先頃札幌に行った時、元職場で、その日野外にでていた実習生の女性の話題になりました。
草むらや虫に弱くて、ザリガニやカニのような甲殻類が嫌い、さすがに魚は大丈夫だそうですが、野外調査では、当然、草むらを通って河原にたどり着かねばなりません。
水族館には、魚だけでなく甲殻類も当然います、エサとなる虫もたっくさん。
いったいどこをどう間違って、そういう人が水族館の研修にあてられたのか、そこがまず不思議ですけど、まあ、それは別にして、彼女は、表だって泣き言を言ったわけでなく、年長の女性職員にだけに、陰でそっと漏らしていたそうです。
「もう大変」と、死にそうなくらいの様相で。
なんともかわいいじゃないですか。
水族館で少なくとも現場に関わるような人間は、おしゃれとは無縁で、魚なんか平気でつかむくらいの人ばかりですから、ひさしぶりに女性らしい女性の姿を見て(聞いて)、感動しました。
「『軍手
(館には殆どまともな軍手はありません)なんかもごわごわして』と言ってたよ」との言葉に、別の女性職員いわく、「水につければ大丈夫なのに」
いや、だからそういう問題じゃないんだって!
そう、水族館と彼女の住む世界は、完全に反対の世界。
こちとら、そういうデリケートな世界があると言うことすら、忘れていました。
長い間、魚の世界で暮らしてすっかり居心地良く慣れてしまい、遠い世界からやってきたような彼女が、とっても新鮮でした。
もっとも、そんなことのほほんと思ったのは部外者の私くらいで、彼女にとっても、対応する職員にとっても、それからさらに続く試練の日々に、それどころじゃなかったでしょうが。
今頃、実習を終えた彼女はどう思ってるでしょう。
案外、たくましく成長してたりして!

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