げてお開きとなった。
この後、ファンが集まる場所があったのだろうが、これ以上残っていると翌日に差し支えるので帰ることにした。途中で、「出待ち」をしたらよかったかと後悔したが、どうもJeffに会えた人はいなかったらしい。


12