ある日、「これやっとってね」とうちの旦那が持ち帰ったものは、確定申告の説明用紙でした。時は‘80年代後半、場所はカナダ・モントリオール。
「え、私がやると?うそやろ?」
それを見て思わず、冗談でしょと思いました。
何十ページもある分厚い英語の説明書2冊(国と州)、全部読んで申告書書いてって・・・考えただけで気が遠くなりそうです。第一、日本ででさえ、確定申告なんてやったこと無い。全然面白そうじゃないし。
でも、確かに他にやる人いない、旦那は仕事だし・・まさかプロに頼むなんて金、ねーよなあ・・となると、やっぱり私がやるしかないのか。
しょうがなく、しぶしぶ、辞書を片手にとりかかりました。
予想に反したのは、説明書って、高校英語なんかより、ずっとわかりやすいんですね。変な言い回しとかないし、文章も短い。辞書で分からない言葉さえひけば、英文解釈なんてしなくてOK。それに、商売してる訳じゃないから、実際に書くべきところは、あまりありませんでした。
しかも、人間、金が関わると、結構一生懸命になるもんです。
おー!よく見ると、日本からの引っ越し費用が、申告できる〜!
旦那の仕事のために買ったものも、申告できそう。
ダメもとで全部、申告することにしました。
で、できあがりました!じゃじゃ〜ん!はじめて書いた確定申告!
この説明書、はじめて私が最初から最後まで読み通した英語の本じゃないかしら。達成感でいっぱいです。
できあがった申告書では、うまくいけば、100加ドルほど戻ってくる事になりました。
一定金額以下の場合、州のほうは黙ってその金額を払い戻してくれます。だからそのままキャッシュバ〜ック!国のほうは、若干減りましたが、それでもこちらもかえって来ました。
臨時収入、うれし〜!労働が報われました。
確定申告って、戻ってくるとなると、とたんにやりがいのある仕事になるもんだと思いました。

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