モントリオールにいた頃、とにかく冬が寒い(最低気温マイナス30度くらい)からか、甘いものはとにかく甘い、健康に悪そうな脂質たっぷりってかんじの食べ物もありました。
その代表かも知れません。
シナモンバン(Cinnamon Buns=シナモンロール)。
私は大好きでした。
日本のパン屋さんでもシナモンロールは売られてますが、あんなお上品な甘さでもなければ、ぱさぱさ(あくまで比較で)でもありません。
日本のシナモンロールは、それはそれで、日本バージョンとして正解なのだと思いますが、なにしろモントリオールのそれは、アイシングもバターも、作りたてのあつあつバンから、じと〜っとしたたってくるくらいでしたから。
モントリオールの中心通り・サンカトリーヌの、アットウォーターという地下鉄を降りてすぐの所に、いろんな小売店が集まった建物がありました。
小物店あり、肉屋、魚屋、お菓子屋など様々な食品店あり、ファーストフード店(といっても、マクドとかのアメリカ系でなく、個人商店で各国様々)ありで、結構、歩き回ると面白い場所でした。
そこに、シナモンバン(=シナモンロール)をガラス越しに作りながら売っているお店がありました。
ちょうどうどんやそばを作る時のような長い棒で広げた生地一面にバターの薄切りをのせ、その上からシナモンパウダーを一面に振りかけ、それをくるくるとロールしていき、1個分の大きさに切って、切り面を上にした状態で並べられて2次発酵し、焼きます。
互いにくっつき合いながら並んで出てきた焼きたてのバンには、上からシロップがたっぷりかけられます。
買ったバンは、バンが1コはいる箱形の発泡スチロールに入れてくれます。
食べるのは、フォークで。
でないと、熱いし、バターやシュガーが指にくっついてしまいます。
健康に悪いと分かっていながら(20代の当時ですら罪悪感に駆られつつ)、あのバンをほくほく食べていたのを思い出して、いまでも時々、あれくらい甘ったるくてごってりのシナモンパンが食べたくなります。
作ればいいんですが、でもたとえ生地はちゃんと出来たとしても、自分で作るとなると、さすがにあんなに大量のバターや砂糖を入れる勇気は、とても出ないと思うんです。
目をつぶっている間に誰かが入れてくれなきゃ無理かも。

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