

春らしい陽気、ちょっと寒いですが…今日卒業式を迎えました。3つ離れた娘が小学校と中学校で式を迎え、小学校では午前中、中学では午後に行いました。
小学校ではPTA会長を務めましたので、緊張の面持ちで来賓席に着席、祝辞を述べました。輝かしい未来に向け、飛び立ってほしいと思います。
≪会長祝辞全文≫
どうぞ、ご着席ください。
6年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
今日は少し肌寒いですが、春らしい陽気になりました。ここに来る途中、早咲きの大寒桜や大島桜が満開を迎えているのを見てきました。静岡ではおととい、ソメイヨシノの開花宣言がありました。まるで皆さんの祝いの門出に合わせたかのようですね。
来賓の皆様、本日はお忙しいところを熱川小学校の卒業生のためにお集まりいただき、まことにありがとうございます。また、保護者の皆様に置かれましては、本日の晴れの舞台を心待ちにしておられたと思います。今日は皆様を代表して一言ご挨拶を申し上げます。
皆さんとは一年生のころから、学校の行事や読み聞かせなどを通じてふれあいを続けてきました。いま、卒業証書を授かる姿を見て、6年前に、皆さんが大きなランドセルを背負いながら入学式に参列した姿がオーバーラップしてきました。あのころは小さくてかわいかったですが、今は大きく頼もしく見えます。皆さんは、本日参列してくださっている方々と、この熱川小学校に大きく育てられました。
ちょうど昨年の今頃、皆さんが収穫した落花生でアイスクリームを作りましたね。とても美味しく戴くことができました。あれから一年ですから本当に月日の流れるのは早いものです。
今年はインフルエンザが流行って学校行事にも大きな影響がありました。修学旅行はマスクを着用。皆が無事に帰ってきたときには、本当に安心しました。校長先生のお話によれば、「男子も女子もよく協力して実りある修学旅行でしたよ」とのことでした。
秋の運動会では、自分の競技はもちろん一生懸命がんばって、下級生の面倒もしっかり見ていました。応援団も立派でしたね。
そして、何より印象深いのは「子供議会」での皆さんの立派な姿です。皆さんが日ごろ疑問に感じていることを、町長をはじめ教育長、町の担当者に言葉にしてぶつけたこと。すばらしいと思いました。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉があります。皆さんも聞いたことがあるでしょう。分からないことを人に尋ねるということは、その場は恥ずかしいかもしれませんが、聞かなければ一生恥ずかしいのです。
いま、ゲームやインターネット、メールなど、人と話をしなくてもコミュニケーションを取れる時代になりました。また、皆さんはバーチャル世代ともいわれ、実際に体験しなくても、その中に入ったような錯覚を覚える世代とも言われています。外出しないで家に閉じこもる人も年々増えているそうです。
今から150年前、幕末の志士である吉田松陰は、諸国を歩いて回り、世の中の現状を見つめました。そして、浦賀にやってきた黒船を追いかけて伊豆の東海岸を歩いて下って来ました。大川の沖に黒船を見つけると、北川、奈良本を駆け抜け、この熱川小学校の前を通り過ぎ、掘り切りの坂を下って坂町に出て、白田を抜け下田に至りました。伊豆半島が歴史にクローズアップした瞬間です。
私は皆さんに幕末の志士のような人生を送ってもらいたいわけではありません。ただ、あの当時の人々は、未来に夢を持って人生を送っていたことを知ってもらいたいのです。“勝ち組”“負け組み”があるといわれる現代において、しっかり夢を持って生きてほしいと思います。
話はガラッと変わりますが、私は皆さんにお願いしたいことがあります。それは「感謝の言葉を声に出して言う」ということです。
皆さんはこれから「思春期」という人生でも非常に揺れ動く時期に突入します。それは時には「反抗期」という言い方もされるものです。親の言うことがうっとうしかったり、先生の注意を聞かなかったり、時には友達とさえ言い争いをしてしまいます。そのことは心配することはありません。ここに参列している来賓の皆さんも先生方も保護者の方々も、皆そういう時期を経てきました。
ただ、私が言いたいのは、「声に出して感謝の言葉を言う」ということです。つまり、本当は「ありがとう」って言いたいことを言えないでいる自分に“かつ”を入れて、声に出して「ありがとう」と言ってもらいたいのです。話はしなくても親なら何を考えているかわかります。ただ、感謝の気持ちだけ声に出してください。「ここまで育ててくれてありがとう」と、それで親も先生もわかります。
結びに、校長先生をはじめ教頭先生、担任のI先生・S先生、お世話になった先生方、ここまで子どもたちを指導いただき、ありがとうございました。今後とも温かいご支援をよろしくお願いします。

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