浅田がまさかの惨敗。
スロベニア入りした頃から(それまでよりは)調子が良くないとも一部で伝えられてはいたが、よもや、これほどまで崩れるとは。
これこそが「追われる立場のプレッシャー」か。
優勝したキム選手は、ジャンプを猛特訓したと伝えられた。おそらく常に前をいく浅田が目標だったのだろう。
シニアとジュニアとに別れた今シーズン、ほぼ一年ぶりに試合のリンクで見たライバル、キム選手の姿は浅田の想像を超えて成長している。当然、脅威だったはず。
それは、まさにパラヴェーラで荒川を目の当たりにしたスルツカヤと同じ心境ではなかったろうか。
口癖の「ノーミスして」どころか、惨憺たる結果になった。
だが、今回の負けを『マイナス』とする者は誰一人としていないはずだ。
当の本人も含め、コーチ、周囲の関係者、フィギュアファン、全てが『プラス』と考えているだろう。浅田の目標はまずは、バンクーバーだし、順調にいけば、むしろその次こそが正念場。
一度、負けておくことは、小娘まおの成長には不可欠なことだ。キムという素晴らしいライバルにも恵まれて、実りあるシーズンだったと云えよう。
今後、浅田とキムが女子フィギュア界を引っ張るのは間違いないだろう。
いよいよアジアの時代がやってくるのだろうか。
さて「ミラクルまお」と、もてはやされる浅田の滑りは、今のところ、私には特別魅力のあるものではないが、キャラクターを存分に活かす演出と技術には、一目置いている。
何より好ましく感じるのが「晴れ晴れとしていて、滑っている本人が一番楽しそう」に見えることだ。(村主とは対極にありまんな〜)
見ている人を幸せにする希有なスケーターだと言える。浅田が持つ天性の魅力だろう。
この魅力は、もしかしたら大人になるに従い曇るかもしれないが、ジャンプは既に完成していると云われてるし、優雅な舞を身につけてもらえれば、オイラには「あとひとつの注文」以外、何も言うことはありませんよ。そう、注文はたったひとつだけです。

小娘まおへの注文

「ノーミスして〜」って、言うな!
ソレ聞くたびに相方と二人『ノーミスで!』と突っ込むのに忙しいぞ

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