「どうしてこんなにも点数が伸びないんだろう」
中野友加里のスケートが好きで、彼女を応援するファンの誰もが持っている疑問の筆頭はこれだろう。
たとえば、浅田真央以上の3Aを跳んだところで、TVが映すのは浅田ばかり。
正直、浅田ファン以外には、腹立たしい面もあるが、そんなことは、どうだって構わない。
所詮、民放なんざ、相手が誰であれ、数字稼ぎのコマとしか見ていないし。
それよりも、あれほどに美しく滑る彼女の評価が低いことの方が遥かに問題なのだ。
昨年の世界選手権、初出場で5位入賞を果たしたことで、彼女の点数が今後もっと伸び易くなることを、私は期待していた。
しかし、相変わらず見た印象よりも実際の点数が低い。
もちろん、TV画面で見ているのとジャッジ席で見ているのとでは、演技の印象が異なり、ジャッジのすぐ近くで見た場合、その判断は正しいものに感じるという話も知ってはいるが、それでも、「何故?」と思うのだ。
特に、5コンポーネンツの低さ、とりわけ「スケーティングスキル」の評価が、先日のグランプリファイナル、フリーではようやくの7点台というのが、納得できない。(他の4項目に至っては6点台。)
「やることはちゃんとやれている」と言う、佐藤コーチの言葉通りだとしたら、不当に点数が押さえられているのか(ジャッジ批判をするつもりは無いが、これ以上の日本の躍進を快く思わない気持ちが働いているのではないか)と、訝ってしまうほどだ。
しかし、当の本人もコーチも至って生真面目に「まだまだ磨いていくべきこと、練習を積むべきことは多い」とし、真摯に課題と向き合っている。
たしかに、真のトップ選手として安藤、浅田、キムヨナらと肩を並べるには、少なくとも3-3の連続ジャンプは習得しなくてはならず、他のエレメンツでのレベルアップも、誰がどこから見ても文句無く評価される様に図る必要があるだろう。今季の課題としている5コンポーネンツを伸ばす為のトレーニングも、今以上のものを積まなくてはならないはずだ。
その過酷さは、私なんぞに耐えられるものではないが、水面下では必死に足を動かしながらも優雅にたたずむ、白鳥の様な中野友加里の努力がきちんと報われる日が早く来て欲しいと、心から願っている。
佐藤コーチと中野の談話は、スポーツナビコラム「
中野友加里が世界の表彰台に上がるためには」で、どうぞ。

0