10/1のシリーズの続き、ヴァンスカ/読売交響楽団のニールセン2,3番を聴きに行きました。1年半前の1,6番、4番の2回と合わせて、ニールセンチクルスの最終回です。7日はサントリーホール、8日は東京芸術劇場での公演です。
<曲目>
ベートーベン/レオノーレ第3番
ニールセン/交響曲第2番、3番
ニールセン2番と3番は、万人にお勧めできる聴きやすい名曲です。2番は「4つの気質」、3番は「エスパンシーヴァ」という副題がついています。副題好きな日本人ですが、やはり二字熟語でないと駄目なんですかねぇ?
まず
「4つの気質」。1楽章のとんでもない爆発は、さすがです。やや早めのテンポで爆走していきました。2楽章は、フランス民謡(だったか?)のメケメケによく似たメロディーなので、バラードっぽさを感じていたのですが、今回の演奏を聴いて「舞曲」であることをしっかり認識させられました。この交響曲における緩徐楽章は3楽章なので、これは新鮮でした。3楽章はメランコリーなのですが、とんでもなく憂鬱な気分になりました(音楽的な意味で)。それをサラリと流すような4楽章の爽快さ。作曲家の意図を最大限に活かした指揮だったと思います。
メインの
「エスパンシーヴァ」は最も好きな曲です。実際に演奏して(
こちら)、演奏側から見てもすばらしいと思います。特に、この曲の2楽章を超える緩徐楽章は聴いたことがありません。ヴォカリーズ(歌詞なしの声楽)が非常に効果的に用いられ、ホールに溶け込んでいくオケの響きと声楽の響きは絶品です。CDでは味わえないものでしょう!1楽章は、4番・5番へと繋がっていく「競技的三拍子」なのですが、これもまた爆発力が凄い。4楽章は、チャイコフスキーもびっくりな大団円で、その中にもニールセンらしい音の連打や気持ちの良い転調が見られます。
ニールセン、今後日本で正しく評価される事を願うばかり。