

朝5時に目が覚めました。雲がまだ残っているものの、これから拡大しそうな雰囲気の青空がところどころに顔を出していました。薄暗いうちに出たつもりがもう明けきって、一夜明けたメインロードではカラスが残飯の袋を引きづっていました。まだ6時を回ったばかりだというのに旅館では小学生の一団が列をつくり「おはようございます!」と元気いっぱいです。
五重塔の前には散歩をしている小学生もいました。ちょうど国宝展をやっているらしく「最後尾」の札が無造作に置かれていました。どこへ行っても日中のにぎわいを感じさせます。早い店主は屋台を土産物で飾り付けています。ここでまた東大寺の南大門の大きさに圧倒されました。それから二月堂まで足をのばし、奈良盆地の眺めを堪能、結局大仏まで観て帰りました。

奈良盆地見渡し秋の二月堂
ホテルをチェックアウトし「いざ平城遷都1300年会場へ!」というところでしたが、さきに気になっていた箸墓古墳を散策することにしました。奈良から「まほろば線」に乗って巻向で降ります。箸墓は最近「卑弥呼の墓」話題になっている古墳です。周辺は纒向遺跡群として保護され崇神天皇陵や景行天皇陵に至る道が「山の辺の道」という散策道になっていました。

山の辺や赤のまんまの古墳群
電車を待っている間、地元のお母さんに話し掛けられました。「どこから来たの?」「どこ行って来はった?」から始まって私が熱川でペンションオーナーをしていると言うと、「新婚旅行で泊まったよ」ととても懐かしがられました。電車が来ると見送ってくれました。乗る気配がないところを見ると、あのお母さん、無人駅のベンチを日々の楽しみの一つにしていたんですね。観光案内して頂きありがとうございました。さあいよいよ1300年祭です。

鯖雲の攻めてくるなり大極殿
奈良駅から出るシャトルバスに乗って会場へ、昨日と打って変っていい天気に恵まれました。ところどころ秋の雲が広がっています。地図を見ても全体像がつかめないでいたのですが、会場について何となく分かってきました。今は農地や荒れ地になっているところに、朱雀門と大極殿が復元されたのです。ぐるっと歩いて回りましたがすごいスケールです。

雲せまる朱雀の門の刈田かな
楽しみにしていた「歴史館」は整理券を配るほどの混雑で、メイン会場です。伊豆新聞で展示されている遣唐使船が松崎で作られたと聞きました。それでぜひ乗ってみたいと考えたのです。当時の留学生は命がけで唐に渡り、学芸を修めたんですね。いやというほど館内でアニメ映画のようなものを見ました。

飛ぶ星と荒海越えし遣唐船
全体的な感想を言うと、「本物にはかなわない」ということでしょうか。復元された朱雀門や大極殿は本当に素晴らしいものでしたが、実物の南大門や五重塔にはかないません。復元することは偉大ですが、そのままの姿を残すことはもっと偉大だと思います。

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