書店にて1冊の雑誌を手に取って反射的に棚に戻した。「またか。。。」とゲンナリした。
それは創刊号のみ購入しその後は立ち見ですませている、昨今人気の「スローでエコな暮らし」をテーマとした本だ。
一瞬の嫌悪感で思わず戻したその表紙には『出合う』の文字が踊っている。
言うまでもなく『出会う』が正解。
気を取り直し、もう一度手に取ってパラパラと見ていくと本文中にも『出合う』もしくは『出合い』とあった。
さすがにそれ以上見る気にはならなかった。
グラフィックの現場が写植からパソコンでの文字入力に変わって久しいが、それに伴いこの手のミスが増えている。おそらく写植時代こんな誤植(死語ですね)は無かっただろう。
実につまらない単純な変換ミスと校正漏れでしかない例だ。
もちろん「出合う」以外にも誤字はあるのだが、私にはこれが一番気になって仕方が無い。
「何しろ数の多さといったら尋常じゃぁナイのだ!」
さすがにTVの字幕でお目にかかった記憶は無いが、雑誌は言うに及ばず、新聞にも平気で『出合う』とある。
おそらく今、世の中には「出合う」に違和感を持たない人すらいるのではないだろうか?
このままだと、いずれ辞書に「出合うとも書く」なんて載ってしまって、あたかも正しい言葉遣いになりかねない。
言語は時代や風潮で変化しちゃうもんだもん。
もちろん私とて誤字・脱字の類はお得意だ。
だが、そっちはプロだろう!こんな味気のないミスをして欲しくはないのだ。
見るたびに、ひとり勝手に苦々しい思いを味わっている。

0