人間は自然の前では無力なのかしら、と書きましたが、どんな自然の美しさにも負けない感動を与えるのが、笑顔じゃないでしょうか。
苦境に立ちながら、笑顔を作って話をされようとするとき、そこからは、その人の真の強さが伝わってきて、その強さは、周りの人にも伝染します。
ほんとはその人が一番苦しんでいるかもしれないのに、見ているこちらの方が、なぐさめられ勇気づけられたりも、します。
もう1時代前のサッカーワールドカップ。
城という若い選手が、世界相手に苦戦している日本チームの中で、ガムをかみ笑顔ではつらつとプレイしている姿に、わあ、いいなあ!と好感をもったことがありました。
それは、「好きなサッカーを、楽しんでやってるんだ!」という笑顔に見えたんです。
しかし、これには、猛烈な賛否両論が持ち上がりました。
真面目にやるべきときに笑顔、と言うのは、もともとは日本の文化にはそぐわないのかもしれません。
苦しい試合をしてるときに何たる不届きな態度、と言う批判が上がりました。
でも、笑顔は、緊張をほぐし、ポジティブな思考をもたらしたでしょうし、たとえ無理して笑っていたとしても、そのうちそれはホンモノになったのだと思います。
(もっとも、今、我がコンサを痛めつけて不敵に笑う城選手は、あまり好きではありませんが・・。)
台風や地震の被害に遭われた方々、ご親戚や知人の方々に笑顔が戻るには、受けた衝撃の大きさの分だけ時間が必要なことと存じます。
でも、早く笑顔が戻られる日が来るといいです。
心底からの笑顔ではないかも知れないけれど、それが再出発への一歩になる気がします。
今はまだ、そんなことを言う時ではないし、生意気なのも重々承知ですが、被災しなかった私たちも、自分たちにできることを考え実行すれば、もしかしたら、被災者の方々の笑顔を取り戻すお役に、少しは立てるかもしれないと考えております。

0