「体育の日」を含む3連休直前、日本列島を嵐が襲い、船の座礁も2件報道されました。
そのひとつ、鹿島灘(茨城県神栖市)の現場にたまたま遭遇。大勢の野次馬に混じって新聞、テレビ、各社スタッフの姿もありました。強風に煽られた波しぶきを、頭からかぶって撮影したのがこれ。最初画面左側のは防波堤だとばかり思ってたら、へし折られた本体でした。
ホントはもっと波が高く上がった絵を撮りたかったけど、そんな余裕は無し。

馴染みの海とは云え、こんなに荒れたのを見たのは初めてで、車で走ってても波が岸壁を越えて降ってきます。「あぁ、こんなふうに波に流されるのかもな〜」とちょっと恐怖も感じました。
乗組員の何人かは自力で岸に到着したらしいけど、よくこんな中辿り着けたものです。とてもじゃないけど泳げるもんじゃないよ!奇跡としか言いようがない!
新聞の地元版が取材したのを要約すると、こういう事です。
「6日夜7時頃、70歳代の女性が娘とテレビを見ていた。ガラス戸を叩かれたので見に行くと、裸足で全身ずぶ濡れで顔は油まみれの男性が立っていて、ひっくり返ったというジェスチャーをする。
女性は、てっきり車が転倒でもしたのかと思ったという。着ていたライフジャケットと「スイミング、スイミング」と言った言葉で、どうやら泳いできたらしいのは分かった。
座礁事故のことも(まして命からがら泳ぎついたと)知る由もなく、警察が到着する間、男性を玄関に座らせて熱いお茶をすすめると一気に飲み干して菓子パンも少し食べた」
10月の夜7時近く、ただでさえ暗い。しかも嵐が吹き荒れている。そんな時に中東圏の男性がずぶ濡れで立っている。おそらく目だけは大きく見開いていただろう。
申し訳ないが怖い。この女性もどんだけ肝を冷やしただろうかと思う。
それにしても、ひどい風だった。
この船は鹿島港への入港待ちだったらしい。実は港の一番端っこと現場とは車で10分足らず、直線距離にしたら朝の散歩程度だろう。船員達にしたってまさかこんな目に遭うとは思いはすまい。
たとえるなら、嵐の中帰ってきて玄関で鍵を探していたらゴッと風に飛ばされた様なもんだ。
私がここを通りかかったのが10月7日昼、翌8日も強風は治まらず何度か地域の防災無線で捜索状況が放送されていたが捜査は難航していた模様。
重油の流出もある。漁業への影響も甚大。船体の引き上げも含め難題が残っている。
なにより、未だ見つかっていない人が多数いるのだ。もう一件のサンマ漁船もそうだが、早く見つかって欲しい。けど、もう3日経ってるし、ご家族には申し訳ないが無事にとは言えそうにない。

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