LAの空港からロングビーチまでメトロを使いました。
ところが、キップの自動販売機(従業員はいない)が1ドルとコインしか受け付けてくれないのに、私たちは細かいのをもっていません。
周囲に、10ドルから両替できる人はなく、「あそこのレストランで頼むといい」といわれて行くと、表には「Naked girls(裸のお姉ちゃん)」とかかれた看板、入り口には腕っぷしの強そうな門番がいるではないですか〜。
「キップ買うのに両替したいんですが・・」とおそるおそるいうと、「あーそれなら、どーぞ!」と笑顔になって中へ入れてくれました。
中は、レストランといえど、映画なんかでよく見る、舞台の上の棒にお姉ちゃんがつかまって色っぽい仕草をするようなバー(さすがに昼間はやってなかったけど)。従業員のお姉ちゃんも、気さくに両替してくれて、まあ見かけで判断しては行けないわね、と思いながら、無事10ドルくずして旦那のところへ戻ってみると、旦那はアヤシげな雰囲気の店に私が入っていったのを、ちょっと心配してたようで。私も、知らなかったからできたとは言えます。
さてメトロがまた、どうも雰囲気がよろしくないです。さてはこの辺りはあんまり治安がよくないのかなあ、とこっちはトランクやらかかえていかにも旅行者然としてましたから、ちょっと緊張して乗ってました。
道々見える家々も、そんなに裕福でない印象です。ロングビーチに着いても、その印象は変わらず。
その日、夕食を食べに行こうとバスを待っていると、同じくバスを待ってた男性が「ロングビーチは初めて?」と声をかけて来ました。”初めての滞在がもう1年にもなる”という車に寝泊まりしている彼に聞くと、夜ぶらぶらするのはお勧めできないとのこと、命は取られないけど金を盗られる程度には治安が悪いらしいです。そうなんだ。
日がたつと、その”車中泊”の男性が行ったように、ある程度は危ないけど、凄く危険と言うほどではないという雰囲気には、慣れてきましたが、それまでアメリカではどこでもたいてい、行っちゃ危ない場所と安全な場所がわかれているものだと思っていたのに、ロングビーチやLAって、どこへ行ってもある程度こわい感じです。
グラミー賞のあったステープルセンターだって、建物は立派でしたが、周りはそんなに居心地よくなさそうな雰囲気でした。
(LAのダウンタウンで、映画のロケやってましたよ〜。)
ところで、両替までしてキップをかって乗ったメトロ、改札も従業員もどこにも見あたりませんでした。それから何度かメトロを利用しましたが、きっぷの確認なんてありませんでした。
なんだい、これなら両替しなくても乗れたじゃんと思ってたら、最後にLAの自然史博物館に行った帰り、お巡りさんが突然乗り込んできました。なんと、メトロの従業員ではなく、お巡りさんが時々キップをチェックしに来るんですって。だから普段駅にも車内にも、誰も従業員がいないのね。でもこれって車掌さんが来るよりこわ!
ちなみに公共の交通機関の値段はバカ安でした。
メトロはどこまで乗っても1ドル25セント、ダッシュというバスが25セント、ロングビーチのダウンタウンを走るパスポートというバスは一定区間タダです。
ほかのものは結構物価が高いのに、公共の交通費はこんなに安い。そでれでもLAは車社会、しかも、よくアメリカで見るへこんでも窓ガラスの1枚や2枚割れても平気な車でなく、きれいな車ばかりがたくさん走ってます。どこかへ行こうにも、道案内もたいてい車用です。
一体、豊かなのか貧しいのか、よく分からない町でした。

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