とあるトンネルの漏水を調査してほしい、とお世話になっているお客様からご相談を頂戴しました。早速現地に見にいってみたところ、実に見事なレンガ構造物でした。
以前に補修した跡があるのですが、明治時代に施工したすばらしいレンガ積みに対する思いや配慮が欠けているように思えました。その後、少しお金が余分にかかってもレンガもきれいに戻すような補修をすべきではと考え、各方面に相談する中で「土木遺産」をテーマに活動されている東北大学の先生とお会いできました。私どもは詳しくは知らない言葉でしたが、まさしくこのレンガトンネルは「土木遺産」という言葉に相応しく思えました。
さて、その先生が当社の補修技術の話などに興味をお示しいただき、「今度
土木シンポジウムがあるので、その際に『ポスターセッション』に参加してはいかがか」というお話を頂戴しました。ポスターセッションというのは1枚の掲示物に取り組みや成果をまとめ展示し、来場者の方の質問に受け答えするということでした。
弊社は「土木遺産」というつもりでこれまで仕事をしてきたつもりではないですが、先人の偉大な土木技術を十分配慮し、なるべくその成果を傷めずに補修し、違和感なく仕上げるという趣旨が「土木遺産の修復技術」という趣旨に合ったようでした。
さて当日。

シンポジウム会場の入り口にこうしていろんな団体が展示をしております。

弊社は「トンネルの建設年代による特徴を活かした修復技術」と題した展示をさせていただきました。シンポジウム開催前のポスターセッションの時間に訪れた方といろいろお話させていただき勉強になりました(下写真左背は弊社森崎社長)。

もちろんその後のシンポジウムも聴講させていただきました。
土木遺産の概念、東北における遺産の報告、各種取り組みなど、専門家の皆様のお話を拝聴し、今まで考えたこともない視点や姿勢に驚くとともに、今後当社としても技術的な面でご協力させていただきたいと強く思いました。

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