その昔、縁あって、四国の田舎町にお邪魔したことがあります。
そこは、農業と漁業が主産業の、一面広がる畑と自然と海以外、何もない、とてもきれいなところで、そのころネイチャーウォッチングを主とした観光地として有名になりつつあったので、それに関わる方々を中心に、自分たちがその土地で守るべきものが何かを、十分分かっておられました。
しかし、観光地として、やがて、きれいな松林と砂浜の中に、突然現れる不釣り合いなモダンな建築ができあがり、アクセスの利便性を求めて道路工事も始まりました。そのままの自然を守ろうとする人口より、都会と同じものをもっていることが集客の常套手段、と考える人口がまだ多かったということでしょうか。
今、何もないところを探そうたって、そうそう見つかるもんじゃありません。
”有る”ものを探すより、”無い”ものを探すのは難しいのだと思います。
なにせ、見えませんもんね。
住んでいる場所の価値は、昔っからそこに住んでいる人が、一番遅く気づくのかもしれません。
福島では、今度の日曜は、市長と補欠市議会議員の選挙ですが、相変わらず、車を走らせながら、マイクで「お願いします、お願いします」と、がなり立てる選挙運動をやってます。
戸締まりしてたって、1つ先の道路の声が聞こえるんですから、相当なものです。
福島にきたころびっくりしたのは、飛行機による宣伝放送です。
初めて聞こえたときは、いったいどこからこの声は来てるのかしらと、まさか上空からとは思わず、辺りをきょろきょろと探しました。そしたら、飛行機の音がして・・・。
もしかして断水とか、停電とか、大切なお知らせかもと、耳を澄ますと、パチンコ店の宣伝でした。がっくり。
うちの辺りは、普段、宣伝や車の音が絶えず聞こえるようなことはまったくなく、とても静かです。
なにも聞こえないと言った方がいいかも。
せっかく静かなところで、わざわざその静寂さをぶちこわすなんて、なんてもったいない!
今度の選挙は、まずは、がなり立てた候補者は除け、それ以外で選びます。
(はたして、誰か残るのか?)
宣伝も工夫して欲しいです。
長いことかき立てましたが、要は、これが言いたかっただけ!

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