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今日は久しぶりに生まれ故郷である荻窪に行きました。本家に用があったのと出版社に顔を出しに行くというそんなに差し迫ったことでもないのですが、久しぶりに東京の空気それも私が生まれた荻窪の空気を吸いました。
とはいってもあんまりおいしい空気とはいえないですが、なんとなく落ち着きますね。やっぱり懐かしいというか…。以前「杉並文化通信」有志が作っているミニコミ誌に5回シリーズで「荻窪・天沼」について書きました。ちょうど200号にさしかかったところで記念にもなる投稿でした。それが3年ぐらい前でしたでしょうか。
そのころと比べて大した違いはないのですが、ラーメン屋さんが増えたような気がしました。春木屋さんは有名ですがほかにもたくさん出ていましたね。私が昼食を食べたところはTVチャンピオンの優勝者がプロデュースしているお店でした。店内の壁の一面に昭和41年の写真が浮き出されていて懐かしい思いがしました。
やはりここに行かずに入られませんでした。「好美屋」です。小さいころ母に連れられて闇市上がりのバラックのような商店街を買い物に行くと好美屋はありました。あのころ一つ45円のソフトクリーム、絶品でした。あんな小さいころから最高の味を口にできたしあわせ。今の仕事に繋がっている気がします。
3年前、取材したときは180円になっていました。「4倍になりましたね」と話したのを思い返しながら店頭を見ると今は210円になっていました。ちょっと上がりましたね。このご時勢ですからしょうがないかもね。でも味は変わらない。この味でした。つくづく思うのですが、あのバラックからタウンセブンへ店の構えは変わったけど味は変わらない。荻窪は変わりつつあるけどまだ昔ながらの商店街は残っているところもある。そして私がソフトクリームを食べている横では80にもなろうかというお婆さんが美味しそうに同じものを食べていました。
店の主人に「懐かしいです。小さいころよく食べました」というと「ああそうですか。また寄ってください」と感慨深げに言われました。味というもの。今いろんな意味で食に関して疑問符が打たれています。将来に伝えるという意味で考えさせられます。

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