北海道の山では初冠雪だそうです。
札幌にいた頃このニュースを聞くのは、長い冬が今年もちゃんと忘れずに始まったことを知らされたようで、あまり嬉しいものではありませんでした。
九州なら、まだまだ「残暑厳しい折」という挨拶が似つかわしいこの時期、札幌では第一号のサケが川を上ります。近所の山も色づき、すぐに川は、産卵を迎えたたくさんのサケの繁殖の場となります。
落葉の頃には、そのサケも使命を負え、”ほっちゃれ”と呼ばれるぼろぼろになった姿で漂い、やがて力尽き、カラスや野生動物のえさとなり、その上にちらほら雪が舞い始めたかと思うと、ある日どかっと降った雪ですべてが白く覆い隠され、それは融けることなく、本格的な冬になります。
雪が融けるのは、平地で4月、山の上では5月です。
北海道の自然にはずいぶん楽しませてもらったし、冬の楽しい思い出ももらいましたが、九州生まれのせいか、長い冬はやはり厳しい。少々気分が滅入ります。雪国の方々が忍耐強いのは、きっとこの長い冬に耐えてこられ続けたからではないかしら。
今日、初冠雪のニュースを聞いて、うちの庭を見ると、まだ朝顔も少し咲いてるし、ピッチは落ちてはいるけど野菜だってまだ収穫できる、もみじはまだ全く紅葉の気配すらしめしていません。
北の皆様、こちらではもう少し、冬を押しとどめておいて、夏の余韻と少し長い秋を楽しませていただきます。
ごめんね〜。

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