TVからオフコースの曲が流れて来て、思い出したのは、2年前に亡くなった友達・ジャッキーのことでした。
ジャッキーは、頭の回転の速い、大きな目がキラキラと好奇心といたずら心に光る、ちょっと口の悪い、私より3〜4つ年上の、水族館の研究員でした。
当時、私が入り浸っていた研究室の中で、最後(といっても総勢4人ですけど)に仲良くなったのが彼女、好奇心は人一倍なのに、人見知りするんです。でも、最終的に研究室で一番仲良くなったのも彼女でした。
研究室の人間は、朝が苦手な人間ばかり。
だから、朝は、音楽をかけながら、ぼちぼち頭を起こしていくのが日課でした。
その朝に、「何か日本の音楽を聴きたい」とジャッキーに頼まれたので、それまでかかっていた曲の感じから、これなんかいいいかな、と持っていったのがオフコースでした。
思ったとおり、ジャッキーはすぐにオフコースが気に入り、「なんて言ってるの?どういう意味?」と次々質問し、朝一番の音楽はしばらくオフコース、私たちの日本語講座が始まりました。
もっとも一番面白かった質問は、「この人女性?」ですが・・。
頭はいいし、水族館に来る前はバンドをやっていたそうで、すぐにオフコースの歌も歌えるようになりました。
2年前、福島で引越しの後作業をしている最中に、訃報のメールが来ました。
調査機が海に墜落、乗組員とパイロット3人全員が亡くなったということでした。
「はあ?」と最初は信じられなかったんですが、ネットにもあちこちにニュースが出てるし、だんだん本当かな・・と思うようになりました。
日本に帰って以来、ジャッキーには会ってないので、実はまだ、生きていても何の不思議もなく受け入れられるんですが、受け入れないと、ジャッキーが可愛そうだし。
あれから、文字通り世界をまたに研究にかかわっていたジャッキー、いつか日本にも来たいといってました。
「ほら、オフコースで歌ってるのは、この人!ちゃんと男性でしょ?」と、証拠を見せられたのになあ。

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